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アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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大山隠岐国立公園 松江

150件の記事があります。

2010年09月08日ウスイロヒョウモンモドキ保全会議

大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和

ウスイロヒョウモンモドキと言う蝶がいます。
これは環境省のレッドデータブックで最も絶滅の恐れが高い、絶滅危惧種Ⅰ種に挙げられている蝶です。
この蝶が国立公園の三瓶山に住んでいます。
それがここ10~20年でめっきり数を減らしていました。
この蝶を守り育てようと、地元団体、行政などの連帯で保全活動が進められてきました。

ところが懸命の保全活動にも係わらず、ついに今年 ウスイロヒョウモンモドキを見る事はできませんでした。
とても厳しい状況です。
今回これまでの経過報告と今後の対応について、9月6日に会議がおこなわれました。


テレビ局、新聞社が取材に来て注目の度合いがうかがわれます


大学教授、地元の自然を守る会、地元NPO、自然情報センター、農業研究センター、島根県、大田市(地元市)、森林管理署、地元畜産農家さん、地元リフト経営者、我々レンジャーと多様な顔触れが参加しています。
これはいつものウスイロヒョウモンモドキの会議でも同様です。
ここ三瓶では多くの団体や人々が協力し合って保全活動を行ってきました。
今回長年尽力されてきた地元の参加者が思いを話をされ、一同胸を打たれる場面もありました。

ここには世界トップクラスの研究情報や経験があります。
またチョウの住む場所作りが大切だという観点から、草刈などの草原保全、蝶の餌となる植物を植える活動を進めてきました。
この活動には地元の小学校の児童も参加しています。
今後もこの活動は続けていこうと言う事を確認しました。
もちろん生息調査も続けます。

また現在日本に残っているわずかな生息ポイントどうしの連絡、連携、交流が必要ではないか、と言った認識が広まりました。  
そして三瓶のウスイロヒョウモンモドキから、日本のウスイロヒョウモンモドキとしての保全活動という視野が必要なのではないか、と言った認識が広まりました。

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生物多様性ホームページ http://www.biodic.go.jp/biodiversity/
COP10支援実行委員会  http://www.cop10.jp/aichi-nagoya/

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2010年09月07日シンポジューム 「森と海のつながり」

大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和

今年は「生物多様性年」。そして日本では10月に国際会議「COP10」が開催されます。
環境省ではそれに関連した催しを各地で開催しています。
9月4日にはここ島根県松江市でシンポジュームが開催されました。
「森と海のつながり」~流域から生物多様性を考える~ です。

皆さんは海の漁場を回復させるため上流の森を育てる、と言う事をご存じでしょう。
この様に森も田畑も町も海も全ては繋がって係わりあっています。
そして人々の暮らしも自然と深く係わりあっています。
ですから今回のシンポジュームでは自然生態系からのアプローチだけでなく、
山里などの地域おこしのアプローチからの事例の発表もありました。
取り組みを経済活動にどう乗せていくかという発表もありました。
参加した方々からもディスカッションで多くの貴重な意見が出されました。


講演者の興味深いお話 参加者からの貴重な意見が活発に出されました

プログラム概要は次の様なものでした。

全体の基調講演(問題提起)
その後、
3つのテーマに分かれて意見交換会
 テーマ1「減流域における持続可能な地域づくりの取り組み」
 テーマ2「森林域・里地里山における生物多様保全に向けた取り組み」
 テーマ3「海における取り組み」
その後、
全大会(ディスカッション)


部屋を分けテーマ別に意見交換会がおこなわれました

世界が協調して生物多様性に取り組む事が重要なのと同様に、地域で多様性に取り組むこともまた非常に重要です。
そしてそれは、そこに住む私たち一人一人が取り組む課題でもあると感じた1日でした。

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2010年09月02日松枯れ

大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和

9月に入りましたが「本当に9月?」と言いたいくらい厳しい残暑が続いています。
1日 松江では9月としては観測記録史上もっとも暑い気温を記録しました。
よりによってそんな日に国立公園の巡視に行ってきました。
今回は島根半島を見回ってきました。

その巡視のなかで唖然とする光景を目にしました。
一瞬「紅葉か?」と錯覚するくらいですが、
猛暑日に見れるはずはありません。
これ 松くい虫によって枯れている松です。

紅葉しない松が・・・

ここ島根半島は松くい虫の深刻な被害に見舞われています。
周りにはもう既に骨になった松が乱立している山もあります。
海には大量の倒木が流れ込み、海岸では通常ないほどの倒木が打ち上げられています。
大量の枯れ木が倒れれば山の中でも幾つか問題が起こるでしょう。
この松枯れに対して、決定的な解決策が無いのが実情です。

これは他の自然や環境に関する多くの問題も同じことが言えると思います。
壊してしまう事は簡単です。
しかしそれを修復する事は非常に難しい事です。


対岸から見るとその規模に驚きます


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2010年08月04日美しい海岸のために

大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和


「なんなのでしょう、この暑さ。」
皆さんの地域はいかがですか。
ここ松江は梅雨が明けて以来、連日連夜暑い日が続いています。
私の家では窓と言う窓すべて開け放っていますが、ガレージにいるような暑さです。

そんな暑く晴天に恵まれた日に、国立公園の島根半島西部地区「日御碕」(ひのみさき)に行ってきました。


日御碕は入り組んだ地形の美しい景勝地です


6月4日の日記にも書きましたが、国立公園を皆さんに気持ちよく利用していただくために、業者に委託して清掃をおこなっています。
今回は何処を清掃していただくか、具体的な場所を選定する為に現地を調査してきました。

今海岸では「漂着ゴミ」が大きな問題になっています。
ここ日御碕は、入り組んだ海岸線が美しい景観を作りあげているのですが、
漂着ゴミがその美しさをだいなしにしています。
そこでここでは、海岸の漂着ゴミ回収を清掃事業とする事になったのです。

道路から見える海岸を一つ一つ確認していきます。
車を降りるたびに汗が噴き出る暑さと日差し。
目の前の綺麗な海に飛び込みたい気持ちです。
ですが場所によってはこれでもかと言うくらい、ゴミ溜めと化している所もあります。
悲しくなります。



また地元の方のご協力で船から海岸を確認もしました。

漂着ゴミが溜まっている所は多数。やれるところはほんの一部。
何処をやるのが一番良いか。
地形などにより作業が困難な場所もあります。
なかなか条件がそろう場所を探すのは難しいのです。


青い海と美しい景観にも我々が出した“汚物”は容赦ありません


海は世界中と繋がっています。
漂着ゴミの問題を解決するには、ゴミ処理の問題、自然に還りにくい人工物があふれている現実、人間の意識などなどが改められないと解決しないでしょう。
そう考えると漂着ゴミは、実は根の深い問題です。
漂着ゴミは私たちに地球環境の根本的問題を投げかけます。
そんな大きな問題となると、私たちは手に負えない無関係な話と片付けてしまいがちです。
それでも人間社会を構成しているのは、私たち一人一人であることは間違えありません。
私たち一人一人の心がけや行動が、世界が変わる事と無縁ではないのです。
以前よりもポイ捨てのマナーが良くなり、ゴミも減ったのですから。

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2010年07月15日室の内

大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和

梅雨の後半。西日本では集中豪雨による災害も起きているようです。
21世紀の文明をもってしても、災害をなくすことはできないのですね。
くれぐれもご注意いただきたいと思います。

さてこの梅雨時期、国立公園三瓶山へ調査・巡視に行ってきました。
三瓶山の地形は山がぐるっと周囲を囲み、中央が釜のように凹んでいます。
ちょうどカルデラの様な地形です。(カルデラであるという説もあります。)

その釜の中を「室の内」と呼びます。
ここは国立公園の中でも特別保護地区に指定されています。
特別保護地区とはそこに生きる動植物すべての生き物、だけでなく石や土までも許可なしに採ることはできない、特に厳重に自然を保護している地区です。


やはり梅雨と言えばアジサイですね
野生のものは派手ではありませんがやさしいです


三瓶山東の原からはリフトがあり、手軽に山(釜の縁)に登る事ができ、そこからは室の内が一望できます。(もちろん登山道もあります。)
そしてそこから釜の斜面を下っていけます。
花畑でもないのにまわりからはブーンという虫たちの羽音が聞こえてきます。
クリの花の香りが立ち込めます。
虫たちは木の花の蜜を吸いに来ているのでしょうか。
ここには広葉樹の豊かな森が広がっています。

ですがこの豊かな森にも魔の手が伸びています。
全国的に大きな問題になっている、ナラ枯れの被害が起き始めているのです。
ナラ枯れの要因は里山林の手入れの放棄・酸性雨・温暖化などとも言われています。
いずれにしても人間の活動が影響を及ぼしているようです。

坂を下り切って 釜の底 を少し歩いた先に、ありました。「室の内池」です。
山に囲まれ下界から離れた森の釜の底に、池まで用意されているなんて、なかなかじゃないですか?



室の内池にはリフト終点から30分弱ほどです。
本格的登山をしないで豊かな森を楽しむ事が出来ます。
ちょっと心が疲れた方。一度森を歩かれてはいかがですか?
でも自然はわずかな力でもダメージを受けてしまうものです。
極力森に負担のかからないよう、やさしい気持ちで豊かな森の中に入ってみてください。





日本のいのち、つないでいこう!【COP10まで95日前】
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2010年06月30日姫逃池草刈隊!

大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和

国立公園三瓶山のふもとにある三瓶自然館そばには、
姫逃池(ひめのがいけ)と言う、なにやら云われがありそうな池があります。
その池には県の天然記念物にも指定されている、カキツバタの群落があります。

ところが渇水やススキ等の繁茂により、池が消滅する恐れがでました。
姫逃池を復活させようと近年多くの方々の努力により、池の環境は回復に向かっています。


ここでは5月下旬から6月にかけて美しい姿が見られます。来年はぜひ見に来てみてください。
【写真提供:さんべ自然館サヒメル】


今回6月27日(日)はその回復の為の活動の一つである、池の草刈作業がボランティアの皆さんの手で行われました。
時おり雨が降る梅雨らしい天気の中、カキツバタそして姫逃池を復活させようと、老若男女たくさんの人達がこの作業に参加してくれました。

池を取り囲む草むらにはカキツバタや雑草・ショウブなどが混在しています。
カキツバタや貴重な植物を残してショウブや他の草を刈ります。
「ショウブも刈るの?」
ショウブも刈ります。(根から掘って抜きます。)
ここのショウブは人が持ち込んだ物のようです。
ショウブは太い根を地に張り巡らせて勢力を広げています。
美しいショウブもこの池の生態系のバランスを変えてしまうのです。


草刈、草運び、ショウブ堀、カキツバタ移植、池内の水草抜きと皆さんそれぞれに一生懸命です
「ショウブはお風呂にお持ち帰りください」ショウブを抜いていてもいい香りがします


しかしショウブの葉とカキツバタの葉は一見似ています。
カキツバタが多い場所ではこの草刈はなかなか難しい作業です。
「あ、・・・」 私も何度かやってしまいました。
ごめんなさい。


人子供たちもよくお手伝いしてくれました「みんな ありがとう!」 


池の周りだけでなく池の中でも腰までつかって草取りがおこなわれました。
美しく咲く睡蓮も抜きます。
これも人が持ち込んだ物なのです。
睡蓮は池の中で勢力を広げています。
太い根っ子が張り巡らされ、かなり手ごわいやっかい者です。




池の周りの草刈がもう一息という頃、雨が強くなってきました。
さすがに作業は続けられず、ここで終了。
それでも皆さんのおかげで池はすっきりとしました。
これでカキツバタも姫逃池もまたひとつ元気さを取り戻してくれそうです。

作業が終わりひじょ~なかゆみが。
見ればブヨに刺されて腕が変形してしまいました。
イ~ヤ、なんのこれしき。
皆さん本当にお疲れさまでした。
更なる美しい姫逃池が回復するように、ブヨにも負けずこれからもこの活動を続けていきましょう。

作業後はおにぎりや暖かい豚汁がふるまわれました。
外はどしゃ降りとなりましたが、この心遣いに心があたたまりました。


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2010年06月15日ウスイロヒョウモンモドキ保護活動作戦!

大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和

全国各地一気に梅雨入りしましたね。
ここ島根県も今日は雨模様ですが、梅雨入り前の最後の日(土曜日)、
ウスイロヒョウモンモドキの飼育ゲージの設営をお手伝いしに、三瓶山に行ってきました。

ウスイロヒョウモンモドキとは?
これは三瓶山を代表する蝶で、国の絶滅危惧I類(絶滅の危機に瀕している種)に指定さている貴重な蝶です。

そのウスイロヒョウモンモドキを保護しようと、地元有志の方々・大学・行政の方々などが連携を取って活動を続けています。
毎年島根大学の星川先生が幼虫たちをわが子のように大事に育てられ、それを野外に放虫していましたが、
昨年幾つかの要因が重なって、蝶になれた者がとても少なかったのです。
存続が危ぶまれる状況です。

そこで今年はできるだけ数多く蝶になってもらうため、野外にゲージを設けて成長を助けようという作戦です。

この日は暑かった~。
皆汗びっしょりになって資材を担ぎ上げました。
「これはしんどい。これから設営なのに・・・」
ですが山の斜面で作業を始めると、そこには涼しい風が。
私たちに恵みの風です。


「オミナエシ」がしっかり根付いていました

地面には以前皆さんが植えた、「オミナエシ」など(ウスイロヒョウモンモドキにとって大切な草)がたくさん生えてきてくれていて、踏まないように作業するのが大変。

素人たちの設営ですが皆さんが力を合わせ骨組みを完成する事ができました。




野生の生き物たちは、微妙なバランスの係わりの中で、かろうじて生き続けています。
わずかな何らかの要因によって、絶滅することもあります。
どうか皆さん、かけがえのない大切な命たちを見守ってください。


本物のウスイロヒョウモンモドキをぜひ見たいものです

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2010年06月04日島根半島(東部)

大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和

先日まで松江は朝晩肌寒い日すらありました。
ですが6月に合わせたかのように暑くなってまいりました。

今回(6月3日)は国立公園 島根半島の東部に行ってきました。
今日は一段と暑くて汗をかきかき歩いてきましたよ。

環境省では国立公園を皆さんに気持ちよく利用していただくために、業者に委託して清掃をおこなっています。
今回の業務は、その委託業務に当たっての現地調査がひとつ。
今年度中国四国地区のアクティブレンジャーは、定点観測というものを行います。
その場所の選定がひとつ。
そして私 島根半島東部は初体験ですので、状況確認・巡視なども含めて行ってまいりました。

「ゲゲゲ」発祥の地?「境港市」の対岸、橋を渡って長く尖った半島の先端に向かうと美保関があります。
その玄関口に「五本松公園」はあります。
5月にはツツジが咲き誇るこの公園は、海岸から高台に登る自然公園です。
登る道すがらには草木の名前と説明の書いた手作りの札が付いていて、なかなかおもしろい。
それを読んでちょっと木の勉強してしまいました。

高台にたどり着くとそこには、森と入り江の町と日本海、そして大山を望む景色が広がっていました。

広場には大き目の東屋もあり、この景色を眺めながらのんびり過ごす事もできますよ。


広場は小さな花たちが咲き広がっていました


またその先にも遊歩道があり、美保関先端の「地蔵崎」まで続いています。
ちょうどその地蔵崎から歩いてこられたご夫婦から、美保関や大山の事、色々と伺いました。
これからはササユリ(ヤマユリ)などなどが見られるそうです。
大切な公園内の花。皆で見守っていきましょう。


緑のトンネルを歩く遊歩道  暑い日差しをやさしくしてくれます
今年初めて蝉の鳴き声を聞きました


美保関の岬「地蔵崎」。
ここは昔から航海の重要な目印・場所。
鳥居の先に祭られているのは“海”でした。
真っ青に広がる日本海と生茂る緑、そして白い灯台。
空気の澄んだ日にははるか隠岐の島が見えるそうです。


明治31年築の灯台は「世界灯台100選」に選ばれています
石造りのビュフェも隣接されています(今日は閉まっていましたが)


島根半島の入り組んだ地形と美しい海。
一見の価値ありです。
晴れた日には是非!

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2010年05月18日クリーン三瓶

大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和

こんにちは。新緑がまぶしい季節になってきましたね。

さて先日(16日)日曜日、島根県中部にあります国立公園 三瓶山(さんべさん)におきまして「クリーン三瓶」が開催されました。
これは美しい三瓶山の自然を維持する為に、皆でゴミ拾いをおこなう催しです。
私たち国立公園レンジャーも参加してきました。

昨年はけっこうな雨降りだったとの事ですが、今年は最高の青空に恵まれ、沢山の人達が参加されました。
この催し毎年おこなわれていて、今年でなんと31回目!
これも地元の方々の三瓶山を愛する現れでしょう。


それぞれの場所に移動してクリーン大作戦スタート!

われらレンジャーは山頂をめざすコース(登山道のゴミ拾い)へ、いざ出陣!
ですが登山道はゴミが全くありませんでした。
これも日頃清掃活動をしてくださっているボランティアの方々、そして三瓶山を訪れる方々1人1人の心がけの賜物でしょう。

この日は初夏を思わせるほどの陽気となりました。
防寒対策をしっかりしてきた私は衣類でパンパンになったリックを背負って大汗です。

中腹までは歩きやすく、豊かな新緑の森の中を歩きます。
緑と木漏れ日がやさしいです。
終盤は見通しの良い急こう配。胸突き八丁です。その分展望はなかなかです。

そしてがんばって登ってきた私たちを、小さな花たちが迎えてくれました。


ちょこんと咲くリンドウ

山頂にはキンポウゲの花がそこここに咲き散らばっていました

これらの草花はちょっとしたダメージで、消滅してしまうか弱いものです。
この先もずっとずっと豊かな自然を後世に残していきたいものです。


ついに三瓶山(男三瓶山)山頂に到着。
展望はパノラマ。「い~眺めだ~!」



この日消防隊の救援ヘリが飛びました。
下山途中に登山道で怪我をされ、歩けなくなった方がいらっしゃったのです。
険しい山道の為、なかなか運ぶ事も出来ない状態です。
ヘリで救助する事もままならないようです。
消防隊の方々が担架を背負って救援に向かいます。
これから登り本番だというのに既に汗びっしょりです。

皆さん。自然は危険な面も常に潜んでいます。
普段の生活圏とは全く違います。
小さな怪我でも動けなくなる場合もあります。
自然の厳しさをしっかりと心に留め、十二分に注意して安全第一で野外活動をおこなってください。

それでは皆さん。余裕のある計画で、新緑の日本の自然を感じてみてください。

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2010年04月07日宍道湖渡り鳥状況調査 4月6日   ~はじめまして~

大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和

 はじめまして。
島根県は松江事務所のアクティブレンジャーとなりました太田です。
 出身は映画「おくりびと」や「たそがれ清兵衛」などの舞台となり、にわかに有名になった?山形県は庄内地方です。
 私が山陰の地に来たのも何かの縁。
今このレンジャー日誌を見てくださっている皆さんとも何かの縁…かと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いします。

 さて勤務4日目の新人の仕事は渡り鳥の調査でした。
松江といえば宍道湖(しんじこ)。
調査は宍道湖の冬の渡り鳥など(水鳥)どんな鳥がどれくらいいるか、また周辺を含め小白鳥・マガンなどの数を調べる調査です。
 もっとも私が調査に行ったと言っても、米子事務所の先輩アクティブレンジャーさんについて行った、といったところですが・・・。
 観測場所の鳥ヶ崎は春の風ではありましたが強風。
望遠鏡(フィールドスコープ)や双眼鏡を覗いてもぶれてしまいます。 
私には何の鳥なのかほとんど判別できません。
 先輩のアクティブレンジャーさんは瞬時に水鳥の種類を識別して100羽ほどいる鳥の数を素早く数えていきます。 
私はその数をふっ飛ばされそうな記録用紙に記録するだけでした・・・。
 ということでついて行くのがやっと、精神的余裕もなかった今回は写真は撮れませんでした。
 
 その代わりと言っては何ですが、松江城の桜が咲きましたのでごらんください。



私が初めて松江市をうかがった3月末には、当たりの山々が薄ら雪化粧するほどの寒さ。
その後も雨の日が多く寒い日が続いていました。
 ですが4月に入り私を歓迎するかのように?晴れの暖かい日が続き、足踏みしていたつぼみが一気に開花しました。


 この陽気に誘われて私も週末には初めて松江城にふらふらと。
その時撮った写真をご覧いただき、次回こうご期待ということで、今回は終了とさせていただきます。



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