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アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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瀬戸内海国立公園 高松

256件の記事があります。

2012年06月19日季節のクラフト教室 【海と山のモビールづくり】

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

6月。
そろそろ夏が本格的にやってくる季節。
みなさん、今年の節電対策はどうされていますか?
エアコン温度、グリーンカーテンやすだれ、クールビズスタイルなど。
今回、クラフト教室では、目から涼の取れる【モビールづくり】
講師は、地元ラジオパーソナリティの宮下さん。
粘土細工も得意な方で、手芸センターでもワークショップを開催しています。

さて、モビールとは・・・?
それを体で実感すべく、バランスゲーム。
目を閉じて片足立ちをして、スタート!


さぁ、誰が最後まで残るかな?

日頃の運動不足か、大人達がバタバタと脱落していく中、
やはり子ども達が最後まで残りました。
ゲームでバランスを体感した後は、モビールづくり。
宮下さんの説明や道具の注意事項をしっかり聞いた後、いざ!



海の素材は、地元の浜で拾ったものや以前、広島・大久野島ビジターセンターからいただいたもの。
好きな形の枝やぶら下げる毛糸、テグス、貝殻や木の実を選んで、どれだけ吊したら同じ重さになるか考えながら作っていきます。
モビールは一番下の段から作っていくのがコツ。


あれも付けようよ

お父さんと協力しながら、「コレ付けたら一緒になるんじゃない?」と
相談しながら持ち上げてみては、「もう少しこっち重くしよう」
材料を探す時も、持ってみては「違うかなぁ」
1段できたら、その上の段を作っていきます。

そうすると・・・

できたかしら。

どんな、どんな?

竹に吊して最終確認。
少し気になるようなら、軽いビーズやヒノキなどで微調整。
後は風に揺られても落ちないように、しっかりとマスキングテープや毛糸で
くっつけましょう。

クラフト教室開催中、窓を開け放しにしていると、
どこからかトンボやチョウが入ってきました。
子ども達は間近でトンボを見ることがあまりないせいか、
興味津々に追いかけ、そっと捕まえては、
羽根やからだの色や模様をじっくり観察していました。


アオヤンマ

観察が終わってトンボを放すと、それを見計らったかのように1匹のチョウが。


テングチョウが手に止まってきました。

手を動かしても全然離れようとせず、その隙にまた子ども達は観察。
デングチョウは顔の一部(下唇)が長く伸びているのが特徴。
また別の所に止まっている羽根を広げたテングチョウを見つけては、
模様を見つめたり。
ものづくり体験以外にもちょっとした昆虫観察ができました。

そうしていると、みんな続々とモビールが完成してきました。


海と山の素材のコラボ作品完成☆

参加者の中には、
「風に揺られて貝殻同士が当たると音が出るの」
風鈴とはまた違ったやさしい音が聞こえてきました。

少しの風に揺られ、光に当たると貝殻がキラキラと光って。
見た目も涼やかで、安らぎのオブジェができあがりました。
バランスを取るのに少し苦戦しましたが、窓辺に飾ったりして
少しの風を感じて涼を取って欲しいですね。

まだまだこれから暑くなりますが、節電、香川の場合は特に節水もしっかりと!
どうせするなら楽しみながら行いたいですよね。


**********7月の季節のクラフト教室**********
   【はちみつ絞りと蜜蝋キャンドルづくり】
手動の遠心分離器でミツバチの蜜を絞る体験と、巣の材料「蜜蝋」を使った
天然素材のキャンドル作りをします!

日 時 ; 7月29日(日)9:30~12:30
場 所 ; 五色台クラフトハウス
参加費 ; 蜂蜜絞り体験     100円/人
     蜜蝋キャンドルづくり 500円/セット
定 員 ; 30名(蜜蝋キャンドルは20セットまで)
持ち物 ; 汚れてもいい服装、飲み物、暑さ対策
※安全管理や進行上、遅刻された場合は参加をお断りします。
 また定員になり次第締め切らせていただきます。

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2012年06月05日海上パトロールに参加しました

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

       5月30日
皆さんは、この日が何の日か知っていますか?

正解は、「5 (ご) 3 (み) 0 (ゼロ) の日」
環境省では、5月30日「ごみゼロの日」~6月5日「環境の日」までの1週間を「全国ごみ不法投棄監視ウィーク」とし、不法投棄を撲滅するための集中監視期間としています。
この不法投棄監視ウィークに併せて、各地方毎に行政機関等と連携、協力して様々な環境関連の取組が行われています。
今回わたしたちは、6月4日に行われた、
「高松市海岸線および島嶼部監視パトロール」に参加してきました。
このパトロールには、主体である高松市環境指導課をはじめ、
香川県警、高松海上保安部、香川県高松港湾管理事務所、環境省高松事務所の
各関係部署が参加し、日頃見ることのできない海上から、
海岸線や島嶼部において不法投棄や不適正処理が行われていないかの
監視を行いました。


巡視艇は、高松海上保安部の「ひなぎく」
垂れ幕を取り付けて、出発。

瀬戸内海は島嶼部が多く、その数、大小1000あるとも言われています。
もちろん、それら島嶼部には瀬戸内海国立公園に指定されている場所もあり、
高松管内の海域に至っては、播磨灘(はりまなだ)、燧灘(ひうちなだ)の一部を除く全てが瀬戸内海国立公園普通地域に指定されています。
日頃、巡視を行っていても、陸地から見えない海岸線や、
フェリー航路以外の場所からしか見えない所は把握しづらいもの。
そんな目の届かない場所では、廃棄物の不適正処理や不法投棄が跡を絶たず、
最近では手口が悪質かつ巧妙になっているのが実情のようです。


双眼鏡やカメラを使って監視

また、不法投棄以外で問題になっているのが漂着ごみ。
よく見かけるのは、発泡スチロールや空き缶、ペットボトル、ビニール袋など私たちの生活に中にあるものばかり。
これらは風や潮流によって流れ着き、入り江や浜に溜まっていきます。
パトロール時は風もなく、海も穏やかで海上に浮かんでいるゴミはあまり見かけませんでした。
しかし・・・


白いものが・・・

この島は風が島に向かって強く吹くため、その分ゴミが漂着しやすい場所。
これら漂着ゴミは、海に直接捨てたものだけではなく、陸地で捨てたモノが風に乗って海に落ちたり、川の流れに乗ってそのまま海にたどり着いたりとさまざま。
漂着ゴミは流れ着くだけでなく、魚などがエサと間違えて食べてしまうこともあります。
実際、魚市場やスーパーの鮮魚部門で働いている知人に聞くと、
魚の腹からビニールなどが出てくることがあるそうです。
・・・そんな魚、あまり食べたいとは思いませんよね?

自分だけなら・・・と考えず、1人1人がゴミをきちんと分別して
捨てるべき場所に捨てることで、漂着ゴミや魚たちのエサにならずにすみます。
また島に持ち込んでゴミになったものは、必ず自宅まで持ち帰りましょう。
ほとんどの島には処分場がなく、船で本土の処分場まで運んでいます。
ゴミをきちんと捨てることはもちろん、ゴミにならないようにすることも大切なこと。

瀬戸内海は多島美景観として有名ですが、昔から漁業も盛んな地。
カタクチイワシやキビナゴの小型魚介類~ブリやハマチなど、
また大型海棲哺乳類スナメリの生息する瀬戸内海。
ゴミのない美しい海と豊かな漁場をずっと残していきたいものですね。


家島諸島を望む


※6月は「環境月間」です!
 この月間中、全国でさまざまな環境関連のイベント等が行われます。
 詳しくはコチラ↓↓を検索してください。

 http://www.env.go.jp/guide/envdm/index.html


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2012年06月01日季節のクラフト教室【竹のおもちゃづくり】開催しました!

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

タケノコの時期もそろそろ終わりを迎え、
ニョキニョキと竹が一気に伸びてくる頃、竹を使ったおもちゃづくりを開催しました。
今回は、『竹とんぼ』と『ひっくりかえる』の2つ。
竹とんぼはご存じの通り。
ひっくりかえる・・・とは?
作ってみてのお楽しみです☆

講師は、クラフト教室には毎回欠かせない存在、福西さん。
早速、作り方と道具の注意事項を聞いて作業開始!


しっかり作り方を見て・・・


羽根になるところに色を塗ります。

モノサシで測って、均等に色を塗ると竹とんぼが回った時、
きれいな円模様ができます。もちろん、裏にも色を塗ろう!
飛んだ時は裏が見えますから。



そして、羽根にアルミホイルを巻き付けて両手で端を持ちます。
羽根の真ん中を火に近づけて、1、2、3、4、5、でひっくり返して
1、2、3、4、5、でまたひっくり返します。
そしてもう一度1、2、3、4、5、でゆっくり羽根をねじります。
右利きの人は、右を手前に、左を向こう側へねじります。
左利きの人はその反対です。
これを間違えると、飛ばした時に自分の方へ飛んでくるので注意!
この作業、火が近いので結構熱いのですが、みんなよく頑張りました!


みんなで作った色とりどりの竹とんぼ

次に、『ひっくりかえる』を作ります。
竹とんぼよりちょっと難しいけど、教えてもらった通りに作れば大丈夫!



まずは竹を測って、いらないところをナタで切り落とします。
ナタを使う時は、こん棒でナタをコンコンと叩きます。
そうすると、ナタの刃がキレイに入り、スッと割れます。
みんな使ったことない道具なので、緊張ぎみです。



そして、紐を巻き付けて、竹板とカエルをくっつけたら・・・


ひっくりかえる、完成!!

できたら、早速みんなで遊んでみよう!



指で押さえて、「せ~のっ」で後ろに引きながら一気に離します。
そうすると、カエルはびょ~んと跳ね、きちんと立ったら勝ち!
これがなかなか立ちません。意外と無心でやった方が立つかも・・?

そして、竹とんぼではこんな遊びを。


竹とんぼの高さ競争!
誰が一番高く飛んだかな?


そして、竹とんぼでボーリング!

コレも意外と難しいんです。
上に飛びすぎても下に行ってもダメ、まっすぐ紙筒に向かって飛ばします。
大人も子どもも一緒になって競争です。
もちろん、大人は子ども相手でも手加減なしの本気です。

そして、最後は外に出て、福西さんお手製の紙飛行機で遊びました。
割り箸の軸と羽根が紙製。
輪ゴムを取り付けた割り箸を持って、輪ゴムを飛行機に引っかけます。
持ち手が飛行機に当たらないようにずらして、飛行機を離す!


飛んだーーーー!!

そうして遊んでいると、1人の子が「あっ!!」と空を指します。
何だろうとみんなで見上げると・・・


太陽のまわりに虹が!

滅多に見られない輪っかの虹です。
これにはみんな大はしゃぎ☆
お天気もよく、めいいっぱいみんなで遊んで、虹も見ることができて。
楽しいクラフト&外遊び日和になりました。
自然のものを使ってのおもちゃづくり、そしてそれを使ってみんなで外で遊ぶ。
大人もそうですが、特に子ども達には屋内だけでなく、
外で遊ぶことの楽しさを体験して、元気にはしゃいでもらうことが
一番子どもらしいのかなと感じました。


****************6月のクラフト教室****************
        【山と海のモビールづくり】
木の実や貝殻を使って、ゆらゆら揺れるモビールを作ります。
風にゆれる安らぎのオブジェです。
  日 時 ; 2012年6月10日(日) 9:30~12:00
  場 所 ; 五色台クラフトハウス
  参加費 ; 300円(1セット)
  持ち物 ; 汚れてもいい服装、飲み物
※安全管理や進行上、遅刻された場合には参加をお断りさせていただきます。

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2012年05月29日『国立公園写真展』 開催中です!

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

報告が遅くなってしまいましたが・・・
今年も始まりました!
アクティブレンジャー(以下AR)による『国立公園写真展』



みなさんに、より国立公園を知ってもらいたいと思い、
今年で早3回目を迎えるこの写真展。

この写真展では、日頃私たちが行っている巡視やふれあい行事で
出会った風景を展示しています。
地元に住んでいても、実は意外と知られていなかったり、
身近にありすぎて見過ごしていた風景も改めて見つけることが
できるかもしれません。




展示のようす

各写真には、ARの一言や写真についての補足説明が付いています。
写真をただ見るだけでなく、説明を読むことでARの思いやその風景が
より伝わるのではと思います。
写真以外にも国立公園やラムサールの説明、ARの活動などパネル、
展示している写真を撮影したポイントマップや
国立公園内にある自然体験施設のパンフレットなどもご用意していますので、
それらを持って、撮影場所や施設に遊びに行ってみてはいかがでしょうか。

また、6月10日(日)13:00頃~より随時写真解説等を行いますので、
気軽にお声がけください。
高松ARオススメの景色もお教えしますよ。


=====【国立公園写真展~大山隠岐・瀬戸内海・足摺宇和海~】=====

■ 5月19日(土)~ 6月17日(日) 
   香川県会場・五色台ビジターセンター(坂出市王越町)

■ 6月23日(土)~ 7月22日(日)
   高知県会場・物産館サンリバー四万十(四万十市右山)

■ 7月28日(土)~ 8月19日(日)
   愛媛県会場・東予野営場管理棟
    (西条市 休暇村瀬戸内東予シーサイドキャンプ場内)

■ 9月 1日(土)~ 9月30日(日)
   広島県会場・大久野ビジターセンター(竹原市忠海町大久野島)

■10月 6日(土)~11月 4日(日)
   鳥取県会場・大山情報館(西伯郡大山町)

■11月10日(土)~12月16日(日)
   島根県会場・島根県立三瓶自然館サヒメル(大田市三瓶町)
   ※12月3日~7日はメンテナンス休館

●各会場の問合せ先はこちらをご覧下さい↓↓
http://c-chushikoku.env.go.jp/to_2012/0322a.html

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2012年01月16日季節のクラフト教室 【ドングリの置物づくり】

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

1月半ばと、遅くなりましたが。。。
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします!

年明け最初のクラフト教室は『ドングリ置物づくり』
今回は細かい手作業なので、暖かいボランティアルームで開催。
入れる人数も限られてしまうので、午前・午後の2回開催です。

まずは、「ドングリのことを知ろう!」ということで
みんなで〇☓クイズです。
さぁ、どれくらい分かるかな?


ドングリから出てくる虫の正体は、何??


答えの虫を観察中。子ども達は興味津々。

このドングリから出てくる白い幼虫。ハエの仲間のようにも見えますが。。。
実はゾウムシやチョッキリの幼虫です。
この幼虫(多分ゾウムシ)はビジターセンター(以下VC)で経過を見ようと思います。
興味のある方は、インタープリター(以下IP)まで!

少しドングリについて学んだ後は、作る際の道具の注意事項とコツを説明。
これを知っておくと、できあがりの具合が変わってきます。
さぁ、今回の材料は・・・







いろんなドングリや松ぼっくり、木の実があります。
同じ種類でも採った木や場所によって、形、大きさが変わるのは
人それぞれ個性があるのと一緒で面白いですね。
これらは今回の講師・福西さんやIPがいろいろ集めてくれ、
バリエーションも実に豊か。
五色台で採ったものではありませんが、初モノはユーカリ。
私も初めて見ましたが、お花のようで可愛らしい。

福西さんや、VCに作品提供してくださっている方のを手本にしながら
「こんなのも作りたい!」「こうすればいいのかぁ」など
みなさん自由に思い思いに材料を手にとって、作っていきます。


ご夫婦仲良く作る姿が微笑ましい♫


困った時は福西さんに質問!

コナラと竹ひご、ドングリの殻斗などを使う鳥や固定の仕方など、
福西さんが丁寧に教えてくれます。
他にも道具の使い方や修復の方法など、みんなの疑問を解決!

作っていく内にどんどんやりたいことが増えていき
「アレも付けてみよう」「こうするといいんじゃない?」など
親子で分担作業しつつ、完成へと進めていきます。



中にはクヌギを見て、「コレ、かぼちゃだよ!」と、色を塗ってカボチャにする親子も。
お母さんはリアルなかぼちゃになるよう、こだわって色塗り。(完成度高し)

そして、みんな完成です!



みなさん力作揃いです。
11月の雑草生け花にも参加してくださった方は、斬新な生け花風に。(下写真手前)
「なんとなく横にしてみたら、これだけでいいんじゃないって」と。
今までなかった作風だけに、みなさんから「ステキ!」との声が。
本人は、「やっぱり、みんなみたいにカワイイのも作りたいから来年もぜひ!」と
リピート希望を頂きました。
喜んでいただけたようで何よりです。ありがとうございます!

ドングリクラフトで使った木の実は、意外と身近に落ちていたりします。
また、〇☓ゲームで知ったことを参考にして、
落ちているドングリの様子から、「穴が開いている。虫がいたんだな」とか
「どこに種が入っているんだろう?」など、いろんなことに気付いてもらえるといいですね。


*************2月の季節のクラフト教室*************
        【竹飯づくり】
五色台にある竹を使って、食器・箸だけでなく、ご飯を炊く
釜も手作り。讃岐三白のひとつ、塩づくりもしますよ。
日 時 ; 2012年2月12日(日)9:30~14:00
参加費 ; 500円/人(保険料込み)
持ち物 ; 汚れてもいい服装、温かい飲み物など寒さ対策
    (クラフトハウスには暖房設備はなく、市内より2~3℃寒いです)
※安全管理や進行上、遅刻された方は参加をお断りすることもあります。
 9:20までに受付を済ませられるよう、余裕をもってお越し下さい。

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2011年12月15日自然公園指導員研修 in 高松

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

残り2週間で2011年も終わりですね。
ほんっと、1年があっという間に過ぎていきます。
さて先週日曜に、中国四国地方の自然公園指導員に
登録されている方向けの研修会を行いました。

1ヶ月ほど前には岡山で開催し、今回は高松での開催。
中国四国地方と幅広い地域の方に、開催案内を出させて頂きましたが、
遠くは、山口県、高知県は足摺宇和海国立公園エリアの方がご参加されました。
遠路はるばる、ありがとうございました!

まずはじめに、高松自然保護官より瀬戸内海国立公園について。
日本の国立公園の特徴や仕組み、また香川県、徳島県地域の主要拠点での施設整備や活動をご紹介させていただきました。

次に、香川県みどり保全課より香川の自然公園についてのご紹介。
香川県にしかいない希少種についてとその保護事業。
また、国立公園内にある文化遺産の紹介など、人と文化、
自然が隣り合わせで暮らしていることが分かります。




そして、今回の講師・井上博夫さんからのお話。
井上さんは、国営讃岐まんのう公園インタープリターであり、環境カウンセラー、プロジェクトWILD、WET、PLT上級指導者(←日本に数人しかいません)と多岐にわたりご活躍されている方です。



今回講義してくださるのは、「里山の命のつながりと暮らしのヒント」
この中で、インタープリテーションって何?
エコ、エコって使ってるけど、エコロジーの実際の意味知ってる?
里山ってどんな所? ビオトープって? など
里山保全活動をしていく中で知っておきたい基礎知識や
里山の自然環境や変貌について教えて頂きました。
また、里山のこと、人がどう関わればいいのか、
自然環境を教える際に頭ごなしに教えていないか、
相手に分かりやすく、またその背景やメッセージも伝え、
興味を刺激し啓発、みんなで一緒に考えていくことの重要さも。

香川は、平地の中にため池や小高い山、田畑、住宅地など
自然があまりにも身近な故、その大切さに気付かないことも。
便利さを優先し、身近な存在の里山を壊すことは、自分達の将来にも
大きく関わることだということを、知識だけでなく
さまざまな体験や活動を通して、知ってもらいたいと感じました。

3.11の大震災によって、「つながり」の大切さを改めて大きく感じましたが、それは里山との関わりにも言えること。
絶滅危惧種や原生林といったものだけが自然保護の対象ではありませんよね。
昔から人は自然の中で自然を利用させてもらい、生かされているのですから。


香川の里山風景(讃岐平野)

この講義の後、参加者が実際どんな活動をしているかや
最近問題になっている登山での事故多発の原因、
今年多く発生したスズメバチの対策など意見交換しました。
やはり、無知なこと、マナーの悪さ、行事前の下見の重要度など
感じていることは同じのようです。

会場の暖房が効かず、参加者のみなさんには大変寒い思いをさせてしまい
申し訳ありませんでしたが、地元で活躍されている指導員の方を始め、
遠方からお越しくださった方にも充実した講義だったのではないでしょうか。

これからも自然公園指導員のみなさまには、現地のリアル情報や
利用者への指導など私たちと協力して、活動をお願いしたいと思います。
これからも宜しくお願いします!

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2011年12月05日屋島の冬、始まります と、もうひとつ

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

12月に入った途端、寒さがまた増してきましたね。
どんどん冬が深まっていく中、屋島の今をご紹介。

屋島寺や水族館など観光施設のある南嶺では、サザンカが満開中。
11月初旬はまだチラホラ咲いていただけでしたが、
今や待ってました!とばかりに色鮮やかに花を咲かせています。
サザンカは南嶺全体で見られますが、
特にオススメなのは・・・
駐車場から血の池に向かい、展望地・談古嶺へ向かう遊歩道。
樹高3m以上あり、色も濃い・淡いピンク、白とさまざま。


場所はコチラを参考に。

また北嶺に進むと、南嶺と違った風景が見られます。
南嶺から北嶺へと進む遊歩道は、ウバメガシのトンネル。
強い日差しで葉の緑が力強く光る夏とは違い、
冬はわずかな太陽の光を葉に受け、静かにたたずんでいるようでした。


北嶺はコチラを参考に。

オススメの展望地・遊鶴亭でいると、ガサガサと誰かが来ました。
いつも来ている人かな?と顔を上げると・・・


猿!?(カメラ向けるのが遅かった。。。)

前からいるとは聞いていた猿にAR3年目にして
やっとお目に掛かることができました。
顔を上げると目が合ったので、「おいっ」と声をかけるとダーっと走って
降りて行こうとしたので、また「おいっ」と声かけすると
また一瞬振り向いてくれました。
そんなに人には馴れていないようだったので、餌付けはされていなさそう。
鳥ではなさそうなアケビの食痕を秋に見つけましたが、
やっとその本人に出会えました。

北嶺遊歩道をぐるりと一回りして広場へ着くと、
ここのモミジも色づきがバラバラ。
ですが、やはりお花見や紅葉狩りを楽しむなら、やはりここですね。
子供も走り回れますし。

そんな中、、、

ゴミが散乱。。。
広場を使う人にとっても、気持ちいいものではないですよね。

この辺りはイノシシの掘り返しも多い場所。
ということはイノシシがいます。さっきの猿もいます。
彼らがこの食べ散らかしたものの匂いを覚えてしまうと、どうなるでしょうか?
木の実などのエサがなくなると、食べ物の匂いで人に寄って来て、
エサをもらおうとするかもしれません。
ひどくなると、人を襲ってしまうこともあるかもしれません。
また、食べ散らかしたプラスチック容器も、動物たちは食べていいのか
いけないものなのかも区別が付きません。
誤飲してしまうと、プラスチック類はずっと体内に残されたままです。

小豆島・寒霞渓の猿にしても、この屋島にいる動物にしてもそう。
人間の食べ物を覚えない、簡単にもらえると思わせないよう餌付けはしない。
誤飲しないためにもゴミはきちんと持ち帰ること。

これらのマナーは国立公園内だけに限らず、どんな場所でも共通です。
離島だろうと都市公園だろうと、最低限のマナーは守りましょう。
みんなが気持ちよく利用できる空間をつくるには、
1人1人の心がけ、思いやり次第です。

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2011年11月24日季節のクラフト教室 【草木染めに挑戦!】

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

今年で3回目を迎える草木染め。
毎年来てくださる方もいるほど、人気のクラフト教室のひとつです。
そして、今回も講師には、国営讃岐まんのう公園インタープリター・
角田真理子さんをお迎えしました。
角田さんは、三豊市山本町で『あそ美工房』という教室を運営しており、
草木染めのほかにもパーソナルカラー診断もやっています。
ご興味のある方はぜひ!

さて今回、草木染めの染料となるのは・・・?
コブナグサの葉と茎、ヒサカキの実、ウメの枝、クサギの実、ソヨゴの葉。
クサギを除いては、新色です。
さぁ!一体、どんな色で染まるのでしょうか!?

まずは布選び。
今回は各自好みの形・素材のスカーフやストールを選んでもらいます。
シルクのような動物性布(カイコから糸が作られるものなど)だと下処理はいらないのですが、コットンのような植物性布は染まりにくいので下処理が必要。
どうやら動物性タンパク質がないと、色を吸い込まないのだそう。
ですが、植物性布には牛乳や無調整豆乳を一晩漬ければ大丈夫。
匂いが気になる方は水洗いし、乾かしてください。

今回はあらかじめ染料になる植物を採取していたので、
染液づくりから始めます。


染料部分の実や葉などを入れ、約30分煮出していきます。
この煮出し時間は、材料によって変わってきます。


染料の完成!

次に布の模様付け。
これはビー玉やビーズを布にくるんで、その口を輪ゴムでぐるぐる巻きに。
布をねじったり、板や割り箸を挟んだり。
ビー玉や輪ゴムが当たった部分には染液が入り込まず、布の色が残ります。
これが模様となるのです。


どんなふうに付けようかなぁ?

シンプルにねじるだけの人、いっぱいビーズを使って模様付けする人、
いろんな模様のストールが出来上がりそうです。
これが終わると、染めムラをなくすための下準備・1時間ほど水に漬けます。

     ~その間、昼休憩~

そして、いよいよ染めに入ります!
まず、染液を50℃にして・・・

「せーのっ!」で一気に入れます。
この1、2秒の差の入れるタイミングでも色の吸収率が変わるんです。
ガーゼはシルクよりも色を吸う力があるので、先にシルクを投入。





このまま温度をキープしながら、箸で突かないようにゆっくり混ぜます。
これも染めムラが出来ないようにするため。
だいたい15分位漬けます。あとの染め具合は自分の好みで。

染まった人から、ある程度布を冷ましてから焙煎液に15分漬けます。
焙煎液は、みょうばんを溶かしたもので、これは色を定着させるため。
みょうばんだとスーパーでも手軽に買えますし、そのまま排水溝に
流しても大丈夫です。


模様付けを取っていきますよ~。
どんな仕上がりかなぁ??

と、みんな出来上がっていく中、染まりにくい布も。。。
そこで角田さんが機転を利かせ、
「ちょっとサザンカの花を取ってきてくれる?」と。
なんだろうと思っていると、



花びらと酢、水を揉み込み、染液を急遽作ります。
このおかげで、なかなか染まらなかった布に色が入りました。
この後は焙煎しなくてもよかったのですが、この方は焙煎したおかげで
上品なピンクブラウンができました。
これには角田さんも絶賛!


左から、クサギ、ヒサカキ、ソヨゴ、コブナグサ

ヒサカキは染まった時は紫ですが、徐々にグレーに変わっていきます。
自分の思い通りにならないのが、この草木染めの最大の魅力。
また、その土地、採取する季節、その年の天候の具合によっても
全然変わってきます。
焙煎や染液を作るときのその場所の水によっても染まり方が変わるんですよ。

今回、化繊(ポリエステルなど)は使っていませんが、染め物をしている
友人に聞いたところ、化繊も草木染めなら染まるようです。
いろいろな植物を試すのもいいですが、いろいろな素材の布で
染めて試してみるのもいいですね。

********初めてのバードウォッチング!********
野鳥に詳しいインタープリターが、五色台の冬鳥をご紹介!
五色台を探検しながら、野鳥を探してみましょう!
日 時 : 11月27日(日)10:00~12:30
場 所 : 五色台ビジターセンター
参加費 : 100円
持ち物 : 五色台は市街地よりも寒いです!暖かい服装&
     探検できる汚れてもいい服装でお越しください。
     また、温かい飲み物、あれば図鑑も。

********12月の季節のクラフト教室********
        『門松づくり』
     ※現在、キャンセル待ち中です。。
  詳しくは五色台ビジターセンターにお問い合わせください。
日 時 : 12月11日(日)10:00~12:00
参加費 : 500円/1セット
持ち物 : 暖かく汚れてもいい服装。
    (クラフトハウスに暖房設備、自動販売機はありません。)

「五色台ビジターセンター」と検索
もしくは ☎0877-47-2479 まで。

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2011年11月16日日本の四季

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

今まで鳴門と言えば。。。「青い空!渦潮、強い日差し!」
という夏の印象だったのですが、
今の季節もまた違った雰囲気でいいものだなぁと。

先日、観察会に参加した後、園地や展望地の巡視の最中、
さまざまな秋色を見つけたので少しご紹介。




ツワブキは鳴門公園の中にもたくさん咲いています。
遠くからでも黄色がよく映え、見応えもあります。
ちなみに「ツワブキ」の名前の由来は、「ツヤのあるフキ」からだそう。
アゼトウナは、海岸の岩場で咲いており、12月頃まで見頃ですよ。



他にも観察会で実飛ばしで遊んだネズミモチも、
徐々に色が黒くなってきていました。
シャリンバイも濃い紫の実をたくさん付けています。
(シャリンバイの実ってなんだか美味しそうに見えませんか?)

人それぞれ、季節毎に色のイメージってあると思うのですが、
私は秋と言えば、やはり紅葉の赤と咲いている花が多い黄色ですかね。
いつも思っていた青い印象の強い鳴門ではなく、今回はしっとりとした鳴門を見つけることができました。

勝手にその地域のイメージを付けちゃいかんなぁと思いながら歩いていると・・・
んっ!?なんか違和感が。。。




この季節・・・だっけ??
いやいや違う!
春~夏の花が咲いている?!

11月中旬なのに、まだこの暖かさ。
15年ほど前なら、もう霜がおりていた時期なのに。
植物が勘違いして開花したのでしょうが・・・。
ドングリのあまりの少なさにも驚きましたが、
さすがにハマボウまで咲いているとは思いもしませんでした。
紅葉も全国的に遅れているようですし、やはり気象異常や温暖化の影響なのでしょうか。
植物に異常が起きれば、それを棲みかにしたり、食べている生き物たちにも影響が出てくるかもしれません。

日本特有の四季、それを一番感じることができるのは
その時に咲かせる花や実を付ける植物、そして現れる生き物たちだと思います。
これからもそれぞれの四季を見たり聞たりし感じていくためにも、身近な心掛けが大切です。
コンセントをまめに抜く、空調に頼るのではなく衣服の脱着で温度調整したり、またマイバッグやマイカップの使用、ゴミの分別などなど。
3R(Reduce(ゴミを減らす)、Reuse(再利用)、Recycle(再資源化))推進、日頃から節電・エネルギー消費量を減らすなど、これらをすることで二酸化炭素発生を抑制=温暖化を抑えることができると言われています。

それぞれの時期に花が咲き、実を付け、そこに生き物が棲み、
人はそれを見て四季を感じ、またそこから伝統芸能やものづくりへと
発展してきた人間社会。
自然を大切に、ということは単に山や海の環境を守るだけではなく、
自分たちの文化や生活にも大きく関わっていることだと、改めて感じます。









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2011年11月14日鳴門森林観察会 ドングリを拾おう

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

先週末、毎年行われている自然公園財団鳴門支部主催の
森林自然観察会に出席してきました。
この自然観察会は、鳴門市桑島小学校3年生が
鳴門山でドングリを拾い、苗木に育て、そして6年生の卒業前に
また鳴門山に植えに戻ってくるという一連の活動。
講師は、毎年この自然観察会に来ていただいている木下覚先生。

この日はあいにくの雨模様だったので、駐車場のあずまやでレインコートを着て、
開会の後、鳴門山に移動。
みんなビニール袋を用意し、いそいそと遊歩道を登っていきます。
いつもなら登り始めてすぐに児童たちから
「あっ!あったー!」など聞こえてくるのですが。。。
ない!ない!ドングリがない!

今年は天候不良のせいか、はたまた裏年なのか
(昨年も裏年だったはず。。。)ほとんど落ちていません!
ドングリの木・ウバメガシを見てもあまり実が付いていない。。。

そんな状況のまま、鳴門大橋の見える展望地に到着。
今年はほとんど拾えないのかなぁと思いながら、地面をよく見ると、
登ってきた遊歩道よりはドングリが落ちている!


あったよー!!

ドングリを集めないことには、苗木を育てることができません。
なので、みんな一生懸命ドングリを探して拾っていました。
一緒に参加したお母さんや先生も、児童たちに負けず探します。

ひと通りみんな拾い終えたら、集合してここからは観察会のはじまり。
いつもなら講師2人いるのですが、急遽1人来られなくなったため、
国立公園について簡単にお話をさせていただきました。
「国立公園って聞いたことある人?」・・・何人か手が挙がりました!
しかし、鳴門が国立公園の中というのは知らなかったよう。。。
渦のメカニズムについては、まだ3年生には少し難しいので追々。

そして、木下先生による植物のお話です。
ドングリがなぜ毎年いっぱい実を付けないのか?
どんな動物が食べているのだろう?
どこから芽が出るの? ドングリの種類は?などなど
児童達は初めて知ることがいっぱい。


先生のお話に感心しきり。

じゃあ、ドングリってどんな味なんだろう?

・・・にがっっ!! まずっっ!!

ドングリはアクを取らないと、苦みや渋みがあります。
ですが、アク取りすると、コーヒーにしたり、クッキー粉ができますよ。
スダジイだと、アク取りなしで炒っただけでOK。
ただ、虫が出てくるかもしれないので一度熱湯に通すか、
冷凍庫に1ヶ月ほど入れておいた方がいいです。

その後も次々といろんな植物のにおいを嗅いだり、食べたり。


アキグミの試食
すっぱい!しぶい!けどおいしいー。


まだ青いネズミモチの実飛ばし
かなり飛びます!(人に向けないでね)

他にもムベ(トキワアケビ)の由来や、雄松・雌松の違い、
鳴門にいっぱい咲いている「ナルトサワギク」が特定外来生物だということ。
木下先生のお話は、いろんな実践を交えてなのですごく楽しい。
私も今年で参加3回目ですが、毎回勉強になることがいっぱいです。

最後に展望台まで行き、鳴門の景色を眺めて終了。
雨がパラつく中でしたが、児童たちは終始元気いっぱいでした。

自分たちの住んでいる自然環境は、まずは身近な人が中心に行うことで
未来の人たちへと受け継がれていくものだと思います。
ここで拾ったドングリは、6年生の植樹の時まで大切に育て、
また観察会で知ったことに少しでも興味を持ってもらえればいいですね。



最後に、今年3月に植えた卒業生のウバメガシ。
当時より倍に伸びていました!

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