中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、大山隠岐、足摺宇和海国立公園があります。
早速ですが、先日休暇村瀬戸内東予で行われている自然観察会の1つ、ウミホタルの観察会に参加させていただいたので、その様子を報告したいと思います。
「ウミホタル」って、どんな生き物か皆さまご存じでしょうか。私自身、「ヤコウチュウ」は何度か見たことがありますが、ウミホタルは今回初めて観察しました。どちらも光を放つ海の生き物ですが、ウミホタルは大きさ2、3mm程度の動物プランクトン(海産ミジンコの1種)で、ヤコウチュウは大きさ1mm程度の単細胞の植物プランクトン、というように別の生き物です。
休暇村瀬戸内東予ではこの観察会が毎土曜夜に10月いっぱい行われています。今回の観察会には、小さなお子様から、年配の方まで宿泊されていた40-50人もの方が参加され、「ウミホタルクイズ」や解説に盛り上がっていました。
本館での説明のあと、いざ浜辺へマイクロバスで降りていき、用意されていた採集瓶(コーヒーの空き瓶に餌を仕掛けたもの)を海へ投入、しばし待ちます。
採集瓶を手に説明
この間星空の観察などをして、10分程度経ったあと瓶を引き上げると、たくさんのウミホタルが採集されました。
ウミホタルを観察中…
ヤコウチュウは体内の物質が光るのに対して、ウミホタルは刺激によって発光物質(海水中の酸素と反応して光る)を体外に排出します。青白く発する光が砂浜や手に落ちる様子はとても幻想的でした。暗闇での写真撮影はまだ慣れておらず、肝心のウミホタルの様子をうまく写真に納められませんでした。要修行です。
このウミホタル、日本では青森から沖縄まで広い範囲で生息が確認されており、観察会が行われているところもあるようです。これからもこの小さな生き物との出会いが続くよう、きれいな砂浜、海が残っていくようにしたいですね。
※休暇村瀬戸内東予より提供して頂いたグラス中で光を放つウミホタルの写真。
こんな幻想的な光を放ちます。