大山隠岐国立公園 隠岐
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2016年05月23日子どもパークレンジャー事業がはじまりました!
大山隠岐国立公園 隠岐 久永剛大
こんにちは!隠岐の久永です。今回は子どもパークレンジャー事業についてのご紹介です。
「子どもパークレンジャー」(通称JPR:Junior Park Ranger)は、自然保護の大切さや自然とのつきあい方、また生き物に対する思いやりの心など、豊かな人間性を育むことを目的として、環境省レンジャー(自然保護官)と一緒に国立公園などにおいて、自然観察や自然解説による自然環境学習などを小・中学生に体験してもらうプログラムです。
(詳しくはこちら→http://www.env.go.jp/kids/gokan/jpr/about/index.html#charaBox01)
今年度は全6回程度で海士町立海士小学校の3.4年生に総合的な学習の時間の中で行います。その第1回の様子についてお伝えします。第1回では海士・オシキ浜にて、磯の生き物を採集する自然観察会を行いました。天気は晴れ、海の水は泳ぐには少し冷たいくらいのとてもよい活動日和の中、子どもたちは元気よく活動していました。
オシキ浜の写真
まずは始まりのあいさつと注意事項を聞き、ライフジャケットを着用したら、、、
早速生き物採集スタートです!
協力してすばしっこいエビを追いかけています。
こちらでは「アメフラシ」をつかまえました!
(隠岐の一部地域ではべこと呼ばれ食用にされています!)
採集した後はちょっと珍しい生き物を見せあいっこしました。
第1回の活動はこれでおしまい。次回は採集した生き物について学習します。
また近々掲載予定ですのでお楽しみに!
読んでいただきありがとうございました。
2016年05月11日【環境教育】大満寺山登山
大山隠岐国立公園 隠岐 湯澤孝介
5月6日
有木小5年生と一緒に隠岐地域最高峰の大満寺山へ登ってきた様子を紹介します。
登山口。いざ出発!
植物の知られざる世界へようこそ!?
ー途中見かけた花をいくつかー
ギンリョウソウ
湿り気のある場所に生育する、腐生(ふせい)植物としてもしられています。
【腐生植物】とは、根に共生した菌類(菌根菌)から栄養を得て生育している植物です。
その姿形から、ユウレイタケとも言われています。
オオイワカガミ
亜高山性の植物ですが、隠岐では低地でもよく見かけます。
海岸線にも!?このお話はまた後日...。
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みなさんは「指定植物」という言葉を聞いたことがありますか?
国立公園の特別地域内において、許可なく採取されることが禁じられている
植物のことを「指定植物」と呼びます。上に紹介した2種も含まれています。
大山隠岐国立公園では、308種が指定植物となっています。
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野生のまま、生きている姿を楽しみましょう♪
こちらはシャガ
中国原産で、大昔に帰化したと言われています。
スギ(ウラスギ)
独特なスギの生長。
このスギの落ち込んだ幹の部分が地面に着くと、その部分が新しい株になる
「伏状更新(ふくじょうこうしん)」がウラスギの特徴で、雪の多い地域、特に日本海側で見られます。
このスギが牛に見えたそうなので、みんなでウシポーズ☆
そしてこちらは山頂の様子です。
みんな渾身のヤッホー!
山頂から見る地元の景色に興奮の様子。
半日で往復できるコースも多数ありますので、
是非みなさんも訪れてみてください♪
※この時期マムシが多く出てきますので、岩場(ガレ場)や沢沿いは十分注意してください。
ニホンマムシ
以前告知しました自然観察会、今月18日(水)まで受付中です!
ご応募お待ちしています♪
2016年05月01日油井の池 自然観察会
大山隠岐国立公園 隠岐 久永剛大
こんにちは!隠岐の久永です!あっという間に5月に入り、暖かい日が多くなってきました。
今年度も隠岐自然保護官事務所では自然とのふれあいイベントを企画しています!
今年度第1回目は隠岐の島町油井地区にある油井の池の自然観察会です!
日時:平成28年5月21日(土) 10:00から12:00まで(集合は9:40ごろ)
場所:油井の池園地駐車場
対象:一般(小学生以下は保護者同伴)
参加費:保険代として200円程度
特異的な成立過程を持ち、隠岐を代表するトンボの生息地でもある油井の池。
知っているようで知らなかった油井の池の自然に秘められたその姿とは...。
講師には、自然とヒトをつなぐインタープリターとして活躍される自然公園指導員の田中博さんをお招きしています。
ご応募お待ちしてます!
詳細は添付しているチラシ、申込用紙を参照ください。
その他お問い合わせは隠岐自然保護官事務所 湯澤まで!
2016年04月20日オキタンポポとセイヨウタンポポ
大山隠岐国立公園 隠岐 久永剛大
こんにちは!隠岐の久永です。今回はオキタンポポという隠岐固有のタンポポと近年になって隠岐に入ってきたセイヨウタンポポの違いについてです!
隠岐にはオキタンポポという固有の植物が生育しています。このオキタンポポは隠岐が本土とつながっていた時代に入ってきたと考えられています。
その後、海によって隔てられ、独自の形態や遺伝子をもった種へと進化したと考えられています。
しかし、近年外来のセイヨウタンポポが隠岐にも侵入してきました。
まず、考えられる影響としてセイヨウタンポポとオキタンポポの生育地の奪い合いがあります。この奪い合いは果たしてどちらに軍配が上がるのでしょうか。両者の特徴を見比べてみましょう。
ここでポイントとなるのは種子の数と花の大きさです。セイヨウタンポポは花の大きさだけでなく種子や綿毛の大きさも小さいです。タンポポは風に乗って種子を運びますが、種の数が多く、綿毛や種の大きさも小さいセイヨウタンポポの方がより遠くへたくさん運ぶことができます。
そのため、生育地の奪い合いはセイヨウタンポポの方が強いとされています。
セイヨウタンポポの影響は生育地の奪い合いだけではありません。オキタンポポと違い、セイヨウタンポポは受粉しなくても増えることができます。さらに、セイヨウタンポポの花粉がオキタンポポの花に運ばれると受粉し、雑種のタンポポができあがります。こうした雑種のタンポポにセイヨウタンポポの無性生殖の特徴と隠岐の気候に適した特徴が受け継がれた場合、雑種のタンポポが隠岐にはびこり、純粋なオキタンポポの遺伝子は減っていきます。
雑種のタンポポを見分けることは難しく効率的な駆除の方法も見つかっていません。
今回は少しネガティブな情報発信でしたが、環境保全に取り組む際にひとつの考え方があるときいたことがあります。
それは「楽観的悲観主義者」という考えで、これは環境問題に関して私たちは悲観主義者であるべきで、起こっている問題や、その解決の難しさをしっかり知らなければならない。そしてその上で「解決が困難なのは分かったけど、それでもできるかぎりのことをしよう」という楽観的な決意をしなければならないという考えです。
隠岐で起きている環境問題から目をそらすのではなく私たちと一緒にポジティブに取り組んで行きませんか?
2016年04月15日知夫里島の名垣
大山隠岐国立公園 隠岐 久永剛大
こんにちは!隠岐の久永です。今回は牧畑と知夫里島(島根県知夫村)の名垣をご紹介します。
牧畑とは平地のない地形とやせた土地の中でも島に住む人々が協力し、持続的に作物を作ることを目的に1970年頃まで行われてきた農法です。この牧畑では土地を石垣や木柵で区切り、放牧と畑作(アワ・ヒエ、大豆・小豆、麦)を4回転で行います。名垣はこの石垣の名残です。現在は放牧の牧の区切りとして利用されています。
↓名垣については以前にもふれております。
(http://chushikoku.env.go.jp/blog/2015/08/post-42.html)
名垣が残っている知夫里島の赤ハゲ山及び赤壁一帯の景観は西ノ島の国賀海岸と並んで国立公園を代表する景観でありますが、近年、高齢化などにより、石垣の管理が行き届かず、一部が崩壊しつつあります。
これを受け、今年度環境省事業では石垣の積み方の調査を行う予定です。
下見では過年度業務で積み直した箇所はとてもきれいに積み上がっていましたが、所々、冬場の強風などで積んである石が落ちている箇所も見られました。
今年度業務で少しでも積み方の工夫を整理することができるよう地域の方々と取り組んで参りたいという思いを強くしました。また業務の様子をご紹介したいと思います。
2016年04月15日【自然情報】自然回帰の森
大山隠岐国立公園 隠岐 湯澤孝介
みなさんこんにちは!隠岐の湯澤です。
さてさて突然ですが
隠岐には山を登る大きなトカゲがいるのを知っていますか??
それがこちら! ↓↓
全長26mもあるトカゲ岩です。
このトカゲ岩とその足場の岩山は、地下深くから上がってきた溶岩が噴出せずに冷え固まったもので、溶岩が上がってきた時点で周囲にあった外側の岩(火砕岩)が風化によって失われ、上がってきた溶岩の部分だけが岩山として取り残され、形成されたそうです。
自然の造形ははほんとにすごい、、、。
このトカゲ岩は、国立公園内にある「自然回帰の森」の中に位置しています。
自然回帰の森には、大満寺山、鷲ヶ峰、葛尾山といった山々が連なり、自然散策が楽しめます。
ウラジロガシを中心とする広葉樹林やスギの巨木がある天然林をはじめ、樹齢約800年、長いもので2.6mの気根がある乳房杉(ちちすぎ)などが見られますので是非お出かけください!
岩倉の乳房杉↓↓
―おわりにー
傘は傘でも...破れ傘?
(左)芽吹き始め (右)傘を開くと...
ヤブレガサ
芽吹き始めが、やぶれた傘をすぼめたような姿からこの名となったそうです。
2016年04月11日【イベント報告】隠岐・西ノ島ビーチクリーンフェス2016
大山隠岐国立公園 隠岐 湯澤孝介
みなさま、はじめまして!
4月より大山隠岐国立公園隠岐地区のアクティブ・レンジャーとなりました湯澤です。
これから隠岐で出会う自然あふれる国立公園、紡がれてきた歴史文化、そして愉快な隠岐の方々の姿を
みなさまと共有していければ、と思います!
早速のリポートを...
10日に西ノ島で行われた(一社)西ノ島町観光協会が主催するイベント「隠岐・西ノ島ビーチクリーンフェス2016」に参加してきました。
イベントが行われたのは、島前(どうぜん)に位置する国賀海岸。
国立公園内にある絶景スポットのひとつでもあります。
会場はこちら! ↓↓
こちらは通天橋 ↓↓
自然の造形はすごいですね。
あれ、しかしよく見ると...
海岸にゴミがたくさん漂着しているぞ、、、
この漂着ゴミ問題は、隠岐をはじめ海岸線の地域では相当苦難されている問題なのです。
よく耳にはしても海岸の漂着ゴミを目にする機会がありませんでしたが、今回現場を見ることができたのは
良い経験でした。
しかし今日は、、、
そんな暗い話題を吹き飛ばす若いパワーがたくさん!
島前高校のみなさんも元気に参加していました!
まだまだほんの一部...。日本のものも、海外のものも、、、
終了後はワークショップを行い、漂着ゴミに関する問題を根っこの部分から考えました。
細かくなったゴミはどうなる?
大きなゴミの回収も大変ですが、細かくなってしまったゴミを回収するのはとても難しいですね...。
漂着ゴミの対策としては、
・ゴミを出さないこと
・ゴミを減らしていくこと
の両輪が必要です。
ゴミを片付けることはとても大変です。
ですが、ごみを少なくし、正しく分別して処理することは難しいことではないはず...。
生きものや景観への影響、ヒトのマナーやモラル...
隠岐の自然、はたまた隠岐だけではなく地元の自然、美しい景観を保つには、
私たちひとりひとりの「意識」が大切ですね。
ーおわりにー
観音岩に灯...りそうな夕陽(別名ロウソク岩)
もう少しでロウソクに火が灯る...! あとちょっと右!
でもきれいです...。
2016年04月11日西ノ島へ行ってきました!
大山隠岐国立公園 久永剛大
こんにちは!隠岐の久永です。今回は島根県西ノ島の摩天崖から国賀浜までの遊歩道へ行ってきたときの様子をお伝えします。
摩天崖とは高さが257mもある断崖絶壁のことで、このような断崖絶壁は長年の波や風によって形成されました。現地で見るととても迫力のある景色です。
この摩天崖の上は牛や馬の放牧地になっています。近づきすぎてストレスを与えないよう気を付けましょう。
このような牧歌的な景観とダイナミックな海蝕景観があわせて見られるのが隠岐の魅力のひとつです。
その他、現地調査で見られた花をいくつかご紹介します。
左上:オキタンポポ、 右上:ナガバモミジイチゴ
左下:ムラサキケマン?、 右下:タチツボスミレ?
2016年04月07日新体制になりました!
大山隠岐国立公園 久永剛大
隠岐自然保護官事務所の久永です!
4月から隠岐自然保護官事務所は水落さんという新しいレンジャーに変わり、湯澤さんというアクティブレンジャーが増え、合計3人の新体制となりました!隠岐自然保護官事務所は水落さんで2代目のレンジャーさんになります。まだまだ歴史の浅い事務所なので地域の皆さまに支えられながら頑張って参ります!
早速、今年度施設を整備する浄土ヶ浦の現地調査に行ってきました。腕を組んでパシャリ。
左がレンジャーの水落さん、右がアクティブレンジャーの湯澤さんです。
浄土ヶ浦は国立公園の特別保護地区や国の名勝にも指定されているほか、豊かな藻場が形成されているため海域公園地区にも指定されています。春は海がとてもきれいみえます。是非お出かけください。
こんにちは、隠岐の湯澤です。
5月21日(土)に、
今年度第1回目の自然観察会を「油井の池」で開催しました。
天気は快晴!
映える新緑!
そして満員の参加者での開催となりました!
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油井の池の観察コースは、ほとんどが平坦な道となっているため、子どもからご年配の方まで、
ゆっくり自然を感じながら回ることができます★
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今回油井の池を案内していただいたのは、自然公園指導員の田中博さん。
生きものや地史など、自然が持つさまざまなメッセージをわかりやすく、
そして楽しく伝えていただきました。
身近な植物の初耳なお話や
油井の池ってどうやってできたの?
ほお!だから油井っていうのか!?
などなど地元の自然の新発見や再発見になったと、声をいただきました。
身近な自然の楽しみ方が知れるって嬉しくなりますね!
今回訪れた油井の池、トンボがとても多く観察できるのですが...
その数は30種を優に超え、なんと島根県のおよそ3割の種類のトンボが生息しているのです。
そんなにたくさんいるとは...。
観察会中に観られました↓↓
オオイトトンボ 成虫♂ でしょうか☺
少しずつトンボが出始めていますね♪
しかししかし、なぜ油井の池はそんなにもトンボが多いのでしょうか???
うーむ...
このお話はまた近々...
今回の観察会では、多くの方に「知らなかったことを知れた!」と伝えていただきました。
自然のこと、はたまた生活のことや食べ物のこと!?...などなど、いろいろなことの
身近な「なんでだろう? なんだろう?」のアンテナを張ると新しい発見が増えるかも知れませんね♪
参加者のみなさま、お疲れ様でした!