ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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瀬戸内海国立公園 松山

154件の記事があります。

2007年01月12日忽那諸島 -野忽那島-

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

新年となりました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

今回は、松山市の沖合いに浮かぶ島の一つをご紹介します。
愛媛県には、瀬戸内海から外海にかけての広い地域に大小さまざまな無人島も含めておよそ200もの島々が点在しています。そのうちの瀬戸内海に浮かぶ島の多くは、島の一部あるいは全土が国立公園に指定されています。

野忽那(のぐつな)島は松山市(旧中島町)の忽那諸島に属する島で、旧中島町の有人島6つの中ではもっとも小さな、周囲約6kmの島です。忽那諸島へは松山市の三津浜(みつはま)港、高浜港から船に乗っていきます。野忽那島までフェリーでおよそ一時間、高速船では約30分の船旅です。


写真:野忽那島

野忽那は小学生を対象に、原則1年間この島でホームステイし、野忽那小学校で修学するシーサイド留学でも知られています。昭和63年に始まったこの制度で、これまでに全国から延べ100人以上の小学生が島を訪れているそうです。私が島に行ったときには、小学校から元気な歌声とピアノの音が聞こえてきました。中には留学生もいたのでしょうか。

フェリーを下りてすぐ前には、映画のロケ地の一つともなっている標高80mの皿山があります。歩道や休憩所がきれいに整備されており、山頂からの眺めが非常に美しいです。

写真:皿山からの眺望

東側には砂浜が走り、夏は海水浴場として利用されています。非常にきれいな砂浜ですが、ここでも風向きや潮流によって流れ着く漂着ゴミは深刻で、地元の方々によって清掃が行われているそうです。

写真:額場(ヌカバ)海水浴場

また、島の方々の多くは愛媛を代表する農作物であるみかん栽培と漁業を営んでいるそうです。このお正月、地元神戸のスーパーで「中島みかん」を見かけて、なんだかうれしくなりました。私も皆さんも、小さい頃から知らないうちに口にしていたかもしれません。

写真:みかん畑


写真:お供え物としてもみかんがおいてありました。

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2006年12月11日グリーンワーカー事業による海岸清掃

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

 12月に入ってぐっと気温が下がり、ようやく冬がやってきたという感じがします。もう今年も残すところあと20日となりました。

 中四国の他のAR日記でもいくつか清掃活動が紹介されていましたが、先日、松山市内の国立公園である白石の鼻付近の海岸域で、グリーンワーカー事業(GW事業)の一環である清掃活動に参加し、現地確認を行いました。前日までぐずついたお天気だったのですが、当日は幸い天候に恵まれました。

 GW事業とは、国立公園等の貴重な自然環境を有する地域において、地域の自然や社会状況を熟知した地元住民の方々を「グリーンワーカー」として雇用し、各種の自然環境保全活動を実施することにより、より質の高い国立公園等の管理を推進するため平成13年度から始まった環境省の事業です。 
 この海岸は交通量・利用者が多いためか、ゴミの投げ捨て・不法投棄が多発し、さらに風や潮流の関係で発泡スチロールなどの漂着ゴミが岩肌や道路にまで打ち上げられ非常に汚れた状態だったそうです。そこでここでは地元ボランティアの方々の清掃を援助する形で、GW事業が行われています。




この日の清掃には総勢100名を超える方々が集まりました。一見所々にしかゴミはないように見えますが、目につくものだけでも拾いきれないほどゴミが落ちていました。それでも地道な清掃活動によって以前よりきれいになったんだそうです。


写真:いろんなゴミと海草が絡まり合って拾うのも一苦労。

うっかり持っていたモノを落とした、風に飛ばされた経験、私もあります。うっかり落としても故意に捨てられたものでもゴミになってしまえば同じです。誤食や絡まり、汚染など海に住む生き物には深刻な影響を与えることもあります。
ビニール袋、ペットボトル、空き缶・スプレー缶、漁業関連の資材、医療廃棄物、なぜこんなものが海岸に?と思うような投棄物も見られます。


写真:自転車やスロット台などの大物

 定期的に清掃されているにも関わらず繰り返しゴミが集まります。漂着ゴミのように海岸に流れ着けばこうして回収できますが、それも海底や海中に漂うゴミのほんの氷山の一角なのかも。
 分解されにくいプラスチックは細かくなってもなくならず、どこかに漂い続けています。はたと周りを見渡すと、今の生活の中にプラスチック製品はあふれていますよね。全く使わないということは不可能に近いと思います。でも。少しずつでもゴミが減っていくよう、私も日々の生活から気を付けていかなければ!と思います。

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2006年11月02日○○の秋

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

こんにちは。みなさんは秋といえば何を思い浮かべるでしょうか。食欲旺盛、松山のARです。
11月になり、随分秋らしくなりましたね。
松山では先日降った雨の日を除いては晴天が続いています。ただ見通しの悪い日が多く、遠くは白く霞がかかっていることが多いです。

10月は現地を覚える目的を兼ねて、保護官について管区内の国立公園を巡視に行きました。その際に発見した秋の景色をご紹介します。

道中周りを見ているといろいろな実がなっています。


左:アケビ(中央に実がなっています)
中:クリ
右:ミカン(畑のミカン、色づいているものも多いです)

黄色の花がたくさん見られます。


左:キク科の植物
右:ツワブキ







上の2枚はしまなみ海道沿いの大島にある亀老山展望台からの展望、夕焼けです。
頂上までたどり着いて広がる眺望には、何ともいえない感動がありますよね。
この日は運良く霞がとれ、瀬戸内海に浮かぶ島々が遠くまでよく見えました。
夕日に照らされる海と島や行き交う船の景色が美しかったです。

この3連休、お天気も良さそうです。
どこかへ出かけられる方もたくさんいらっしゃるんでしょうか。
景色を楽しむとともに、道中の足下や頭上にも目を向けて
いろいろな秋を探してみるのも楽しいものです。
よそ見をしてこけたりぶつかったりしないよう注意してくださいね。



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2006年10月18日ウミホタル観察会

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

はじめまして。10月から松山のアクティブレンジャー(AR)として勤務することになりました永田です。前任の田口さんに引き続き日々の活動紹介および瀬戸内海国立公園の魅力をお伝えしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

早速ですが、先日休暇村瀬戸内東予で行われている自然観察会の1つ、ウミホタルの観察会に参加させていただいたので、その様子を報告したいと思います。

「ウミホタル」って、どんな生き物か皆さまご存じでしょうか。私自身、「ヤコウチュウ」は何度か見たことがありますが、ウミホタルは今回初めて観察しました。どちらも光を放つ海の生き物ですが、ウミホタルは大きさ2、3mm程度の動物プランクトン(海産ミジンコの1種)で、ヤコウチュウは大きさ1mm程度の単細胞の植物プランクトン、というように別の生き物です。

休暇村瀬戸内東予ではこの観察会が毎土曜夜に10月いっぱい行われています。今回の観察会には、小さなお子様から、年配の方まで宿泊されていた40-50人もの方が参加され、「ウミホタルクイズ」や解説に盛り上がっていました。
本館での説明のあと、いざ浜辺へマイクロバスで降りていき、用意されていた採集瓶(コーヒーの空き瓶に餌を仕掛けたもの)を海へ投入、しばし待ちます。



採集瓶を手に説明

この間星空の観察などをして、10分程度経ったあと瓶を引き上げると、たくさんのウミホタルが採集されました。


ウミホタルを観察中…

ヤコウチュウは体内の物質が光るのに対して、ウミホタルは刺激によって発光物質(海水中の酸素と反応して光る)を体外に排出します。青白く発する光が砂浜や手に落ちる様子はとても幻想的でした。暗闇での写真撮影はまだ慣れておらず、肝心のウミホタルの様子をうまく写真に納められませんでした。要修行です。
このウミホタル、日本では青森から沖縄まで広い範囲で生息が確認されており、観察会が行われているところもあるようです。これからもこの小さな生き物との出会いが続くよう、きれいな砂浜、海が残っていくようにしたいですね。


※休暇村瀬戸内東予より提供して頂いたグラス中で光を放つウミホタルの写真。
こんな幻想的な光を放ちます。

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