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中国四国地方環境事務所

カワウの管理に係る講演会及び第2回中国四国カワウ広域協議会の開催報告について

2015年01月22日

カワウの管理に係る講演会及び第2回中国四国カワウ広域協議会の開催報告について

野生生物課

 近年生息域や被害の拡大が報告されているカワウによる被害の防止及び適切なカワウ個体群の管理を目的として、当所が事務局を務め、今年度、中国四国カワウ協議会を発足しました。

今回、カワウの管理について関係機関・団体等間の情報共有を目的とした標記講演会及びカワウ広域管理指針(案)の協議等を行うため標記協議会を開催しました。

[講演会]

1 日時

  平成27年1月20日(火)14:00~17:00

2 場所

  岡山国際交流センター 2階 国際会議場

(岡山市北区奉還町2丁目2番1号)

3 内容

(1)基本情報解説

カワウの生態と管理の基礎知識(特定非営利活動法人バードリサーチ)

(2)講演

  1. (1)カワウの個体群管理(分布管理と個体数管理)
    (講演者:水産総合研究センター 坪井潤一 研究員)
  2. (2)新潟県におけるカワウの管理(講演者:長岡技術科学大学 山本麻希 准教授)
     講演ではカワウの基本的な生態を再認識するとともに、全国的な被害状況や有効的な対策、それを進めるに当たっての手法についての説明がありました。

4 参加者人数

 カワウ広域協議会構成機関、漁業協同組合及び野鳥の会等関係団体60名

[協議会]

1 日時

  平成27年1月21日(水)9:30~12:30

2 場所

  岡山国際交流センター 8階 イベントホール(岡山市北区奉還町2丁目2番1号)

3 議題

  1.   (1) 広域管理指針の策定について
  2.   (2) その他

4 出席機関

 カワウ広域協議会構成機関(中国四国地方9県のカワウ関係行政担当課、農林水産省(水産庁増殖推進部、中国四国農政局)、環境省(中国四国地方環境事務所))及びカワウ関連専門家(アドバイザー)3名、オブザーバー6名が出席(計49名)。

5 協議内容

 カワウの管理を有効な対策につなげるための基本的な考え方や取り組みを示す広域管理指針案(以下、指針案)について策定に向けた協議を行いました。策定に当たっては各構成機関からの合意形成を進めました。

 指針案については今年度中に全ての合意形成を目指し、平成27年度第1回協議会(次年度5~7月に開催予定)において策定する予定としています。

写真:協議会の様子

●中国四国カワウ広域協議会について

 中国四国の地域内におけるカワウによる被害の防止及び適切なカワウ個体群の管理を目的として平成26年7月に設置した協議会。

 構成員は中国四国の9県、農林水産省(水産庁増殖推進部、中国四国農政局、近畿中国森林管理局、四国森林管理局)、環境省(中国四国地方環境事務所)。

 事務局:中国四国地方環境事務所

●カワウについて

 カツオドリ目ウ科に属する水鳥で、世界の広い範囲に分布する。日本国内では1970年代に3000羽程度まで減少したが、その後、水質環境の改善や水辺環境の復元によって、2000年頃には推定5~6万羽程度と見積もられるほどに個体数が増加した。

 近年、中国四国地方を含め、各地で生息域や内水面漁業等被害の拡大が報告されているが、その生息状況等は必ずしも正確に把握されていない。

写真:カワウ