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アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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瀬戸内海国立公園 松山

154件の記事があります。

2007年11月07日◇エコツアーのお知らせと参加者募集◇

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

 今年は紅葉が遅れているという話を聞きます。事務所の前にあるケヤキは日に日に赤く色づいてきました。

 さて、行楽にはもってこいの秋!今回はイベント開催のお知らせです。
 この度、高松事務所と休暇村瀬戸内東予の共催で、エコツアーを実施します。
 シーカヤックを利用した海上散策(荒天時は漂着物を利用したクラフト制作に変更)や岩山をくりぬいて作られた石風呂(古くから利用されているサウナのようなもの)の体験など盛りだくさんの内容を予定しています。

穏やかな瀬戸内海の景色や歴史を一緒に体感しませんか?
 ただいま参加者大募集中!お申し込み、お問い合わせは休暇村瀬戸内東予までお願いいたします。

「瀬戸内海国立公園をフィールドとしたエコツアー
“知ろう!楽しもう! まるごと瀬戸内海” ~東予編~」


・日  時:平成19年11月18日(日)
  12:45~17:00 (受付 12:30~)
・集  合:休暇村瀬戸内東予(愛媛県西条市河原津)玄関前 12:45
・定員・参加対象:16名(先着順、定員に達し次第締め切り。最終締切11月15日)
小学校5年生以上(小学生は保護者同伴のこと)、健康な方
・参 加 費:4,300円(保険代、カヤックレンタル代)
       ※荒天時1,300円(保険代、クラフト材料代)

・問い合わせ・申 込 み:休暇村瀬戸内東予 (TEL:0898-48-0311)

詳しくはこちら(高松事務所ホームページ)


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2007年10月01日忽那諸島 -津和地島-

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

 今日から10月、衣替えの時期ですね。日中の日差しはまだ厳しいですが、ようやく秋らしい空気になってきました。
私は、採用から1年。国立公園のホームページもリニューアルされ、ここからまた気を引き締めて、瀬戸内海国立公園の魅力をお伝えしていけるよう頑張りたいと思います。

 さて今日は、先日巡視に行ってきた津和地島(つわじしま)をご紹介します。

 津和地島は松山市(旧中島町)の忽那諸島西端の島で、愛媛県と広島県・山口県の県境に位置する島です。津和地島までは周囲の島へ寄りながら、フェリーでおよそ2時間、高速船では約1時間程度かかります。


写真:津和地の町並みと津和地港

 津和地島は江戸時代には瀬戸内海有数の風待ち、潮待ち港として栄え、瀬戸内海航路の要衝として参勤交代に向かう松山藩主のお茶屋が港におかれていたそうです。




 本州と四国のほぼ真ん中に浮かぶこの島からは、周囲の島々の穏やかな景色、狭い瀬戸を流れる潮流、往来する様々な船など瀬戸内海独特の風景が楽しめます。



 この写真では少しわかりにくいかもしれませんが、潜水艦の往来も目にすることがあります。

涼しくなってきた今、瀬戸内海の島へ船旅はいかがですか。

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2007年08月27日花だより -夏編-

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

 厳しい残暑が続きますが、皆様お元気にお過ごしでしょうか。
 巡視や現地調査に出かけると、少し歩くだけで汗が流れてきます。木陰や海からの潮風に足を止めて、ほっと一息「涼しいー」とつぶやいてしまいます。
 暑い夏に涼を求めて、はたまた夏を満喫するため海水浴や山へ出かけた方も多いことでしょう。
 国立公園の中でもふと周りに目をやると、今年も暑さに負けず凛とした花を咲かせている植物に出会うことができます。白やオレンジ色の花が夏の空や瀬戸内海の青、そして周囲の植物の緑によく映えています。


ハマカンゾウ(撮影:伊方町 佐田岬)

ハマオモト(撮影:伊方町 佐田岬)

サギソウ(撮影:今治市 蛇池)

 今回紹介した植物3種はいずれも、瀬戸内海の景観を構成している主要な種である等の理由から、瀬戸内海国立公園の指定植物とされており、採取には許可が必要です。景色や花の姿は胸や写真に納めて、思い出とゴミをしっかり持ち帰ることにしましょう。

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2007年06月08日ウォーキングイベント -大島編-

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

こんにちは、松山ARの永田です。
梅雨入りを前に、水不足が危惧されるニュースを耳にするこの頃、雨が待ち遠しい気持ちになります。

先日、休暇村瀬戸内東予のウォーキングイベントの一環で、「愛媛歴史探訪ツアー 村上水軍と島四国」が愛媛県今治市の大島で行われました。またまた私も国立公園のPR方々同行させていただきましたので、大島の歴史的エピソードを交えてご報告します。

今回のツアーの目玉であった「村上水軍」と「島四国」って、ご存じでしょうか??

「村上水軍」とは戦国時代に、このあたりの激しい潮流と入り組んだ多島海の地形を利用し、海上の知識と技術で強い勢力を誇っていた代表的な一族のこと。本拠地が大島の北側に位置する能島にあったそうです。

「島四国」とは現在お遍路さんで知られる四国八十八カ所(本四国)になぞらえて、地理地形を合わせて島の中に八十八カ所の礼所が開創されたものだそうです。ちなみにこの大島の島四国、なんと今年で開創から200年の記念の年だそうです。

ツアーでは、現地の方の素敵な案内のもと四国の数カ所の礼所を参り、水軍ゆかりの場所を潮流体験船で巡りました。

礼所にて。背景にはしまなみ海道や来島海峡が見えます。

大島の島四国は本四国とは違い、住職さんが在住するのが八十八カ所のうち四ヶ寺で、ほとんどの礼所が周辺の方々によって手入れされているそうです。今回は住職さんがいらっしゃるお寺もお参りし、お説法をうけることができました。


また、地元漁協が運営する潮流の体験船(今年から原則毎日運行しているそうです)では、かつて水軍が活躍した舞台である海上で周囲の島々に残る史跡の解説を聞きながら、「船折瀬戸」と呼ばれる海峡などの激しい潮流を体感することができます。見事な操船技術の船長さんが、かつての水軍の子孫かも?!と思うとこれまた夢も膨らみます。

船のエンジンを止めると、複雑で激しい潮流のため船体がぐるぐる回りながら流されました。

渦巻く潮流は最大9ノット(約17km/時)の速さ。潮の干満の差が大きいときほど激しい潮流になります。

大島では美しい景色に出会えることに加え、様々な歴史を重ね合わせてみると、また違った瀬戸内海の顔を発見することができます。是非一度訪ねてみてくださいね。



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2007年05月24日春の佐田岬

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

 日中は汗ばむ陽気となりました。今日もいいお天気の松山です。
今回は四国最西端に位置する佐田岬(さだみさき)についてのお話です。
 「四国最西端」、「日本一細長い半島」というだけあって、愛媛県内とはいえ松山から車で片道3時間ほどかかります。なんせこの半島だけで、先端の岬まで約50km。長い道中ですが、岬へ向かう半島の頂上線を走る「佐田岬メロディーライン」と呼ばれる国道からの眺めはとってもきれいです。

 さて、少し前のことになりますが、昨年度末にグリーンワーカー事業(GW事業)の一環として、佐田岬灯台へ向かう歩道や展望台で修景伐採(※眺望を邪魔している植物を手入れする)を行いました。
わざわざ木を切るなんてかわいそう、と思われる方もいるかもしれませんが、せっかく来て頂いた方々に景色を楽しんでいただくため、適度に枝打ちをすることになりました。

その結果、周囲の木が伸び木陰の休憩所と化していた椿山展望台は。。。


   before          after
こんな景色が見えたのか!と感動しました。

木陰に隠れて見えなかった灯台もこの通りばっちり!おすすめの撮影スポットですよ。是非、展望台にも足をのばしていただきたいです。この日は見通しもよく、お向かい大分県の佐賀関がよく見えました。

 余談ですが、瀬戸内海と宇和海の境にあたるこの海峡は好漁場として知られており、ここで漁獲されたサバ・アジが、お向かい佐賀関に水揚げされると有名な「関さば」・「関あじ」、愛媛県三崎町に水揚げされると「岬(はな)さば」・「岬あじ」となります。海はいつも小型の漁船で賑わっています。

 散策にはもってこいの季節。歩道を歩くと急潮の潮騒や鳥のさえずりが聞こえて、なんとも爽やかな気持ちになります。先日はせわしなく木をこつこつつついているコゲラに出会いました。

写真:頭が残像になっていますが…

私もこつこつ(?)頑張りたいと思います。

※佐田岬半島は地質上、地滑りを起こしやすい所があるようで、佐田岬灯台の駐車場、佐田岬までの国道も工事している箇所があります。

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2007年05月15日ウォーキングイベント

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

お天気もよく行楽日和だった週末、
休暇村瀬戸内東予のウォーキングイベントの一つ、
「永納山城跡と笠松山・世田山歴史探訪ウォーク」が行われました。
参加者は11名、皆さん県内から集まったお元気な方ばかりでした。

今回のコースである3つの山の遊歩道沿いや周囲の丘陵には、
古墳群や遺跡が多く見つかっており、史跡と風景を
一度に楽しむことができます。


写真:いざ出発。新緑が迎えてくれました。


永納山では、山をぐるりと囲む列石や土塁などの城壁構造が
発見されていますが、城跡の内部の構造など、
まだまだ発掘途中とのことで、ビニールシートがかかっていたり、
実際に作業されている方もいらっしゃいました。
永納山城跡は7世紀後半に東アジア情勢の影響を受けて築かれた
古代山城と呼ばれるもので、平成17年に国史跡に指定されたそうです。
(※永納山は国立公園には含まれていません)

西条市立東予郷土館の職員の方からの説明を受け、
また、地元の参加者から歴史にまつわるいろいろな話も飛び交い、
私も勉強になりました。


写真:永納山の城跡発掘現場にて。目で見て、触って。


写真:永納山の城跡発掘現場にて2。
   眼下には穏やかな燧灘(ひうちなだ)が見渡せます。

新緑・歴史・瀬戸内海の景色を楽しみ、美味しくお弁当を食べた、
およそ4時間のウォーキングとなりました。
3つのうち一番高い笠松山でも山頂357mの山でしたが、
山の登り下りに良い汗をかきました。

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2007年04月05日花だより -上島町岩城島-

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

花の季節がやってきました。


 永田はAR採用から半年が経ち、愛媛県で初めての春を迎えました。今年度も愛媛県内の国立公園の色々な姿や活動の様子をお伝えしていけるよう頑張りますので、よろしくお願いします。

 テレビや新聞でも、サクラの開花や満開などを知らせるニュースを目にするようになりました。今回は、広島県と愛媛県の県境の近くに位置する岩城島(いわぎじま)からの花だよりです。
 岩城島の中央に位置する積善山では、標高が約370mの山頂にある展望台から、瀬戸内海の景色をぐるりと360度のパノラマで眺めることができます。また、この時期およそ3000本のサクラが目を楽しませてくれます。


写真:山頂の展望台から東側を臨む
(奥:弓削島、中央:生名島)

写真:山頂の展望台から西側を臨む
(左奥:伯方島、中央:大三島、右奥:生口島)

 現在(4月4日)、山頂付近のサクラは8分咲きからほぼ満開になっています。今週末あたりが見頃のようです。道路沿いのソメイヨシノも圧巻ですが、山腹に咲き誇る数種のヤマザクラや、鮮やかな紫色のコバノミツバツツジもとても美しいです。他、遊歩道ではツバキやノイチゴの花などたくさんの花を楽しむこともできます。


写真:コバノミツバツツジ

※岩城島へは、しまなみ海道を通って、因島(広島県)の土生港あるいは生口島(広島県)の洲江港からフェリーでおよそ5-15分、また愛媛県の今治港からは快速船、伯方島の木浦港からは快速船とフェリーが就航しています。

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2007年03月22日忽那諸島 -松山しまサミットin中島-

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

 思い出したように冬の様な寒さがやってきた3月、ようやく春らしさが戻ってきました。桜の蕾もほころびはじめたでしょうか。今日はぽかぽか暖かい松山です。

 今回は、先日中島で開催された、「松山しまサミット」についてのご報告をしたいと思います。これは松山市と松山しまサミット実行委員会によって共催で行われたもので、忽那諸島、そして離島についての知識を深められる良い機会だと思い、一般参加させて頂きました(入退場自由でした)。

 中島は松山市街の沖に浮かぶ忽那諸島の中で一番大きな島です(以前ご紹介した野忽那島の、間に睦月島を挟んで西側にあります)。中島を含む6つの有人島は2005年に合併し、中島町から松山市となりました。どの島も集落を除いた、島のほぼ全域が瀬戸内海国立公園に指定されています。野忽那島と同じく、中島までは松山市の三津浜港、高浜港からフェリーでおよそ一時間、高速船では約30分です。


写真:中島の港の一つ、大浦港

 サミットの議事としては、松山の離島の現状や、他県から島や島での産業の活性化に取り組むパネラーを招いての事例紹介が行われました。また、一般応募による島の写真や絵画が展示されたり、島の伝統芸能の太鼓や踊りが披露されたりました。
 島は過疎化や高齢化が深刻になっているところが多いですが、島の人の郷土愛の強さや島人みんなが家族のような絆があることはどこも共通しているんだなと思いました。また一方で「瀬戸内海の島」とひとくくりにできないほど、それぞれ多様な歴史や文化があるんだなぁということを改めて感じました。




写真上:中島・水軍太鼓
  中:北条・櫂踊り
  下:興居島・船踊り

 そして屋外では、各島の柑橘類や海産物などの特産物やその加工品が販売されていました。
 愛媛県の特産物として、特に有名な「みかん」。みかん、みかんと言いますが、島で栽培する柑橘類は「温州みかん」や「いよかん」を筆頭にその品種は多様で優に10種を超えます。私としては自分と同じ名前の「清見」が気になるところです。

 冬場の出荷期を終えて春を迎えると今度は可憐な花の時期を迎えます。忽那諸島へ向かう船ではいつも、このサミットのゲストとして招かれた坂本冬美さんが旧中島町を歌った「白いかおりの島へ」という歌が流れますが(島へ行った後はいつも口ずさんでしまいます)、花の香りに誘われて島巡り、というのも素敵だなぁと思います。少し足を伸ばして島へ、いかがですか?

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2007年02月27日グリーンワーカー事業 -松の植栽・唐子浜編-

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

今日の松山はしとしとと静かな雨が断続的に降っています。今日も最高気温は14度位。特別寒い!と感じる日もあまりないまま2月ももう終わりです。

今回は12月の日記にも登場したグリーンワーカー事業(GW事業)をもう一つご紹介したいと思います。

瀬戸内海国立公園を代表する景観の一つである白砂青松の海岸。今治市の南東部に位置し、瀬戸内海の燧灘(ひうちなだ)を望む唐子浜を含んだ約8kmの海岸は日本の渚100選に選ばれています。唐子浜は延長2kmに及ぶ白い砂浜と松林があり、海や空とのコントラストが本当に美しい海岸です。


写真:唐子浜のシンボルとなっている、来島海峡の西水道入口から移設された赤灯台と(奥)赤レンガの旧灯台職員官舎


しかし、近年マツクイムシによる松の立ち枯れの被害が深刻で、大木がたくさん姿を消しました。

写真:松の被害木

そこで景観維持保全のために、唐子浜で松の植栽と漂着ゴミの回収・処分がGW事業として行われました。植栽されたクロマツの苗木は合わせておよそ250本!
唐子浜は夏期以外にも釣りや散策、サイクリングなど小さい子供さんからお年寄りの方までたくさんの方々に親しまれており、地元の方の手によって定期的な清掃も行われています。これからも地域から愛される変わらぬ姿が残っていきますように。
これからの季節、ぽかぽかと晴れた日には砂浜でお弁当でも食べたくなります。砂浜を訪れた際には景色を楽しむとともに、小さな松を見守ってあげてください!


写真:松林を通り抜けるサイクリングロード


写真:植栽された松。大きくなぁれとエールを送りたくなります。

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2007年02月09日マナヅルに遭遇

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

先日調査で重信川(しげのぶがわ)河口を訪れました。
重信川の河口は松山空港の南、松山市と松前町(まさきちょう)の堺に位置しています。このあたりは国立公園ではないのですが、中予地方(愛媛県の地域は東予(東部)、中予(中部)、南予(南部)と大別されます)で唯一の大きな干潟が広っています。四季を通じて野鳥が集まる場所で、愛媛県内でも野鳥観察ポイントの一つになっています。
この日もたくさんの水鳥が羽を休めたり、餌とりにいそしんでいました。


写真:水中に夢中のヒドリガモ


写真:休憩中のオナガガモ

ふと遠くを見ると、カモ、シギ、サギ類とは離れた所になんだか悠然と歩く大きな鳥が1羽。双眼鏡を使って目を凝らしてみても、サギ類ともなんだか様子が違います。写真を撮って事務所で確認するとマナヅルとよく似ており、鳥類がご専門の先生に写真での同定をお願いしたところ間違いないとのことでした。またお話によると、伊予郡松前町と西条市の間を移動している個体だろうとのことでした。今日もたまたま来ていたのでしょうか。


写真:干潟を闊歩するマナヅル

マナヅルは眼の周りが赤く体色は主に灰色で、頭頂から喉や後頸にかけては白色、足は薄紅色のツルで、ツルらしい姿をしていることから漢字では「真鶴(マナヅル)」と書くそうです。愛媛県・環境省の両レッドデータブックの絶滅危惧?類に指定されています。
県内では毎年数羽程度しか確認されないマナヅルに出会えたのはかなり幸運だったのかも。しかし先日、転々と場所を変えるのは越冬に良い環境の場所が見つからないからだ、という新聞記事を目にしたところでした。安心して越冬できる場所を見つけられたらいいなと願い、河口を後にしました。


写真:大きさ比べ

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