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中国四国地方環境事務所>TOPICS>2005年度
【通知】足摺宇和海国立公園の公園計画の変更
2005.08.26 山陽四国地区自然保護事務所
1.変更の理由
足摺宇和海国立公園は、四国南西部の高知県土佐清水市から愛媛県西予市に至る一帯の海岸部と、沖合の島嶼及び内陸部の山岳・渓谷等からなり、昭和47年11月10日に足摺国定公園に篠山地域を加え、新しく足摺宇和海国立公園として指定された。
今回は、平成15年から実施してきた自然再生推進調査の結果を基に、海中公園地区の拡張や自然再生事業実施のための計画追加を行うほか、公園を取り巻く諸情勢の変化を踏まえた公園計画の変更(点検)を行う。
2.変更案の概要
(1)保護規制計画の変更
- ア 第2種特別地域から第1種特別地域への格上げ
- 約1.5 ㎞におよぶ砂浜海岸の優れた自然景観及びアカウミガメの産卵環境の保護強化を図るため、大岐海岸の砂浜及び背後の海岸林について、第2種特別地域から第1種特別地域に格上げする(36ha)。
- イ 海中公園地区の追加
- 既指定の竜串海中公園地区1号の西側に、ミドリイシ科やキクメイシ科等の多様なサンゴ群集や南方系魚類等が豊富に見られることから、その保護を図るため区域の拡張を行う(8.1ha→35.3ha)。
(2)保護施設計画の変更
- ア 自然再生施設の追加
- 竜串湾では、近年、湾内のサンゴ群集の衰退が報告されていたが、平成13年9月の高知県西南豪雨において、河川から大量の土砂が湾内に流入・堆積し、多くのサンゴが死滅した。現在でも、堆積した土砂により湾内は濁りやすく、大雨時には流域から大量の土砂が湾内に流れ込み、サンゴの生育環境が悪化するとともに、海中公園地区内の海中景観が著しく劣化している。
このような状況から、サンゴ群集を主体とする竜串海中公園地区の海中景観及び海域生態系を保全、再生するため、自然再生施設を追加する。
- イ 植生復元施設の追加
- 近年、篠山山頂周辺のアケボノツツジ群落は、シカによる食害、土壌の流出や根返り(幹が折れずに倒れ、根がむき出しになる状態)による劣化が著しい。このため、防鹿柵の設置や土壌流出防止のためのむしろの設置、根返り防止のためのワイヤ設置等を行うことにより、優れた自然景観の保全を図る。
※公園計画についてhttp://www.sizenken.biodic.go.jp/park/info/npsys/index.html