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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【三崎小環境学習④】冬の環境学習

2018年12月20日
足摺宇和海国立公園 谷吉萌

年の瀬もいよいよ迫る12月最終週ですね。

年末年始は天気に恵まれそうな土佐清水からこんにちは!

事務所のツバキもキレイに咲いています。

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さて、久々の三崎小学校5年生の環境学習について

「川の学習」と「山の学習」を合わせてお届けします。

12月の寒い中行うこの授業ですが、

これまで意識が向いていた海から振り返って、

そこに繋がる「川」と「山」の役割と、

それらの自然の中で暮らす「生きもの」について考えるものです。

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12/13の午後。

晴れ+暖冬という、この時期にしては

恵まれた天候で行うことができた「川の学習」。

時期的に種類は少ないながらも、水生昆虫を中心に生きものを探し、

河川の水質や、海と山をつなぐ川の中に暮らす生きものについて考えました。

 

      (ゲンゴロウ)               (模様が美しいシマアメンボ)

また、今回の舞台である三崎川の歴史について、

昭和初期の改修工事や、平成13年の西南豪雨を振り返りました。

 

学校から歩いて2分の三崎川は、登下校でもよく目にする身近な川。

その恩恵と脅威を知り、海や上流の山をつなぐ川の役割について、

次の山の学習も視野に入れて、切っても切れない自然の繋がりを考えてもらいました。

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12/17は「山の学習」。

少し冷え込んだ朝方、学校を出発して車で山に分け入ること20分。

到着した「辛川山」は、昨年の5年生も来た場所です。

土佐清水市森林組合の黒岩さんを先生に、ここで行ったのは「間伐体験」。

海や川の生きものの栄養源でもある一方で、

土砂崩れなど、災害を引き起こすこともある山。

そういった災害を防ぐため、しっかりと根をはり、

土や水を保つ良い森林を作るための対策の一つが「間伐」です。

黒岩さんから「伝説のノコ」を1本ずつ手渡され、

直径30cmほどのヒノキを4人で1本に取りかかりますが、

慣れないノコで1本に30分近くかかることも。

 

それでも、一本倒す毎に歓声が上がり、

なんとか一人1本ずつの間伐を完了しました。

悪戦苦闘した間伐後、森林組合の皆さんが施業している現場に赴くと、

自分たちが何十分もかかって切った木よりも大きなヒノキが、

林業機械で、ものの30秒で枝も落とされキレイに仕上げられる様子に、

みんな呆気にとられていました。

 

そんな林業機械にも試乗したことで、

森林組合の仕事の一部を体験した子たちからは、

「将来ここで働きたい!」という声も。

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今回は、自然の繋がりの中に生きる、人を含めた生きものについて、

山と川それぞれのフィールドで知る時間でした。

次は、人の暮らしや自然を支える大地について、

今と昔をタイムスリップするように考えていく「グラスボート&ジオ学習」。

いよいよ5年生の環境学習も最終段階です。