ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

足摺宇和海国立公園 土佐清水

298件の記事があります。

2018年03月07日【イベント報告】君もなれるか!?レンジャー修行in須ノ川

足摺宇和海国立公園 土佐清水 谷吉萌

遅咲きのツバキと早咲きの桜で、ちょっと華やかな土佐清水からこんにちは!

ぽかぽかのほほん、過ごしやすい季節になってきましたね。

さて、2月24日の土曜日に、愛媛県愛南町の須ノ川公園で

イベントを行いましたので、その報告をします。

(諸事情で告知ができていませんでした、すみません)

うららかな春の陽気の中で行うのは・・「レンジャー修行」!

自然を守りながら活かす、国立公園の「レンジャー」を目指すべく、

体力やアウトドアスキルを磨くとともに、物事を見る『目』を養います!

挨拶を終えたらすぐさまチーム分け。

2チームに分かれて早速「テント立て」!

 

苦戦するかな、と思いきや、片方のチームが全く同じテントを持っていたため、

ものの10分で設営完了。僅差で、もう一方も設営し、どちらも好タイムでした。

お次は「火起こし」。

体力とリズム感、なにより根気が試されます。

難易度別の道具を用意しました。難易度「激難」は火打ち石!

石自体は、須ノ川の近く「火打」という集落からとれる、モノホンの火打ち石です。

しかし、火花を飛ばせどなかなかつかず・・、火口がティッシュでは不可能でした。

早々に切り替え、難易度「難」のマイギリ式火起こし器!

こちらは、昔式火起こし体験などでもよく使うもの。

しかし、みんな初めて使うので、ほんとにつくの~?と疑心暗鬼。

刻々と時間が過ぎ、開き始める子もちらほら・・・

そして、30分近い挑戦の末、見事BBQセットで火おこしに成功!

 

ご褒美の焼きマシュマロが、疲れた腕に効きます。

少しの休憩を挟んで本日のメイン「レンジャー特訓」。

使うのは、この「修行目録」と「マップ」です。

1チームが公園中のポイントを探して歩き回り、

もう1チームは本日の講師、須ノ川出身、植物・鳥・昆虫と何でも詳しい

「はしごえハカセ(橋越清一氏)」から、野鳥観察や植物観察の極意を学びます。

公園中にちりばめられたポイントは、

須ノ川や愛南町の自然について知ってもらう内容です。

たとえば、マップのヒントをもとに歩いていると、オニヒトデの標本が出現!

サンゴを食べるこのオニヒトデ、実は、須ノ川からほど近い

「塩子島」という場所で大量発生しているんです!

シュノーケリングスポットの須ノ川もその脅威にさらされていますが、

地元のダイバーさんたちが懸命に駆除していることを知ってもらえました。

 

他にも、冬の植物のファニーフェイスや面白ポーズ探し、

ヒトツバという植物の葉先が分裂した個体探しなど、

自分で自然の中の「面白ポイント」をさがす目が養われていきます。

一方、はしごえハカセとともに行動するチームは、

双眼鏡や望遠鏡の使い方から教えてもらいます。

 

倍率に比例する価格で、なかなか手が出せない高性能の望遠鏡や双眼鏡。

のぞき込むと、池の端で休む鳥の羽先まで観察できます。

さらに面白いのが、

双眼鏡をひっくり返すと、ルーペ代わりになる、ということ!

ちかくの植物の表面を観察していくと

チェックポイントになっている「葉っぱの星」が!

グミの葉に特徴的な星状毛も、ルーペいらずで観察できます。


30分交代でチームが入れ替わり、テントゾーンに戻ってくると、途中経過の集計。

どちらも時間が足りず、チェックポイントを逃したりしましたが、

この時点では2点差、かなりいい勝負です。

勝敗を決めるのは、『大相撲 須ノ川場所』!

カタバミの軸(維管束)を使って、3人1組での対抗星取り合戦です。

 

先鋒、中堅と続いて、結果は1ポイントずつ。

勝負を面白くするために、大将戦は2ポイント。

はっけよーい・・・のこったのこった!

結果は、2ポイントリードしていたチームの勝ち越し勝利となりました。

天気に恵まれ、けがもなく無事終えた今回のイベント。

車で通り過ぎていた場所に、たくさんの宝物があることに気がつきました。

参加者の男の子が、イベント中に何気なく視線を向けて見つけたのが、こちら↑。

枝に擬態した蛾ですが、今までなら通り過ぎてしまっていたかも。

これは「須ノ川レンジャー」を名乗れるくらい、「目」が養われた証拠ですね。

少ない参加者数でしたが、全員から☆5つ(満点)の高評価もいただきました!

今後も、足摺宇和海国立公園内で、まだまだ掘り起こせていない魅力を求め、

こういったイベントを企画していきますので、こうご期待です!

ページ先頭へ↑

2018年02月13日【三崎小学校環境学習(特別編)】こどもガイド!本番

足摺宇和海国立公園 土佐清水 谷吉萌

三寒四温、春の気配を感じ始めた土佐清水よりこんにちは!

今回は、5・6年生とともに2年に渡って行っている環境学習の、

学習成果の集大成である「子どもガイド」の本番の様子を報告します!

決戦の日は朝から曇天。そして連日の寒波。

天に見放された・・・かと思いきや!

昼には一転、青空が広がる最高のガイド日和となりました。

青空と同じ色のはっぴを着ているのは、三崎小学校6年生。総勢11名。

泣いても笑っても、今日が最初で最後の本番です。

お客さんは約30人。

新聞や市の広報を見て来てくれた人や、6年生の保護者の皆さんです。

 

最初の挨拶で、しっかりみなさんと顔を合わせたら、早速ガイドスタート!

レスト竜串から海底館に向かう途中、

海とグラスボートが見えたら環境学習での経験を活かして、

サンゴの話や奇岩の話が始まります。

 

砂岩に実際に触ってもらったり、クイズをだしたり。

生痕化石のわかりやす~い説明には、大人も感心するほど!

道中、海を挟んで見える半島の紹介も忘れず、

「見残し」という地名の由来から弘法大師や河田小竜、ジョン万次郎の話へと

どんどん話を膨らませる手腕は、お見事!

 

国立公園や国定公園の話に触れるときは、

「国立公園は日本にいくつあるか知ってますか?」

「『35億!』・・・じゃなくて34カ所です」

と、お笑い要素も挟んでくる芸達者ぶり。

話で楽しませつつ、海底館へと誘うと

天候と海況に恵まれた今回は、透視度18mとベストコンディション。

 

参加者のみなさんも、童心に返り、丸い窓から海中を無心に眺めます。

ここでも、知っている魚の名前を教えたりと、そつのないガイドたち。

海中を楽しんだ後は、海を支える山と川のお話で引き締めます。

 

どちらも、当たり前のように三崎にあるけれど、大切な物。

そして、海・山・川のすべてが繋がっていることを、

三崎で生きてきた11歳・12歳の子どもたちが教えてくれました。

レスト竜串に戻り、参加してくださった方々に終わりの挨拶をすると、

暖かい拍手と、賞賛のコメントが。

みんなの努力や工夫が感じられたからこそ、心から褒めたくなるガイドで、

今回の子どもガイドで小学6年生の無限のポテンシャルを目の当たりにしました。

始まる前は緊張していた子たちの顔にも、心からの笑顔。

進学や就職で、いずれ三崎から出ること必至の11名ですが、

この子どもガイドの経験が、大人になっても記憶に残る物であれば幸いです。

ページ先頭へ↑

2018年02月09日【三崎小環境学習⑥】間伐体験!

足摺宇和海国立公園 谷吉萌

この冬一番の冷えこみということで、土佐清水でも雪が舞い、

山も一部で雪化粧が見られる一週間でした。

そんな中、三崎小5年生が向かったのは、土佐清水で一番高い今ノ山の山腹。

今回は、山の恵みと脅威を学ぶべく、間伐体験にやってきました。

前回グラスボート&ジオ学習で、山からやってくる栄養が海の生き物を育む一方で、

土砂災害など大きな被害をもたらすこともあることを学びました。

この学習で、山の現状と、それに対する人々の取り組みについて、知ってもらいます。

今日の講師は、土佐清水市森林組合の山下林栄組合長と、若手精鋭3名。

また、今回の現場は国有林ということもあり、

森林管理署の森林官、別名フォレストレンジャーの朝比奈さんも同行してくださいました。

現場は、三崎側上流の辛川山。

26年生のヒノキが植えられていますが、林内は真っ暗。

地面まで陽の光が届かず、下草も生えていません。

「間伐」は、こういった場所で、木を間引く作業のこと。

それによって、隙間から光が入るようにし、木々がのびのびと育てるような環境を作るのが目的です。

間伐の重要性が分かったら、早速実践!

あえてノコギリを使い、木を切ることの大変さを知ってもらいます。

四苦八苦しながらも、体を動かすと暖かいので、とにかくノコを引く!引く!引く!

  

一本の木を倒すのに、ものすごく時間がかかるけど、倒した後には、頭上に青空が現れます。

たったの一本、されど一本。これが間伐の極意です。

冷える林内から脱出し、お昼は暖かい日差しを浴びながら。

山の中で食べるご飯は格別です。

腹も膨らみ、体もぬくもったら次の作業場所へ。

 

今度は、林業機械を見学しつつ、少しだけ触らせてもらいました!

普段見ることも少ない大きな機械に、ちょっと怖じ気づく子も。

しかし、ベテランの組合員さんに教えてもらいつつ操作すると・・

終わったとたんに、興奮気味にどのボタンが何をするのか教えてくれました。

普段目にすることのない、山の仕事。

今日ノコギリで切ったような木が、実際にお金になるのは30年後。

小学生のみんなにとっては、想像が難しいくらい長い時間かもしれません。

そして、山に木があることで、

川が流れ生き物が住み、里に水がやってきて、海へと栄養が巡って行くことを考えると、

山の仕事は、とても面白く意義のある仕事に思えたはずです。

次はいよいよまとめの授業。

みんなが1年を通して見てきた山、川、海と、それに関わる人たち。

自分たちがどう向き合っていくべきか、それを考えてもらう時間にします。

ページ先頭へ↑

2018年02月06日✿足摺ヤブツバキ保全シリーズ⑭ まとめの季節

足摺宇和海国立公園 土佐清水 谷吉萌

数年に一度の寒波と言われていますが、

雪がちらつく程度で、平野部には積もる気配もない土佐清水からこんにちは!

2月4日の日曜日。第44回を迎える足摺岬椿祭りが行われました。

今回も、環境省のスペースをいただけることになったんですが、

昨年とは打って変わって、ブース内にはポスター大の展示がずらり。

壁面にポスター、いすが並んでいます。

今回の主役は、ヤブツバキ再生プロジェクトに関わってくれた人たち、

特に、強力な戦力になってくれた小学校・中学校です。

というわけで、メインの掲示物は、小学生の子ども新聞や中学生の椿PR商品ポスターなど!

そして、1年間ヤブツバキ再生プロジェクトに関わったくれた学校の中でも、

足摺岬小学校にとっては、せっかくの地元イベント。

学校を代表して5,6年生に、学習の成果発表として、

こども新聞を使った足摺岬の紹介をしてもらいました。

   少し緊張気味の5,6年生

紹介するのは、「足摺きらり」「食堂『緋羅里』のにゃんこ定食」「足摺岬灯台」、

そして、「ヤブツバキ再生プロジェクト」。

それぞれが記者としてまとめた、足摺岬の魅力を伝えます。

 

人前、しかも全く知らない大人を相手に、1度目の発表は緊張MAXでしたが、

2度目は言葉もなめらかに出て、うまく発表できました。

ブース内の別スペースでは、

こちらも再生プロジェクトに関わってくれた清水中学校2年生の、

学習のまとめとして年末に一斉発表した際の動画や、

足摺ヤブツバキを使った新商品についての考案ポスターなどを展示。

 

 中学生の発表作品(PCで動画を再生)       官民一体の活動や里親プロジェクトなど

他にも、ヤブツバキ再生プロジェクトの活動が分かる写真なども展示しました。

中学生のイラストに引き寄せられ、足を止める人も。

少しでも、イベントの主役である足摺岬の椿について知ってもらうために、

今回は、「ヤブツバキ再生プロジェクト」に特化したブースでしたが、

小学生の発表には、時々暖かい笑い声があがったり、

他の展示をみて「勉強になる!」という感想をいただいたりと、

何かしら、感じてもらえるひと時を提供できていれば、ひとまずの成功と言えます。

ちなみに、今年の夢の一文字は躍動や飛躍の「躍」。

平成29年度もまとめの季節となり、ツバキ再生プロジェクトも、

次なる目標やそれに向けた具体的な活動が見えてきました。

この一文字のように、それぞれが活躍できる一年にすべく躍進して参ります!

ページ先頭へ↑

2018年01月26日シコロサンゴに異変が・・!

足摺宇和海国立公園 谷吉萌

今年一番の寒波とも言われる今週は、雪舞い、山白む一週間でした。

どうせなら積もればいいのにと思う土佐清水からこんにちは!

草木も凍る寒さ!

さて。

昨年2月にもすこしだけ紹介しましたが、冬は海の透明度が高い季節!

海に入らなくても、息をのむような青さを楽しめるのが冬の醍醐味です。

 

       12月の大月町(柏島)            1月の竜串湾(グラスボートから)

グラスボートでも、いつになく深いところまで見通せる機会が多いので、

水に濡れずに海を楽しむには持って来いです。

しかし!そんな美しい冬の海で異変がありました。

発見したのは1月中旬。グラスボートの船頭さんとお話ししながら、

日本で最大規模と言われる見残しシコロサンゴ群集を観察したときのことです。

そのときの様子がこちら↓

なんだか、茶色っぽい部分があります。

船頭さん曰く、年末の大潮で水位が下がり、水面から出てしまった部分で、

その部分だけ死んでしまって、藻がついている状態なんです。

「えっ!?死んじゃったの?大丈夫??」と思いますよね。

2016年夏のサンゴ白化記事でも解説いただいた

黒潮生物研究所のサンゴ研究者 目崎博士に聞いたところ、

すでに現地調査済みで、以下のような回答をいただきました。

ーーーーーーーーーーーーーーー以下 目崎博士のコメントーーーーーーーーーーーーーーー

藻が付着したところは残念ながら斃死しております。

ですが、水面付近までシコロサンゴが成長したため、仕方のないことです。

一部のシコロサンゴの上部の凹んだところは、そのようにしてできたものです。

水面付近まで立派に成長した証と思ってください。

先端から3-4cmより下は全く問題なく生きておりますので、ご心配なく。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上ーーーー

今回の異変、一瞬驚いてしまいましたが、

いい意味での変化だったようで、胸をなで下ろしました。

写真のように、小魚やウツボのゆりかごになっている見残しのシコロサンゴ。

グラスボートの船頭さんのように、自然の変化にいち早く気づける「目」があることや

目崎博士のような専門家にすぐに尋ねられることなど、

日々のモニタリング環境が整っている素晴らしさを感じる一面でした!

ページ先頭へ↑

2018年01月18日【三崎小学校環境学習(特別編)】こどもガイド!リハーサル

足摺宇和海国立公園 谷吉萌

雪の舞う寒波から一転、4月上旬並みの暖かさの土佐清水から、こんにちは!

 

      (先週の霜柱)              (今日の事務所前の椿)

さて、前回ご紹介した三崎小学校6年生の子どもガイド準備から1ヶ月。

その間、ガイド練習や小道具づくりに励んできた子どもたちが、

1月16日、生暖かい曇りの日に、ガイドリハーサルを行いました!

17度近い気温に、半そで半ズボンの子たちも。

今回は、そんな練習風景をお届けします。

※最後に【耳より情報】もあるので、お楽しみに!

今回は、最初で最後の通し練習。

覚えてきた台本や、小道具のタイミング、お客さんと自分たちのポジショニング・・

すべてを確認しながら、本番さながらに発表してもらい、

お客さん役の講師陣も、都度アドバイスをしていきます。

はじめは緊張気味でしたが、徐々にのってきて・・・

  

お客さんを煽るトークや、選択肢が秀逸なクイズ、

くすっと笑ってしまうような小芝居に、講師陣も思わず「へぇ~」というような豆知識まで。

詳しい内容は、本番のために伏せますが、

この6年生たちのキャラクターが、端々に光るガイディングです。

もちろん、今回が初めてのガイドなので、反省点もぽろぽろ。

間の取り方や、ボディランゲージ、スムーズなマイク渡しといったテクニックから、(何も見えない・・・)

狭い場所での視線誘導の仕方や、暗い場所での資料の見せ方など、

現場ならではの気づきがたくさんありました。

講師陣からは、もっと自分なりの言葉で!エピソードを盛り込んで!という難しい注文も。

それもこれも、決して無理難題を押し付けているわけではなく、

この6年生ならできると思うからこそ。

今回のリハーサルがしっかり生かされれば、

ただ「子ども」が案内する珍しいガイドではなく、

子どもたちが三崎で暮らしてきたからこそできる、唯一無二の面白いガイドになりそうです。

年に1回、今回のメンバーでは今年が最初で最後の「三崎小6年生の子どもガイド」、

↓以下日程・内容で、皆さんをお待ちしておりますので、↓

↓     ぜひ、いらしてください!        ↓

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

    三 崎 小 6 年 生 の 子 ど も ガ イ ド

日時:2月9日(金) 14時~

   ※雨天の場合13日火曜日の同時刻に延期

集合:レスト竜串

ガイド時間:およそ1時間

ガイドコース;レスト竜串~海底館内(往復)

特典①ここだけの子どもガイドが聞ける!

  ②子どもガイドなら海底館に無料で入れる!

  ③三崎周辺のスポットについてもご紹介!

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

ページ先頭へ↑

2017年12月27日おすすめ国立公園スポット!~元旦編~

足摺宇和海国立公園 谷吉萌

も~い~くつね~ると~おおがたれん~きゅう~♪土佐清水の谷吉です。

突然ですが、元日と元旦の違い、皆さんはご存じですか?

ヒントは、「日」と「旦」の字。

旦は、水平線から日(太陽)が昇る様子に見えることから、(※諸説あり)

元旦は、1月1日の朝日(初日の出)のことをいい、

元日は、1月1日の丸一日を指すといわれています。

ということで、今回はひと味違う「元旦」を紹介します!

実は、2017年最初の記事に関連あるんですが、みなさん「だるま夕日」をご存じでしょうか。

海面と大気の寒暖差によって見える、一種の蜃気楼です。

秋分から春分にかけての期間内でしか見られず、

地形・気象条件などが揃わないと見られない、レアな現象なんです。

そんなレアなだるまサンですが、実は・・朝日バージョンもあるんです!

し、しかも!足摺半島でも見えるようです!

地図は、だるま夕日がメインですが、足摺半島 東側も朝日が見える場所として追加しました。

あわせて、だるま夕日や周辺の国立公園スポットも楽しんでいただけると幸いです。

ただし!

気象条件・地形という条件に加え、だるま朝日は夕日に比べて遭遇率が低いそうです。

ただでさえ希少な現象なので、初日の出でそれが起こるかどうかは、

まさに 運 次 第 です。

昨年のように、初日の出自体見えない、なんてこともあり得ますので、

あまり期待しすぎず、見えたらラッキー♪という程度に抑えておくのがミソです。

 ※年末年始は、足摺岬から西側で交通規制が行われますので、

  車でお越しの際には、下記参考に、気をつけていらしてください。

**************交通規制*****************

期間:平成29年12月31日(日)~ 平成30年1月3日(水)

時間:12月31日 23:00 ~ 1月1日 17:00

   1月2、3日 8:00 ~ 17:00

区間:足摺岬駐在所前~足摺岬先端駐車場(金剛福寺前)

臨時バス(中学生以上100円、小学生50円)あり

              土佐清水市HPより

**************交通規制*****************

それではみなさま、今年も1年ありがとうございました。

来年も、足摺宇和海国立公園のリアルタイム情報をお届けできるよう、

面白くて為になる内容を目指し邁進していきますので、どうぞよろしくお願いします。

良いお年をお迎えください。

ページ先頭へ↑

2017年12月19日✿足摺ヤブツバキ保全シリーズ⑬ キーワードは"TSUBAKI"

足摺宇和海国立公園 土佐清水 谷吉萌

いよいよ冬将軍に攻め入られている土佐清水は、週末、雪が舞う地域もありました。

海側に雲が厚くかかると、なかなか陽がとどかない足摺岬の朝。

さて、そんな寒波に見舞われた12月17日日曜日!

足摺岬に集まったのは、若いママと元気キッズたち。

今回は、足摺ヤブツバキ再生プロジェクトの重要作業の一つ、

プランターで身狭になった苗たちの鉢上げを手伝ってもらい、

その内何本かの木を持ち帰って、ツバキの「里親」になってもらえることになりました。

でも!

そもそも、どういったメンバーなのか、ちょっと不思議ですよね?

じつはみなさん、ママさんバレーチームのメンバーなんです!

チームTシャツに、チーム名が・・・その名も"TSUBAKI"!!

そう、名前がツバキでおそろいだから、ということで

里親に名乗りを上げてくださったんです。

ただ、この日がヤブツバキ再生プロジェクトに関わる初めての日、ということで、

最初に軽くプロジェクトについて説明して行きます。

なぜ足摺にツバキ林ができたのか、それが今どういう状態なのか、

それをどうするために、このプロジェクトが動いているのか。

10分程度ですが、真剣に聞いてくださっている様子は、頼もしいの一言です。

場所を移動して、いよいよ鉢上げ作業。

まずは、デモンストレーションで一連の流れを見てもらいましたが、

そのあと、(特にキッズが)猛烈な勢いで作業に入り、

ほとんど一回ですべての流れを覚えてしまいました。

 

     終始笑顔で、時々真剣              根っこの成長を観察

「ツバキ」という縁で、一緒に何かやれないか!?

というちょっとしたことがきっかけでしたが、いざやり始めると

なかなかどうして、その作業スピードと連携の上手さには目を見張るほど!

 

      「これはいい根!」             次々鉢ができていきます。

なにより、大人も子どもも一緒になって、面白がってやってくれる様子を見ていると、

こちらも、楽しいからどんどんやろう!と、モチベーションが沸いてきます。

最終的に、ツバキ186本、トベラ201本、合計387本の鉢上げができました。

ここから、一家族2~3本ずつで、計24本を持ち帰ってもらい、

また、足摺岬に植え戻すまで、ツバキの「里親」として育ててもらいます。

 

/ツバキで清水を盛り上げるぞ!\/おー!!\   チームTのツバキが、未来を象徴してます

愛情一本の足摺ツバキを、足摺岬に植え戻す日まで、

ぜひとも、日々水やりをしながら、その成長を見守ってもらいたいです。

おまけ

何に見えますか?赤くて割れてて、ちょっと毛が生えてる・・

 

土佐清水キッズの間では通称「おさるのおしり」で、知れ渡っているようです。

植物の実なんですが、庭木にされていたり、以外とポピュラーなのかも?

ただ、だれも本当の名前は知らないようでした。目下検索中です。

ページ先頭へ↑

2017年12月15日【三崎小学校環境学習(特別編)】こどもガイド!準備

足摺宇和海国立公園 谷吉萌

今年はいつになく冬らしい寒さを感じている土佐清水からこんにちは!

今年で11年目になる三崎小学校の環境学習。

5年生の1年を通して海山川そして里の繋がりを学び、

その学びを、一つの形にする試みとして「こどもガイド」が始まりました。

ガイドをするのは6年生!

三崎小学校の近くのにある観光スポットの海中展望塔・海底館を舞台に

たくさんの人に三崎の自然を知ってもらうためのガイドをします。

今回は、その準備風景をお届けします。

(講師は足摺海底館の文野さん、ジオ専門員の佐藤さんと今井さんです)

最後に【重要告知】があるので、お見逃しなく!

[2017年12月5日]ガイド体験

まずは、ガイドはどんなものか、体験をしてみます。

基本の挨拶から。

普段文野さんが気をつけていることでもある、聞き取りやすい声の大きさ、スピードを教えてもらいます。

 

出発したら、見所ごとに解説があります。

グラスボートや奇岩については、これまでの学習の成果か、テンポ良く答えが返ってきます。

これはかなり頼もしいガイドさんたちになりそう!

海底館までの道のりで見られる、名のある奇岩についても、

自分たちなりにガイドするにはどうしたらいいか考えます。

中には、先輩が名付けた岩も・・これはみんなの関心も引きやすいポイントです!

 

ジオ室の専門家たち、佐藤さんと今井さんも、

5年生の時には習った「生痕化石」のうち、

二枚貝(Lockeia siliquaria)などの正式な名前を教えてくれました。

聞き慣れない言葉ですが、言えると博士みたいでハクがつきそうです。

海底館の中も、みんな興味津々です。

 

何が見えるのか、どれくらいの深さなのか、

どうやっていつ頃建てられたのか、日本で他にこういう施設があるのか、

などなど、自分たちの関心はきっとガイドするときにも役立ちます。

こどもガイドは海底館の中も含めた全行程をご案内しつつ、

環境学習で学んだことについてもお話するので、内容は多岐にわたります。

うまくまとめることができるでしょうか?

すべては次の「原稿作り」と練習にかかっています・・!

[2017年12月8日] 原稿作り

少し日をおいて3日後。

いよいよ自分たちなりのガイドプランを作り上げていきます。

3~4人の3グループに分かれ、全行程を区間分けして担当を振り分けます。

3日前に見たあの岩のことを言いたい!という子や、

環境学習のグラスボートでみたシコロサンゴのことを言おう!という子などさまざま。

小道具の作成や、声出し練習など、まだまだ特訓は続きます・・・。

※本番お楽しみいただくため、詳細はあえてふせておきます※

それぞれの思いを繋げて、一つの子どもガイドに仕上げていく作業。

まじめな子、おとなしい子、自由奔放な子、

粒ぞろいのメンバーで作り上げたガイドプランは、

この6年生にしかできない唯一の子どもガイドになります。

おっ、ちょっと面白そう!と思った方。いつやるの?と思った方。朗報です!

実は日程はもう決まっているんです!!

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

     日時:2018年2月9日(金)14時~

        予備日13日(火)14時~

     集合場所:レスト竜串

ポイント❶地元ッ子による、三崎ガイドが聞ける年に1度のチャンス!

ポイント❷約60分のツアーで参加料が、な・な・なんと無料!

ポイント❸海底館に無料で入れるのは、子どもガイドだけ!

   ※天候不良などによって延期する場合があります。

    お問い合わせは環境省(0880-82-2350)まで

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

また、近くなったらお知らせしますが、

地元・周辺地域の方々、その時期丁度土佐清水に行くよ!という方、

ぜひぜひ、このチャンスをお見逃し無く!!

ページ先頭へ↑

2017年11月22日【イベント報告】名人直伝!メダケで一本釣り!

足摺宇和海国立公園 谷吉萌

冷え性にはつらい季節になりました。土佐清水の谷吉です。

昨年もこの時期に開催したメダケで一本釣りのイベント。

今年は2度の延期に見舞われつつも、11/19に無事開催できました。

大寒波で冷え込むことが予想されていた当日朝8:30。

寒さに負けず、清水の熱き釣り人たち17名が大集結しました。

意気込み十分で市役所を出発します!

移動中には土佐清水や足摺岬ヤブツバキに関するクイズを3問出題。

メダケ竿で一本釣りにチャレンジするだけじゃないの!?

いえいえ、クイズだけではないんです。釣りだけでもないんです。

 

その二つを、さらにビンゴにしてしまったのがこのイベント!

かなりギャンブル色が強いですが、豪華景品アリの一言で場は盛り上がります。

バスでのクイズ結果に一喜一憂の声を上げている内に足摺岬に到着です。

まずはツバキとメダケがせめぎ合う林を見てもらって、

すこしだけツバキ再生プロジェクトの活動をアピールをします。

そして、昨年同様、釣り竿作り名人の谷岡さんが登場。

 

筋の良い竹竿の見分け方を教えてもらって、マイ竿をゲット!

竿を持って移動する姿は、さながら狩人・・・。

眠っていた狩猟本能が呼び覚まされていきます!谷岡名人危ない!

いよいよ今日の釣り場・窪津漁港へ!

この時点でビンゴゲームの方は、リーチの人もちらほら。

できるだけ早く、いろいろな魚を釣ることがビンゴへの道です。

今回は、土佐清水の釣り名人たちを招集しました。

それぞれチームに分かれて、エサの付け方や釣り場の見つけ方を名人に教えてもらいます。

開始後しばらくして、場所を移動したチームが・・

いきなり3人同時にヒット!

どうやら良いポイントを見つけたようで、そこからは入れ食い状態です!

次々にゲンナイ(クロホシイシモチ)やベラを釣り上げていきます。

それを聞きつけた他チームも移動して、みんなで竹竿を垂らします。

 

      竹竿のならぶ漁港         竿を構える姿も様になってきました

  

      フグ             アイゴ          ゲンナイ(イシモチ)

良く釣れる魚に加えて、今回はフグやアイゴも釣れました!

(※アイゴはヒレに毒棘があるので、釣り上げた際には気をつけてください)

最終的に、今回の覇者は3名!文句なしのトップスリーです。

圧倒的にゲンナイやベラが多かった中、

それ以外の魚を運良く釣り上げていたことが勝因でした!

今年は豊漁で沸いたメダケで一本釣り。

最後には、漁港でわいわいやっていたのが目についたのか、

窪津漁協さんからシイラのお土産までいただきました!

協力者が増え、軌道に乗ってきたヤブツバキ再生プロジェクト。

今回のイベントは、メダケを使ってもらうことが狙いなのですが、

厄介者扱いされているメダケも、今年はお寿司になったり煮物になったり、

はたまた釣り竿になったりと、なかなかに侮れない活躍ぶりです!

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ