大山隠岐国立公園
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2015年05月29日国立公園大山 中国自然歩道を歩く(川床から一向平)
大山隠岐国立公園 伊藤信広
5月24日(日)に新緑の大山山系を歩きました。行程は次のとおりです。
川床登山道入口(大山町)岩伏別れ→香取別れ→大休峠→大休口→大山滝→一向平(琴浦町)
このコースは、アップダウンも少なく初心者にも楽しんでいただけます。
残雪も無くスパッツは必要ありませんでした。
[川床登山道入口(解説板)]
ここから、目的地の一向平への歩行距離は約8kmで所要時間は約6時間です。
そして岩伏別れ手前までは登坂(約40分)が続きますが、その後はフラットが続き、大休峠以降は緩やかな下り坂になります。
[阿弥陀川]
川床登山道入口から15分で阿弥陀川を渡ります。
この辺りは、川のせせらぎが心地よく響いています。
大山の雪解け水が年中絶やさず流れています。
そして遠く日本海へとつながっています。
[大休峠の石畳]
江戸時代にこの辺りは大変道が悪く、旅人は苦労されたそうです。
そこで多くの人たちが、敷石を寄進したそうです。
この道を使い鳥取県中部地方から大山博労座へ牛馬が歩いたと伝えられています。
感謝の心を忘れずに、この石畳を歩きたいものです。
[大休峠避難小屋]
この大休峠は十字路になっています。
大山ユートピア方面、船上山方面、一向平方面、そして川床方面へとつながっています。
そのため様々な散策コース組むことができて登山を楽しむことが出来ます。
近年改修されているため、綺麗な状態です。
[ヒガラ]
大休峠避難小屋外のベンチに腰掛けていたら、すぐそばにヒガラ近づいてきました。
そして長い間、植生土嚢のような物をつついては、綿毛のような物を地面に下ろしていました。きっと巣作りの材料にするものと思われます。
[大休口]
この辺りは、かなり密植された杉が沢山ありました。
太陽の光も優しく射し込んできて、少しだけ風もあり心地よい環境でした。
この辺りは、地獄谷と平行しているため、谷のせせらぎと共に野鳥のさえずりも良く聞こえました。
[大山滝]
この日も多くの人たちが、大山滝に訪れていました。
滝壺のすぐそばまでいくと、もはやマイナスイオンの世界です。
自然の恵みに感謝!!
[一向平(終点)]
朝7時半に川床登山口を出発し、ここに到着したのは14時ちょうどでした。
あっという間の6時間30分でした。
先人達の作った道のおかげで、自然とふれあいながらゆったりとした時間を楽しむことが出来ました。そして道中の新緑の香りはふつふつと若いエネルギーを惹き起こさせてくれました。
[ギンリョウソウ]
一向平では、涼しげなギンリョウソウが最後に出迎えてくれました。
最後までごらんくださりありがとうございます!
2015年05月26日【出前授業(5年生の大山登山にむけて)】
大山隠岐国立公園 大利茜
米子市にある福生西小学校。校舎の窓からは、大山を望むことができます。
5/21(木)に5年生が大山登山をされるということで、出前授業をして参りました。
大山のこと、国立公園のこと、自然環境、登山のルールやマナーなど、これから登る大山にまつわることを、諸々紹介させていただき、みんな興味津々の様子で聞いてくれました。
<アイスブレイクでみんな笑顔になりました!>
大山にほど近い福生西小学校ですが、大山登山を経験した人や、頂上まで登ったことがある人はごくわずか。
やはり登山に対する不安や緊張もあるようで、最後の質問タイムでは「登山のコツはなんですか?」「遭難したらどうしたらいいですか?」などと質問がたくさんあがりました。
<レンジャーのお仕事とは?(有山Rより)>
授業後、みんな大山について興味を持ってくれたようで、私たちのところに集まってきて、質問や感想などをたくさん聞かせてくれました。登山を楽しみにしている様子も伝わってきました。
<授業後の様子>
5/21に実施された大山登山はというと、お天気にも恵まれ、無事に全員登頂できたようです。これをきっかけに、子どもたちが身近にある大山をさらに好きになり、豊かな自然を守る気持ちをもってくれたらもっと嬉しいですね!
ちなみに、大山には「大山讃歌」というテーマソングがあることをご存じですか?今回は有山レンジャーと一緒に、ウクレレを弾きながら歌を披露しました♪みんな覚えてくれたかな?
2015年05月20日ウミネコの島【島根の自然】
大山隠岐国立公園 宇佐美 裕太
5/20に島根半島・日御碕園地の巡視を行いました。
ここには国の天然記念物に指定されている「経島(ふみしま)ウミネコ繁殖地」があります。
ちょうど孵化前後だったようで、ヒナや卵を抱く親鳥の姿が観察できました。
神主以外は立ち入れない神聖な島です。
植物のほとんど生えない島と思われますので、植物質の巣材はウミネコたちがいずこから運んできたのでしょうか。
よく見るとヒナの姿が見えてきますよ。ヒナが茶色い理由がわかりますね。
日御碕園地
経島の柱状の割れ目の地形は「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」と呼びます。
溶岩が冷えて固まる際に収縮して規則的な割れ目ができるそうです。
日御碕園地一帯の岸壁は柱状節理が発達し、歩き回ることができるジオサイトになっています。
島根半島ではこのようなジオサイトが数多く存在し、ジオパーク認定を目指した活動を展開中です。
大人になるとどうしてこんなに目つきが悪くなってしまうのか...
黄色い足、黒灰色の背中、黄色いくちばしに黒と赤の斑
鳴き声は名前の由来の通り「ミャー」ですが、5000羽集まるとかなり騒々しいです。
尾に黒い帯があります。飛んでいるときはこれで他のカモメ類の成鳥と判別できます。
飛ぶ練習でしょうか、とてもかわいいですね。
7月になるとヒナは巣立っていきます。
ヒナや抱卵の様子を観察するには双眼鏡がないと難しいと思いますが、
成鳥同士のケンカやトンビを追い返すシーンなどがたびたび見られますし、鳴き声やコロニーの迫力を感じることができます。
出雲大社から車で20分でアクセスでき、周辺には日御碕神社や日御碕灯台などもありますので、今の時期の観光におすすめしたい場所です。
2015年05月11日自然公園におけるマナー ~動植物をとらないで!~
大山隠岐国立公園 宇佐美 裕太
今回は最近あちこちで気になる盗掘に関するお願いです。
4/29に島根県と合同で船通山で希少動植物違法採取防止パトロールを実施しました。
船通山は水に恵まれ、斐伊川の源流にもなっています。
故に野草が非常に多いのですが、残念なことに盗掘も度々報告されています。
カタクリ エンレイソウ
ランやユリのなかまは個体数も少なく、採掘は絶滅の主要因になり得ます。
中には悪気なく綺麗だからと持って行ってしまう方もいらっしゃいます。
しかしそれでは次に訪れる人が見られなくなってしまいます。
カタクリは種から花をつけるまで成熟するまでに7~8年かかります。
軽い気持ちで採取したとしても、回復には長い年月が必要です。
↑三瓶山での採掘の事例
野草は自然の中で見るのが一番綺麗だと思います。盗掘はみんなで防ぎましょう。
==国立公園における動植物の捕獲規制に関する法令==
・国立公園、国定公園の特別地域では指定動植物を許可なく捕獲等は禁止
・国立公園、国定公園の特別保護地区では全ての動植物の捕獲等は禁止
「指定動植物」はそれぞれの国立公園ごとに決められています。
自治体の条例
自治体の条例で捕獲等が禁止されている場合も多々あります。
島根県においても 島根県希少野生動植物の保護に関する条例 が定められています。
(外部リンク:島根県HP)
「国内希少野生動植物種」「国際希少野生動植物種」「緊急指定種」が定められており、
これらの動植物は場所に関係なく許可のない捕獲等は禁止されています。
※指定動植物外でもマナーとして動植物の捕獲等は避けるよう、ご協力お願いします。
乱獲により生態系のバランスが崩れると、生き物たちは住めなくなってしまします。
その他特に気を付けたいマナーを4点挙げました。
国立公園はみんなが利用する場所です。
マナーを守ってより気持ちの良い国立公園にしていきましょう!
2015年04月28日大山山麓の桝水高原トイレが今年もオープンしました!
大山隠岐国立公園 伊藤信広
桝水高原のトイレの開所作業を行いました。
桝水高原には浄化槽トイレとオゾンを利用した循環式トイレ
の2種類があります。
中でも、オゾン利用の循環式トイレでは、排泄物が汚水処理
装置を通りその後オゾン処理装置で滅菌されてから便器の洗
浄水として再利用する優れものです。
雄大な大山主峰を背景にした桝水高原利用者の皆様に安心、
安全で快適にトイレを利用していただけるように保守点検を
行っています。
また、トイレには大型駐車場が完備されており、歩いて2分
で天空リフトに行けます!
そしてそこから眺める、中海や弓ヶ浜半島の夕陽は大変美し
いです!
いつまでも心に残ることと思います。
桝水高原の桜が八部咲きでした。(4月20日)この桜は道端
のわき水のすぐそばにあります。
古くから、ここは大山寺参りの旅人の通り道として親しまれて
きました。
皆様のご利用をお待ちしております。
2015年04月26日第35回 三瓶山山開き【イベント】
大山隠岐国立公園 松江 宇佐美 裕太
日曜に行われた三瓶山山開きの模様をお伝えします。
前年にひきつづき、すばらしい快晴です!
朝8:00 西の原で神事を執り行いました
今年も安全に過ごせますように。。
このあとは各々で山頂を目指します。
もう登山道には雪もなく、連日多くの方が登ってますよ!
4/16 登山道整備の様子(三瓶自然館サヒメル職員のみなさん)
冬の間には積雪によって倒木が多く出たり道標が壊れたり...
毎年山開き前にチェックが入ります。ありがとうございました。
さて山頂についてみると恒例の記念品が配布されます。先着順売切御免!
さらに今年は山開き第35回記念として神楽が行われました。
「手草の連舞」
「鯛釣り」 恵比須さまが飴を投げるので子どもたちも大喜びでした。
山頂の避難小屋には凍結対策で扉がつきました。
引戸が開かなくなっても大丈夫です。
この日は男三瓶~子三瓶まですべての嶺を巡視しました。
国立公園で黄色いシャツを見かけたら、ぜひ声をかけてくださいね!
25℃の暑さでしたがまだ芽生えの植物が多く、春を感じます。
これからあっという間に初夏の雰囲気に変わっていきます。
西の原のレストハウスも生まれ変わり、この週末に合わせてオープンしました。
なにやら冷たくておいしそうなものが売ってましたよ...!
GWも好天に恵まれますように。
2015年04月17日【蒜山】「山焼き」によって守られる草原
大山隠岐国立公園 大利茜
大山の南東に位置する蒜山には、はるか昔から人の手によって維持されてきた草原(半自然草原)が広がっています。四季折々に、美しい牧歌的風景と雄大な景色を楽しむことができます。
人々の生活においても、草を肥料や家畜の餌や茅葺屋根の材料としたり、山菜の採取や狩猟の場としたりと、とても重要な役割を果たしてきました。また、草原特有の動植物が生息・生育しており、たいへん貴重な動植物の宝庫でもあります。
毎年春になると、地元の人たちによって「草原」を維持するための作業が行われてきました。草を刈り、火が燃え移ることを防ぐ「火道」を作り、火を入れて山を焼きます。
しかし、この「山焼き」の作業はかなりの労力と危険を伴います。時代の流れとともに、地域の開発によって草原の利用価値がなくなり、また地域住民の高齢化によって、山焼きの面積は年々減りつつあります。
こうした山焼きを継続している地域の方々の作業に参加し、草寄せや火入れなどの作業を体験して来ました。
まず初日は「草よせ」作業。草をかき分けて傾斜を登っていきますが、なかなかの斜度があり、登るだけでも一苦労です。事前に刈られた大量の草を、大人数で手分けをして寄せていき、火道を作ります。
<斜面に線が入ったように見えるのが火道です>
ウサギの糞があちこちに落ちていたり、草やぶの中にイノシシのねぐらがあったりと、作業をしながらも生き物たちの気配を感じることが出来ました。ショウジョウバカマや希少なサクラソウも見られました。こうして自然の中で体を動かすことは、目にも体にも心にも、気持ちが良いものですね。
そして火入れ当日。ボランティアの皆さんや地元の方々、関係者の方々が多く集まりました。火をつけた竹やバーナーを片手に火をつけていく人と、ジェットシューターという水のタンクを背負って火道沿いの火を消していく人とに分かれます。
上山と下山に分かれてタイミングを合わせて火をつけたり、風の向きや強さ、火の燃え進み方、地形によって異なる火入れの仕方・・・何十年と経験されてきた地元の方々ぞ知るノウハウや感覚的なものを頼りに、みんなで声を掛け合いながら作業を進めます。危険と隣り合わせの作業、慎重かつスピード感を持って進めていきます。前日に雨が降ったため草が湿っていてうまく燃えるか心配されましたが、陽が上がり風が強まるにつれて徐々に火の勢いも増し、たちまち広大な草原が真っ黒になりました。
作業終了後、地域のお母さんたちが作ってくださったおいしいご飯をいただきながら、地元の皆さんと談笑しながら楽しいひととき。こうしたコミュニティの場が維持されることもまた、山焼きによる産物ですね。
<火入れのbefore → after。背後には大山が見えます>
春の山焼きが終わるとやがて草花が芽吹き、この黒焦げの山が初夏には鮮やかな緑色で覆われます。美しい四季折々の景色を見に、ぜひ一度蒜山へ足を運んでみてくださいね!
2015年04月14日着任のごあいさつ
大山隠岐国立公園 大利茜
はじめまして。4月より米子自然環境事務所のアクティブレンジャーに着任しました伊藤と今泉です。
これからアクティブレンジャー日記を通して、大山・蒜山地域の自然の魅力を皆さんにお伝えしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
伊藤AR 今泉AR
雪が解け、桜が咲き、大山周辺もだんだんと春めいてきました。
施設の整備、登山のための休憩舎の開所、山の一斉清掃、山開きなど、これからの季節に向けた準備が大山蒜山地域でも始まっています。
船上山休憩舎開所の様子 渡り鳥調査の様子
皆さんに楽しく安全に自然と触れ合っていただけるよう、そして豊かな自然が守られていくよう、地域の皆さんと協力して活動していきたいと思います。
ご興味をお持ちの皆さん、山開きイベントや清掃ボランティアなど、ぜひご参加ください。
一緒に汗を流し、おいしい空気を吸って、気持ちの良い景色を眺め、大山蒜山の魅力を味わいましょう。
2015年04月01日春の美保関探鳥会 参加者募集!【イベント】
大山隠岐国立公園 宇佐美 裕太
こんにちわ4月ですね。
春と言えば鳥たちは渡りの時期。
宍道湖のキンクロハジロをはじめとする冬鳥たちは3月のあいだにほとんどいなくなってしまいました。
宍道湖鳥ヶ崎ではつくしがいっぱいでした
しかしながら島根半島ではここからが面白い時期です。
日本海に突き出た島根半島・美保関(地蔵崎)は、日本海側を渡って帰る冬鳥や、
逆に北から繁殖にやってきた夏鳥たちが寄っていく鳥スポットなのです!
松江自然保護官事務所では大山隠岐国立公園・島根半島のことを知っていただこうと、
観光スポットにもなっている美保関灯台周辺でこのたび探鳥会を開催します!
「興味はあるけれど、野鳥を双眼鏡で観察したことはない」という方は実は多いのではないでしょうか?
今回は双眼鏡も貸し出しますので、はじめてのバードウォッチにもおすすめの企画です。
美保関灯台の周りは短い自然観察路になっており、静かにしていると鳥の方からやってきます。
探鳥会の時間は鳥のゴールデンタイムに合わせて朝7時~と早めに設定しています。
(鳥を見た後に灯台ビュッフェで朝食もいいですね・・・!)
先日見に行った際にはまだ渡り鳥には会えませんでしたが、灯台の上でハヤブサ2羽が高らかに鳴いており、目の前を飛んでくれました(写真の鳥はトビ)。
どんな出会いがあるかはその日のお楽しみですね。
たくさんの方のご参加をお待ちしています。
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~春の美保関探鳥会~鳥たちの渡りに出会おう!~
日時:4/19(日)7:00~9:00
集合:美保関灯台駐車場 7:00 ※公共交通機関はありません
参加費:50円(当日保険代)
▼問合せ・申込み
松江自然保護官事務所 0852-21-7626 担当:宇佐美
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※定員に達しましたので募集を締め切らせて頂きました。
たくさんのお申込みありがとうございます。
こんにちわ。
1年を通して中四国各地を巡回しているAR国立公園展がただいま三瓶自然館サヒメルにて開催中です!
テーマは昨年に引き続き「自然と活動」。写真とパネルで国立公園の魅力と情報を紹介しています。
無料で観れる入口スペースにありますので、登山などで三瓶山に来られた方もぜひおいでください!
もっとたくさん展示してますよ!
今回はサヒメルさんの裏手にある姫逃池がカキツバタで華やかになる時期の開催です!
こちらもぜひ見に来てくださいね!
西の原ではよく似たアヤメが見られます。
こっちは草原の植物。
たくさんの方のご来場おまちしております!
~~ 中国四国の国立公園展-アクティブ・レンジャーが伝える自然と活動- ~~
会場 島根県立三瓶自然館サヒメル 島根県大田市三瓶町多根1121-8
期間 5/23(土)~6/21(日) ※6/1~6/5、6/9、6/16は休館
時間 9:30~17:00(土曜は18:00まで)
問合せ 松江自然保護官事務所 0852-21-7626