ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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大山隠岐国立公園 米子

239件の記事があります。

2016年10月20日【イベント報告】外来植物除去&わくわく自然体験in鏡ヶ成

大山隠岐国立公園 大利茜

鏡ヶ成

◎鏡ヶ成(かがみがなる)

大山の南東側、標高約900mの場所に位置する「奥大山」と呼ばれるエリアです。

周囲を烏ヶ山(からすがせん)、象山(ぞうやま)、擬宝珠山(ぎぼしやま)にぐるりと囲まれ、

自然豊かなこの場所には草原や湿原が広がり、冬には豪雪地帯となりスキー客が訪れます。

 

 

10月16日(日)ここ鏡ヶ成で、「外来植物除去活動&わくわく自然体験」を実施しました。

 

タンポポ除去ブタナ除去

午前中は「大山秋の一斉清掃」の一環で、外来植物除去作業をしました。

今回除去のターゲットとなったのは「セイヨウタンポポ」と「ブタナ」。

たんぽぽブタナ

セイヨウタンポポ(左)はヨーロッパ原産の帰化植物で、環境省要注意外来生物に指定されています。

ブタナ(右)もヨーロッパ原産の帰化植物で、各地に分布しています。

 

タンポポ根っこレクチャー

掘ってみると、根っこが地下深くまでしっかり伸びています。

在来のタンポポとの見分け方や、「根切り」と呼ばれる道具での除去方法など、レクチャーを受ける皆さん。

 

重さ表彰

除去したブタナやタンポポの重さを量り、たくさん除去された方には景品のプレゼントも!

人数が集まればあっという間、山盛りの外来植物が駆除されました。

ご協力いただいた皆さん、ありがとうございました。

 

 

団子汁

★こちらは参加者の皆さんが毎回楽しみにされている、団子汁の振る舞い。

 休暇村奥大山の石田さんがご用意くださいました。

 これを目当てに参加している、という方が実に多いです◎

 

 

午後からは「わくわく自然体験」と題して、「象山コース」と「擬宝珠山コース」に分かれて

登山や自然観察などを楽しみました。

長房さん

環境省レンジャーによる、大山隠岐国立公園やルール・マナーについてのお話

 

◎象山(山登り入門)コースの様子

出発ブナ林

象山山頂から

登山の基本を学びながら、わいわい楽しく歩きました。

ブナ林を抜けると、こんな景色が広がっていましたよ。

 

 

◎擬宝珠山(植物観察)コースの様子

長尾さんスライド

擬宝珠山山頂

講師は毎年おなじみ「米子野鳥保護の会」の長尾先生。

植物解説のスライドを見た後、擬宝珠山を歩きながら植物や自然を満喫です。

 

 

自然豊かな鏡ヶ成。

ぜひ皆さんも、足を運んでみてくださいね!

 

 

 

●鏡ヶ成では一斉清掃や自然体験の他、湿原保全プロジェクトなども実施しております。

 お気軽にご参加ください!

 湿原

『湿原守ろうプロジェクトin鏡ヶ成』

日時:平成28年11月16日(水)9:00~14:00 

場所:鳥取県日野郡江府町御机字鏡ヶ成 (鏡ヶ成湿原)

参加費:無料

内容:湿原の乾燥化の要因となっている(事前に刈り取られた)ササや低木を運ぶ作業を行います。

申込み先:休暇村奥大山(℡0859-75-2300)

※詳細はお問い合わせください。

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2016年10月10日大山・山の日講座 ~自然との付き合い方を考える~/阿弥陀堂コース自然観察会

大山隠岐国立公園 伊藤信広

ご訪問ありがとうございます。

山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝することを趣旨とする国民の祝日、「山の日」が今年2016年811日に初めて実施されました。ここ国立公園・大山は西日本有数の広大なブナ林があり、様々な動植物を見ることができます。

 この度、この「山の日」制定を機に、国立公園・大山の豊かな自然との付き合い方を考える講座を9月24日(土)、鳥取県大山町大山の大山情報館で開催しました。

参加者16人は、米子自然環境事務所の西所長の挨拶をはじめに、鳥取県立博物館の清末幸久主幹学芸員から「自然との付き合い方」について解説を受け、自然観察会(大山阿弥陀堂コース)では、元大山自然歴史館館長の上橋敬氏と一緒に大山の地蔵文化、ブナや杉の植生などの解説を受けました。

それでは、大山・山の日講座のはじまり~はじまり~

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鳥取県立博物館の清末講師から大山の鏡ヶ成が自然保護憲章発祥の地について解説がスタートしました。

大山の鏡ヶ成 自然憲章発祥の地に刻まれている大切な言葉。

・自然をとうとび、自然を愛し、自然に親しもう。

・自然に学び、自然の調和をそこなわないようにしよう。

・美しい自然、大切な自然を永く子孫に伝えよう。

大山山頂の裸地化から、一木一石運動と大山山頂保護への解説。

数多くの先人達により、大山頂上の植生復元のために調査・研究・保護事業等の歴史が紹介されました。

講座では、大山のみならず日本の緑化運動の事例紹介を受けました。

また、地元の生態系を乱してしまう、「自然保誤」の貴重な事例紹介がありました。

清末講師は、「種を見て環境を見ていない。大切なことはまず自然観察をしてその地域の生態系をそしてその特徴について理解することが大切な基本であるとポイントを押さえて」解説されました。

そして参加者の皆さんも自然保護活動に取り組んでほしいと働きかけをされました。

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さあ、いよいよ待ちに待った大山阿弥陀堂コース自然観察会のはじまりです。

気合いを入れてストレッチに励む方もいらっしゃいます。

大山寺参道にて上橋氏から、餓讖(がしん)地蔵について解説の様子。

餓讖(がしん)地蔵は、天保8年(1837年)、この年は天下の大飢饉で大塩平八郎が乱をおこした年であり、この前後の年も大飢饉で多くの人達が横死しました。これを弔い、将来二度とこのような事がないように祈りをこめて天保12年(1841年)に建立されました。

上橋氏からビールのホップに似たクマシデの解説に興味津々の参加者のみなさま。

夏山登山道手前に生息するキリンソウ。

可憐で美しい花です。ここ大山では沢山見ることができます。

道中に咲くツリフネソウ。

この花も大山で沢山見ることが出来ます。

赤い実はナナカマド。

竈に七回入れても燃えないで、残ることからこの名前になったそうです。

また、一方では7日間、竈で焼いて炭をつくるから、と言う説もある。

植物の名前の由来はなかなか面白いです!

ところで大山では、ナナカマドの実が大きい年は大雪が降ると言われていますが今年の冬は果たしてどうなるのでしょうか?

大山のブナや杉の植生について解説する、清末講師。

阿弥陀堂コース自然観察会の様子。

当コースは比較的なだらかで、人気のコースです。

圓流院前で、クルミの実について話に聞き入る参加者のみなさま・

阿弥陀堂建立の謎について解説する上橋氏。

大山とブナ林について解説する清末講師。

阿弥陀堂コースに落ちているブナの実について解説。

大山の利生水(井戸)の解説。

この水のお蔭で白髪 が黒くなり、髪がきれいになると伝説が残されています。

興味深い伝説の残る利生水とその周辺の様子。

写真左上が利生水の井戸。珍しく水が沢山ありました。

自然観察会も終わりに近づいてきました。

歩きにくい南光河原ですが、結構人気がありました。

清末講師がホソバノヤマハハコを発見されました。

日あたりのよい山地の草原に生える多年草で、地下茎がのびてふえます。母種のヤマハハコよりやや小型で葉が細くて幅は2~6mmの線状披針形です。葉の裏面に綿毛を密生しやわらかな白色が優しく目に映りました。

自然観察会の終点、大山寺に到着しました。

ここで、アンケートを書いていただき、閉会式のあと解散しました。

みなさま、ご参加大変ありがとうございました!

また、機会がございましたらよろしくお願いいたします!

おわりに

この講座をとおして、豊かな自然や史跡が残る国立公園・大山の自然環境をこれからも守っていくために、利用上のルール、マナーなど自然を大切にするために、心がけることなどを考える機会となれば幸いです。

またもう一歩踏み込み、知り得た自然保護の心を機会をとおして時には家族に友人、知人にも知らせ、働きかけることも大切な自然保護活動の基礎にもつながると思います。

最後までご覧くださり大変ありがとうございました。

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2016年08月05日【イベント報告】子どもパークレンジャー@中海

大山隠岐国立公園 大利茜

鳥取県と島根県にまたがる中海(なかうみ)。

日本で5番目に広い湖(汽水湖・きすいこ)です。 

中海

 

鳥や動物の繁殖地、渡り鳥の飛来地など、日本や世界的にも重要であるとして、

国指定の鳥獣保護区や、ラムサール条約登録湿地に指定されています。

 

 

7月29日(金)~31日(日)

中海にある「米子水鳥公園」にて子どもパークレンジャーが開催されました。

「子どもパークレンジャー」( 略称JPR:Junior Park Ranger )は、自然保護の大切さや自然とのつきあい方、また生き物に対する思いやりの心など、豊かな人間性を育むことを目的として、環境省レンジャー(自然保護官)と一緒に国立公園などにおいて、自然観察や自然解説による自然環境学習などを小・中学生に体験してもらうプログラムです。

詳しくはこちら

http://www.env.go.jp/kids/gokan/jpr/about/index.html

 

水中や陸上の生き物を探したり、望遠鏡で鳥を観察したり、

水鳥公園に棲む生き物を調査して、3日間で図鑑を作ろう!というプログラムです。

 

参加してくれたのは23名の小学生。

任命式 国立公園

 まずは子どもパークレンジャーの任命式            レンジャーのお仕事とは? 

 

 

【1日目:水生生物】

出発桐原さん

 アミやカゴを持って、いざ生き物採集へ!        教えてくれるのは水鳥公園の桐原さん!

 

生き物採集後姿

  どんな生き物が見つかるかな?        暑いけれど、みんな夢中です!水分補給を忘れずに~

 

小中めだか池

 冬になるとたくさんの渡り鳥が訪れる「つばさ池」        こちらはメダカ池。

  

図鑑カメラ

採った生き物の図鑑を書いていきます。        小さな生き物は、大きく映してみよう!

 

 

【2日目:陸上生物】

2日目虫取り

 2日目は陸上の生き物を探しました。         よく見るといろいろな場所に生き物がいるね!

 

 

【3日目:水辺の野鳥】

3日目望遠鏡

ネイチャーセンター観察ホールから野鳥観察       望遠鏡を使いこなし、たくさんの野鳥を発見!

 

 

【図鑑まとめ】

図鑑

 図鑑を完成させていきます。          図鑑完成!みんな達成感に満ちた表情です!

 

女の子最後

  みんなで協力して頑張りました~☆     これからも、生き物や自然を大切にする心を忘れずに!

 

 

今回の子どもパークレンジャーでは、3日間で合計81種類の生き物が見つかりました。

その中には、なかなか見られない珍しい生き物や希少な生き物もいました。

 

「虫を触るのが苦手...」「生き物のスケッチを書くのが難しい!」などと言っていた人も、

活動をしているうちに虫をさわるのが平気になったり、スケッチをスラスラと書けるようになりました。

一生懸命活動し、さらに子どもパークレンジャーとしてふさわしい人になっていったのですね☆

   

これからも、水鳥公園や身近な場所、いろいろな場所の生き物に興味を持って、

観察したり調べたり、生き物とのふれあいを楽しんでくださいね。

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2016年08月01日【イベント報告】三徳山・小鹿渓ふれあい自然体験教室

大山隠岐国立公園 大利茜

今年から8月11日が、国民の祝日「山の日」となりました。

daisenoki80th_A1_0713s.pdf

<大山隠岐国立公園山の日ポスター>

  

山の日の制定を記念し、鳥取県の主催で「ふれあい自然体験教室」が

三徳山(みとくさん)・小鹿渓(おしかけい)にて開催され、

私たちも講師として参加しましたので、その様子をお伝えします。

 

三徳山は標高約900mの山で、北側には三徳川、南側には小鹿川が流れています。

北側の地域は、「大山隠岐国立公園」に指定されています。(2014年3月19日編入)

 

まずは北側の、国宝「投入堂(なげいれどう)」などが望める三徳川沿いから観察会がスタート。

休憩舎投入堂

<集合場所の休憩舎はインフォメーションも充実>  <断崖絶壁に建つ国宝「投入堂」>

 

 

講師は森本満喜夫先生。

和やかな口調で語られる森本先生の植生等の解説に、

参加者の皆さんも「なるほど~」「へぇ~」と興味津々の様子でした。

 

遥拝所投入れ堂○

<森本先生から植生についてのお話>     <遥拝所から投入堂を見ることができます>

 

 

続いてウォーキングセンターのある「千軒原(せんげんばら)」へ。

ここからは三徳山一体を眺められ、投入堂まで続く行場(ぎょうば)の途中にある

「地蔵堂(じぞうどう)」や「文殊堂(もんじゅどう)」を見ることができます。

ウォーキングセンター文殊堂

<千軒原には昔「千軒の寺院」が立ち並んでいたとか>  <上から地蔵堂、文殊堂>

 

 

次はいよいよ小鹿渓へ移動して、ウォーキングをしながらの観察会です。

この日はとても暑い日でしたが、渓谷の中に入るとひんやり涼しい空気がながれます。

小鹿川沿いを歩くこの渓谷コースは、三徳山の北側とよく似た植生が見られ、秋の紅葉は特に美しいのです。

小鹿渓入口ブナ

<トチノキ、ブナ、サワグルミ等の巨木林と清流>   <奇岩や滝や渕の美しい景観が広がります> 

 

水晶雌淵

 <水晶滝(すいしょうのたき)>             <雌渕(めんぶち)> 

 

遊歩道沿いではイヌブナ、リョウブ、ギンバイソウ、トチノキ、ヤマグルマ等たくさんの植物を観察することができました。

滝や大きな渕、奇岩が並ぶ美しい渓谷あるきも、見どころ満載で皆さん楽しまれていたようです。

 

とち最後

  <大きな大きなトチノキ>        <小学生の参加者の皆さんも、頑張って歩きました!>

 

皆さんもぜひ山の日をきっかけに、自然や山歩きを楽しんでみてはいかがでしょうか。

大山隠岐国立公園の山にも、ぜひ訪れてみてくださいね。

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2016年07月04日鳥取県 命の山・国立公園大山・大山寺周辺の植物たち

大山隠岐国立公園 伊藤信広

ご訪問ありがとうございます。

今年、2016年から始まる国民の日「山の日」が近づいてきました。

これは、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日」として8月11日に定められました。ここ国立公園大山においても、はっきりとした四季の移り変わりと豊かな自然環境を有しています。そして自然環境だけでなく、人の営みにより文化や歴史が生まれました。また多くの動植物たちがたたずむ奥深い魅力的なフィールドでもあり「命の山・大山」と言えます。

山の日が始まる今年、大山の魅力を改めて感じながら6月29日(水)に大山寺周辺を巡視しました。
大山寺周辺の植物たちも日々刻々と成長してきています。
どうにかすると花の開花は週替わりと言っても過言ではありません。それでは、大山寺周辺の植物を紹介します。

アカショウマ

大山夏山登山道入口でアカショウマが出迎えてくれました。

日本が原産であり、東北地方南部から近畿地方にかけての本州、四国、九州各地に分布しているとされるが、ここ大山にも分布しており、山地や落葉広葉樹林の林縁、丘陵地などに明るい林内に自生しています。

エゾアジサイ

落葉性小低木で高さ2mくらいになります。多雪地帯に分布し、太平洋側のヤマアジサイよりも全体的に大きいです。パステル・ブルーに輝くエゾアジサイがこの梅雨時の大山で大変輝いて見えます。

ドクダミ

ドクダミはジュウヤク(十薬・重薬)とも呼ばれています。ジュウヤクの由来は、十の薬効、十の解毒作用があることから、十薬という説や、薬効が多いことからたくさんの薬を重ねて使うという意味での重薬からという説。また、薬効が多い重要な薬という説もあるそうです。
なんとも言えないくらいユニークで愛らしい
形の花です。

ホタルブクロ

梅雨入り頃に咲く、ホタルブクロは白い釣り鐘状の形をした花で、ぷっくりとした形がなんとも愛らしく感じます。この花名の由来は、「火垂る(ほたる)」が語源という説があります。ホタルブクロの花が手に持つ提灯に似ていることから、「火垂る袋」と呼ばれるようになったそうです。

ウツギ

北海道南部、本州、四国、九州に広く分布し、山野の路傍、崖地など日当たりの良い場所にふつうに生育すると言われています。梅雨時の白い花はいっそう爽やかな雰囲気を与えてくれます。大山では多く見ることが出来ます。

シモツケ

清少納言の「枕草子」には、「草の花は、しもつけ(下野)の花、あし(葦)の花」とあります。また名前の由来は、下毛野(シモツケノ)の略で、下野の国(栃木県)に多く自生していたから呼ばれたと言う説があります。

オオバコ

日本全土に分布し花期は4~10月で人に踏まれるところに生えるそうです。つまり踏まれると種子が粘液を出して靴に付き、何処へでも運ばれる。しかし、踏まれないと背の高い草に負けて姿を消すと言われています。

ミヤマカタバミ

本州、四国、九州、ヒマラヤに分布する多年草で、花色は白、赤、紫、青などがあります。花時期は、35月頃で、5枚の花弁を咲かせます。和名が「片喰」「傍喰」というように、花の片隅がかじられた様に見えるからという説があります。

前回56日に観察したときは、ハイネの詩の一説のように「わが君は花のように清く美しく・・・」と言わんばかりに、白く美しく清楚な花を咲かせていました。また来年までのお楽しみです!

ユキノシタ

前回、52日の巡視時にはまだ花が咲いていませんでしたが、今回は白色、黄色、ピンク色と色彩豊かで美しくたくさん咲きほこっていました。

名前の由来は、ほぼ円形に近い葉っぱが雪の下でも枯れずに残ることや、白い雪のような花の下に葉っぱが見える様子などにちなんで「雪の下(ユキノシタ)」という名前が付けられたそうです。

ヤマツツジ

赤みの強い紅色の花を咲かせるこのツツジを、山野で普通に見ることができたことから「ヤマツツジ」の名前がついたそうです。生育範囲は広くて身近な丘陵の雑木林などでも見ることができます。大山山系においても多く分布しています。

ヒメジョオン

中国の「女苑」という花に似ていて、美しく可愛らしいことから「姫」がつけられたという説や、ハルジオンに似ていて小型であるため当初は「姫紫苑」と名づけられたが、既に「ヒメジオン」という名の植物があったために「姫女苑」に変えられたという説もあります。

オカトラノオ

オカトラノオは日当たりの良い草原に生育する多年生草本。名前の由来は、長く伸びた花序をトラのシッポに例えたもの。初夏に白い花を咲かせる。全体としての姿も美しいが、一つ一つの花も姿が整っていて清楚である。この花は、初めて撮影しました! 

ヘラオオバコ

ヘラオオバコは日本の在来種であるオオバコと同じオオバコ科に属し、その独特な花の形から野の花として散歩道で目立つ花ですが、江戸時代にヨ-ロッパから帰化した帰化種と言われています。葉の形が竹へらの形をしているのでヘラオオバコの名がついています。

オオバギボウシ

「擬宝珠(ギボウシ)」は、橋の欄干(らんかん)などの上端につける装飾具のことです。花の蕾の時の形が「擬宝珠」に似ていて、この仲間(ギボウシ属)では、際だって葉が大きいので「オオバ」と付けられています。

クマシデ

この仲間は果穂に特徴があり、玉串やしめ縄につけられる白い紙を折った「四手(しで)」にどことなく似ていることから「シデ」が付けられ、また「クマ」は、果穂の果苞が密で、アカシデやイヌシデの果穂よりも大きく見えることからのようです。

イラクサ

イラクサの葉に小さな刺(とげ)があり、それがヒトの肌に触れると、不快になりイライラすることから来てイラクサと名付けられました。この刺に触れると、腫れることがあるため、注意が必要です。

ミヤマイラクサ

イラクサ科イラクサ属、山間部の開けた場所などに生える多年草。新芽は山菜として珍重されています。葉や茎に刺があって刺さる と非常に痛痒くなります。刺にはヒスタミンなどの毒液があって強い痛みを感じます。イラクサは蕁麻と書くそうで、これから蕁麻疹の言葉が出来たようです。

マムシグサ

名前の由来は葉の鞘(さや)の模様がマムシの模様に似ているから、や花の様子がマムシが鎌首をもたげている様子に似ているから等が一般的です。

緑色の実が、今後は真っ赤な実に変わります。

色鮮やかな植物や、珍しい生き物を探しながら歩くのは、山歩きの楽しみのひとつと思います。東南アジアから生まれ故郷大山に戻ってきたキビタキたちの姿を見ると登山の疲れも忘れてしまいます。

また一方では、自然の中で楽しむときに忘れていけないのは、そのフィールドの環境を壊さないということ。ゴミを出さないこと、トイレの美化に努めること。トイレのマナーとして気持ちよくトイレを使える背景には、スタッフの方々の努力があることを忘れずに利用していただきたいものです。

みなさまのご協力をよろしくお願いいたします。

美しい国立公園大山にどうぞ足をお運びください。

そして素晴らしい自然環境を堪能してください。

最後までご覧くださり大変ありがとうございました。

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2016年06月27日鳥取県 国立公園・大山山系 鳥越・地獄谷ルートの植物

大山隠岐国立公園 伊藤信広

ご訪問ありがとうございます。

6月17日(金)国立公園大山 木谷登山口から出発し、特別保護地区の巡視を行いました。このルートは現在管理者がなく、バリエーションルートの位置づけになりますが、現状把握の観点からパトロールを行いました。

なだらかな坂の健康の森を歩き、いくつかのベンチを通過し、突き当たりの立ち入り禁止ロープが見えたら右折して、鳥越えルートに入り、鳥越峠を目指して登る。ここから、反対側に下り、駒鳥小屋を目指しました。

駒鳥小屋の手前には苔むした一枚岩があり濡れていると滑るので要注意。ここを通ると、駒鳥小屋は近い。次第に地獄谷の沢の小さな音が耳に入ってくる。駒鳥小屋に到着すると室内に古びた一冊のノートが置いてあり、中を読むと登山者の様々な思いが綴られているので時が経つのを忘れてしまいそうでした。

休憩が終わり、地獄谷に下る。さっそく急斜面をロープでつたって降りる。降りたところから右手にほぼ水平に歩くとその山腹と歩道に山水が相変わらず流れていました。
歩道の突き当たりに短い梯子があるが、水に濡れて足置きがぬめっているため毎回、間違いなく滑るので注意して降りる。そして地獄谷に降りると大山の桃源郷と言っても過言ではないと感じている。特に、紅葉時期の地獄谷は途方もない美しさを持っている。ネパールに分布する桃源郷と比してみても、厳しさと優しさの両方を持つ個性豊かな地獄谷を私は気に入っています。

イラクサ。
イラクサは全草に細かい刺があり、その刺にはヒスタミンが含まれているために不用意に素手で触ると、痛く、痒くなるため注意が必要です。
また、痛みが続くため、イライラすることから、イラクサと名付けられています。

ギンリョウソウ。
「銀竜草」の名前の由来は、銀のように渋みのある光沢があり
首をもたげた龍の如き気高さがあるところからきているそうです。
中国大陸では、「水晶蘭」と呼ばれています。

ノリウツギ。

山地の林縁などに自生しよく目立つ花です。枝の先に白色の小さな雄しべと雌しべをもつ両性花が円錐状に多数つき、その中に花弁4枚の装飾花が混ざっています。

樹液で和紙を漉く際の糊に利用したため、この名がついています。

チマキザサ。

葉の両面および竹の皮など、全体が無毛であることを利用し、チマキをつくったり、料理を盛るなどに利用されています。また葉の長さは1035cmとされていますが、25cm前後が標準とされている。子どもの頃の、祖母と母のチマキつくりを手伝いが懐かしくよみがえります。

カラマツソウ。
人里近い里山から、山地の草原、湿原、高山の草原帯などの日当たりに見られ、夏山の代表的な植物の一つです。 雪解けからしばらくたつと芽を出します。茎は立ち上がり、夏の声を聞くころから、白くて美しい可憐な花を房状に咲かせます。

オオナルコユリ。

丘陵地や林の木陰などに自生する多年生草本で、北海道から九州及び朝鮮半島に分布します。 丈は大きいものでは1mに達し、茎は少し横に傾き、葉は細長くササの形をしています。

サンカヨウ。

丘陵地や林の木陰などに自生する多年生草本で、北海道から九州及び朝鮮半島に分布します。 丈は大きいものでは1mに達し、茎は少し横に傾き、葉は細長くササの形をしています。 地下茎は節が多く肥厚しています。
美しいブルーベリーに似た青い実をつけていました。

クサアジサイ。

多年草でやや湿った林内に生える。 草丈20~60cm。      
葉は互生で葉身は広披針形。葉先は尾状の鋭尖頭。細かい毛がはえている。
茎の先に散房状の花序を出し、淡い紅紫か白色の両性花と装飾花をつける。
両性花は直径5~7mm。

トリアシショウマ。

名前の由来は、花の形ではなく、若芽の頃に茎の先端から出る3枚の葉の閉じた姿が、鳥の足に似ることからと言われています。

駒鳥避難小屋(鳥取県所管:1950年建築)。
その昔、この辺には駒鳥が生息していたそうです。
そこから駒鳥の名前がつけられたそうですが、現在では駒鳥の姿を見ることができません。

紅葉シーズンの駒鳥小屋一帯は大変美しいです。

エゾアジサイ。
花は、美しい青紫色で、山地の半日陰に好んで自生し、多数の小型の両性花と装飾花があり、緑一色の山地でその美しさに魅了されます。大山地域では沢山見ることが出来ます。

ウツギ。
主な開花時期は5月~6月で、枝の先端に1cm程の白花を次々とたくさん咲かせます。葉のフチにはぎざぎざがあり、全体に毛が生えているので触るとざらざらしています。

ミゾホオズキ

全体に柔らかく、毛はない。径は枝分かれて広がり、斜上して長さは10-30cmになる。

山野の水湿地、湧水のほとり、溝などに生育し、ヒマラヤにも分布しています。

地獄谷の豊かな水湿地環境でごく僅かですが観察することが出来ました。

地獄谷

地獄谷には定まった道がないため、歩きやすそうなところを選んだり、石や岩の上を歩いたり、川をジグザグに渡ったり、時には膝から腰まで水に浸かったりして進みます。

振子沢の源流から地獄谷に流れる水は、下流に行くにしたがって水量が増し「加勢蛇川」となり琴浦町に出て最後に日本海に注がれていきます。

地獄谷・夫婦滝(写真中央に2本の滝)

この滝は、大山山系の中では最も標高が高く1,000mあたりに位置しています。

向かって左が雄滝で水源は鳥越峠と烏ケ山の間にある三角点で、滝までの斜面距離はわずか700mと言われています。一方の右手の雌滝は、水源までの距離が600mほどさらに短く、泥壁と呼ばれる火山砕屑層の水を集めていると言われています。

地獄谷・烏谷入口

ここでは、ほんの僅かしか水が流れていませんでした。もともと烏ケ山そのものの水量が少ないのかもしれません。

地獄谷にはいくつかの滝がありますが、ここの滝は(からす)(たに)いざなうような神秘的な世界を感じました。この滝を「烏谷滝」と言う人もいますが、地図を見ても正式な名前が見当たりません。

今回はここまでの巡視としました。

これより、下りの一向(いっこうがなる)方面へさらに進んで行くと、「地獄滝」、「大休滝」を見ることが出来、、さらに進むと左手に赤いペンキを塗った岩が見えてきます。この場所に大休口登山入口があります。そこから急な登坂を終えると大休口に到着します。そこからしばらく平坦地を歩くと勇壮な大山滝に着くことが出来ます。

ただし、これより先は川の中に入る機会が多くなり、川を渡る際には膝から、時には腰以上まで水に浸かることがあります。また、計4カ所の垂直(4m6m程度)のコンクリート堰堤をザイルロープで降りるなど、危険な場所があるため、ヘルメットやグリップの良い靴など、十分な装備が必要となります。

その他、近年地獄谷の烏谷入口から東側では、土砂崩れが発生しています。今後も土砂崩れの可能性があるため進入には十分気をつけてください。もし地獄谷に進入する際は、経験豊富なリーダーと同行するようにしてください。

また、「大山滝」を見学する場合は、琴浦町「一向平キャンプ場駐車場」から徒歩40分程度で、到着することが出来ます。

最後までご覧くださりありがとうございました。

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2016年06月08日国立公園・大山ユートピア登山道の動植物

大山隠岐国立公園 伊藤信広

ご訪問ありがとうございます。

201661日(水)にユートピア登山道巡視を行いました。

今年に入って大山山系の登山は、ちょうど15回目になりました。

高山での空気は、新鮮で毎回新しい発見に心がおどります。

大山夏山登山コースとユートピアコースを簡単に比較してみると大山夏山登山コースは6合目近くで樹林帯が終わり、視界が開けてきますが、一方のユートピア登山コースは多くが樹林帯の中を歩み、ようやく上宝珠あたりから視界が開けてきます。また夏山登山コースの直登登山と比べて、ユートピア登山コースはアップダウンも多少有り変化のあるアドベンチャーコースと言えます。それでは、ユートピアコースの動植物を紹介します。

この日、最初に出会ったのがゴジュウカラでした。

ゴジュウカラは、平地から山地にかけての落葉広葉樹林に生息し、木の幹に垂直にとまり、頭部を下にして幹を回りながら降りる姿はまさにアクロバット的と感じています。

アカモノ

高山などの岩場や道沿いの斜面など、日当たりの良い場所に群落を形成して生育しています。

花の姿は、ツガザクラに似ていますが、アカモノは葉が大きいのが特徴です。

葉の長さは1.53cm、茎の下部は地面を這い、5月から7月にかけ、白い小さな花を咲かせる。若枝には赤褐色の毛が多く見られます。

タニウツギと大山北壁

男性的な大山北壁とは対照的に、パステルピンクのタニウツギが優しく風に揺らいでいました。漢字では「谷空木」と書きます。そしてウツギという意味は中が中空であるということで、髄が大きく木部が少ないことによる。正確には中空ではなく、髄として軟らかいスポンジ状のものが詰まっている。

ダイセンクワガタ

ミヤマクワガタの仲間で鳥取県の大山の固有種です。

花が終わり、果実につく萼の形が兜の鍬形に似ることが名前の由来です。

高さ20cm程度で葉は対生し、長さ3cm程度の長楕円形で、縁に不揃いの鋸歯があるのが特徴です。

マイズルソウ

雲霧環境を好み、海に迫った降雨量の多い山では比較的低高度で見られる傾向がある。

ハート型の葉が印象的です。

孝霊山と美保湾

孝霊山は、その昔高麗山と呼ばれていました。

美保湾を形成する弓ヶ浜半島は、鳥取県西部の米子市と境港市に連なり弓浜(きゅうひん)半島ともいわれています。全長約17km、幅約4kmの日本有数の砂州で日本海(美保湾)と中海を分けています。
出雲風土記の国引き神話では島根半島を引き与せる綱として伝えられています。

ユートピア登山のコースタイムは、博労座駐車場から下宝珠登山口まで約30分。下宝珠登山口からゆっくり登ってユートピアまで約2時間で登り、合計約2時間30分。

下りは、来た道を戻り約2時間で博労座駐車場へ到着できます。

ユートピアでは7月下旬から8月上旬にかけてナンゴククガイソウ、シモツケソウ、コオニユリなどでユートピア一帯がお花畑で彩られます。

ユートピア登山道は急傾斜や尾根沿いの岩場を歩く箇所がありますので十分に気をつけて通過してください。また雨天の翌日は登山道が大変滑りやすいため、登山は控えるようにしてください。そしてご自身の体調、体力によっては大変過酷な登山になることがあるため注意してください。

大山の登山道の多くには、貴重な自然が残されています。

国立公園内では自然を大切にすることを心がけ、気持ちの良い登山と自然観察を楽しんでください。

最後までご覧くださり大変ありがとうございました。

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2016年05月10日【お知らせ】国立公園展がやってくる!

大山隠岐国立公園 大利茜

中国四国地方を巡回している「アクティブレンジャー国立公園展」を、

大山情報館にて開催いたします!

 

大山隠岐国立公園、瀬戸内海国立公園、足摺宇和海国立公園。

それぞれの国立公園でアクティブレンジャーが出会ったすばらしい自然や風景、

自然とふれあう人々や保全活動に取り組む人々の姿などを紹介します。

ぜひお立ち寄りください。

 

 写真展

 <昨年に開催した国立公園展の様子>

 

『中国四国の国立公園展-アクティブ・レンジャーが伝える自然と活動-』

会場 大山情報館 (鳥取県西伯郡大山町大山40-33)

期間 2016/5/21(土)~6/19(日)

時間 8:00~18:30

問合せ 米子自然環境事務所 0859-34-9331

チラシ(米子).pdf

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2016年05月09日宝仏山(ほうぶつさん)山開き

大山隠岐国立公園 米子 大利茜

鳥取県日野郡日野町に位置する宝仏山。

古くから信仰の対象となってきた山で、平成14年に大山隠岐国立公園に編入されました。

 

地元活動団体が、自然に近い形での登山道整備を進めており、

ブナ林やスギの人工林の中で素晴らしい森林浴が体験できるようにと、

定期的な手入れが続けられています。

 

そんな宝仏山で、4月29日(金祝日)に山開きが行われました。

 

神事

山開き神事の会場となった「日野町歴史民俗資料館」は、国の有形文化財に指定されています。

レトロで趣のある、立派な建物です。

山開き神事には30名程の方々が参加されました。

 

登山口登山道開始

資料館わきから登山道へと入ります。

 

針葉樹林花

 

ブナ林フジ

手入れされたスギやヒノキの針葉樹林からブナ中心の広葉樹林へ・・・

きれいなフジの花があちこちに。登山道にもポロポロと落ちていました。

 

根雨急登

だいぶ登ってきました。後半は、なが~く急な登りが続きます。

体力自慢の方にはおススメです!

 

巨岩頂上展望

ゴールの頂上はもうすぐです。

 

頂上景色

到着しました!頂上からの眺めです。

この日はあいにくの曇り空でしたが、それでも日本海の方まで眺めることが出来ましたよ。

 

記念写真1記念写真2

山開き後の登山で先に登頂された皆さん、ハイポーズ!

 

 

晴れていればさらなる絶景が広がる宝仏山の頂上。

ぜひ皆さんも、宝仏山登山にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

 

★おまけ★

下り

下りももちろん急坂がありますよ~

準備運動、整理運動やストレッチを入念にして、山歩きを楽しんでくださいね!

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2016年05月06日国立公園大山 今年も花の季節がやってきました!!

大山隠岐国立公園 伊藤信広

ご訪問ありがとうございます。

国立公園大山も徐々に裾野から高山に向けて新緑に包まれつつあります。

今年も花の季節がやってきました。5月の爽やかな風に触れながら、白い花、ピンク色の花、水色の花、黄色い花、紅色の花などオンパレードです。
それでは、52日(月)の巡視中に確認した大山の植物を紹介します!

くましで(くましで科)
落葉広葉樹の高木で、直立し、高さ15メートル、直径60センチに達する。初夏のたくさんの種子をつり下げた姿や、秋の紅葉(黄色)は美しく目立つ樹になります。

ねこのめそう(ゆきのした科)
花期は45月で山地の湿った場所に生息する多年草で茎先に淡い黄色の小さな花が集まってつきます。

みやまきけまん(けし科)
花期は4-7月で、茎の先に3-10cmの総状花序をつけ、多数の黄色い花を密につける。花の長さは20-23mmになる。 山地の日当たりのよい、林縁、道路法面、崩壊地、谷川の礫地などにふつうに生育する。「ミヤマ」と名前がつくが、深山に自生することは少ないと言われています。

いちりんそう(きつねのぼたん科)
花期は45月で花径45cmの五弁の白い清楚な花道端や林の中の半日陰の腐植分の多い場所に生える上向きに一輪だけ花をつける。白く可憐な野の花。

ゆきのした(ゆきのした科)

湿った半日陰地の岩場などに自生する常緑の多年草。古くから薬用として広く利用されていました。

7月頃に咲く白い花が楽しみです!

やまぶき(ばら科)
低山や丘陵地に普通に生える落葉の低木です。美しい山吹色の花が咲くので『万葉集』にも詠まれるなど、古くから観賞されている。太田道灌とやまぶきにまつわる美しい説話に心をうたれます。

いわかがみ(いわうめ科)
常緑多年草で深山の岩場などに自生し葉は卵円形で根生し、革質で光沢があり長い柄をもつ。高さ約20センチメートル 内外。あまりにも美しく登山の疲れも忘れてしまいそうです。

だいせんみつばつつじ(つつじ科)
落葉低木で暖温帯上部からブナ帯にかけて分布する。尾根などの高木が生育していない明るい場所に生育することが多いが、明るい落葉広葉樹林中にも見られます。

みやまかたばみ(かたばみ科)
深山の林中に生える。ハート形の小葉三枚が特徴で春,葉間から長い花柄を出し、径約2センチメートルの白色または微紅色の五弁花をつける。

やましゃくやく(ぼたん科)
写真中央、まだつぼみの状態です。山地や深山の林床に生える野生のシャクヤクです。
地下に大きな塊根をもち、春に発芽すると同時に、二叉に分かれた葉に包まれるようにつぼみを伸ばします。葉が開いたのち、白い5弁の花を1茎に1輪咲かせます。当地では絶滅危惧に指定され大変貴重な植物です。

さんかよう(めぎ科)
深山の林中にはえる多年草。全草に少し軟毛があり、茎はやや太く高さ3060cm、上方に幅1530cmの大型の葉を1枚、その上に形の似た小型葉を1枚つける。朝露に濡れるとガラスのように花が透きとおり清楚で美しい。

しょうじょうばかま(ゆり科)
ショウジョウバカマの名前は紅色の花を能楽で使う能装束の空想上の猩々(中国の伝説上の動物)赤い頭の毛と見立て、花の下の葉を袴と考えたものだと言われています。

だいせんひょうたんぼく(すいかずら科)
和名のダイセンは鳥取県の大山で見つかったことによります。
これも大変希少な
植物で、まだうぶ毛の残る若葉とともに白に近い淡黄色の花を咲かせます。

穏やかな陽のもとで、ときおり爽やかな春風に揺れる、だいせんひょうたんぼくを見ていると、誰がふりむこうとも、ふりむかまいとも、我は野にありてと言わんばかりに威風堂々としていました。

大山に登るたびに新しい花物語りに出会えるような気がしています。

新緑の大山に是非おこしください!!

最後までご覧くださりありがとうございました。

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