ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

2018年12月

4件の記事があります。

2018年12月28日【体験教室】 ミニ門松づくり

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

先生(師)が走り出すほど忙しいと言われる師走です。

クリスマスが終われば、もう年越し。紅白を見ようかな、格闘技かな、いやいや、ガ○の使いを見るのか悩む前に年越しの準備をしなくては!

年越し前の五色台体験教室では、マンション住まいの方でも飾れるミニ門松づくりを行いました。

門松は昔から歳神さまをお迎えするお正月の必須アイテム。飾るのは松竹梅となんとめでたい!

竹は雑木林保育のために伐採したもの、マツも施設の管理上で支障になる枝を剪定したものを使います。そう五色台産。

まずは、竹の切り方。

ベテランボランティアさんから竹の特徴やノコギリの使い方を教えてもらいます。

今日使うマダケは節が1本だけど、モウソウ竹は節が2本あります。そして、節の所に黒いものがありますよね?これは節からロウが出て、そこにホコリなどが付いて黒くなった汚れのようなもの。

けど、これで竹の生え際がどちらか分かります。

さぁ、分かるかな?

ロウが垂れ下がった方、黒くなっている方が下(根幹)側。この下側がどちらか知るのは後々大事になるので、よーく聞いておきましょう。

いよいよ切り出し開始!

受付順に選んだ土台部分の竹を切り出します。

直径10㎝くらいあるので、結構チカラ仕事。

ですが、デモンストレーションで教えてもらったとおり、ノコギリをまっすぐにひくとスムーズに動いて、刃もひっかかりにくい。チカラ任せにノコをひくと、刃が曲がったり、切断面が歪んだりといいことなし。。。

竹の節はまっすぐではなく、下に垂れ下がっているので節が最も下がっている所から約4㎝程度の部分を切ると節に穴が開きません。土台の竹の中にはオアシスを入れてマツなどを生けるので、穴が開いてしまうと水が漏れてしまいます。

こちらは土台の中に入れる竹を切り出し中。

門松を想像してみてください。

高さの違う3本の竹が立っていますよね、あれです。

30、35、40㎝の竹を2本ずつ、片側を斜めに切り出します。普通に切ったのでは、斜めの角度も揃わないし、なんといっても竹が滑って難しい。。。そこで登場するのが、毎年大活躍の「斜め切りガイド」。ガイドと言っても人ではなく、道具です。

最初にデモンストレーションしてくれたボランティアさんが発案し、さらにビジターセンタースタッフが量産し、今ではみんなが待たずに使える大活躍の道具です。

今回使う道具。

真ん中にある木でできた道具が斜め切りガイド。

他に使う道具は・・・

・竹挽き用ノコギリ(刃取替えタイプでOK)

・長さを測る定規や巻き尺

・測った長さの印をつけるマジック

・生けるナンテンや水受けのオアシスを切るカッターや剪定バサミなど。

・生ける素材(ナンテン、紅梅、白梅、アカマツ、クロマツ以外に葉ボタンなどアレンジは各自で自由に)

全て切りだし終えたら、竹を水洗いしてキレイに拭き取ります。

そして、飾り付け。

まずは立てらせる高さの違う竹3本を1セットにして輪ゴムで仮留め。シュロ縄でとっくり結びをして、しっかり括ります。

とっくり結びはしっかり、しかも簡単で日常生活でも使えて便利!

土台の竹に3本竹を前側に入れ、周りの隙間にオアシスをギュッと詰め込みます。

そこにマツやナンテンを生けるのですが、実はルールがあるのご存知ですか?

門松は男飾りと女飾り(私がそう呼んでいるだけ)があって、向かって左の門松にはクロマツ(オンマツ・雄松)、白梅、あれば白ナンテン(赤でもOK)、右にはアカマツ(メンマツ・雌松)、紅梅、赤ナンテンを生けるんです。「どっちだったけ?」と迷う方は、雛飾りのおひな様とお内裏さまと同じ向きと覚えてください。

そして、完成!見事な門松ができあがりました!

できあがった門松は、12月29日と31日は避けて飾りましょう。29日は「二重苦」、9が末につくので「苦末」=「苦松」を意味すること、12月31日だと一夜飾りになってしまい、歳神様を迎えるのにバタバタしてよくないのだそう。

今年を送り出し、そして来年を気持ちよく迎え入れるため、歳神様をお迎えするための門松。

日本の伝統文化でステキなお正月をむかえましょう。

ページ先頭へ↑

2018年12月20日【三崎小環境学習④】冬の環境学習

足摺宇和海国立公園 谷吉萌

年の瀬もいよいよ迫る12月最終週ですね。

年末年始は天気に恵まれそうな土佐清水からこんにちは!

事務所のツバキもキレイに咲いています。

***************

さて、久々の三崎小学校5年生の環境学習について

「川の学習」と「山の学習」を合わせてお届けします。

12月の寒い中行うこの授業ですが、

これまで意識が向いていた海から振り返って、

そこに繋がる「川」と「山」の役割と、

それらの自然の中で暮らす「生きもの」について考えるものです。

***************

12/13の午後。

晴れ+暖冬という、この時期にしては

恵まれた天候で行うことができた「川の学習」。

時期的に種類は少ないながらも、水生昆虫を中心に生きものを探し、

河川の水質や、海と山をつなぐ川の中に暮らす生きものについて考えました。

 

      (ゲンゴロウ)               (模様が美しいシマアメンボ)

また、今回の舞台である三崎川の歴史について、

昭和初期の改修工事や、平成13年の西南豪雨を振り返りました。

 

学校から歩いて2分の三崎川は、登下校でもよく目にする身近な川。

その恩恵と脅威を知り、海や上流の山をつなぐ川の役割について、

次の山の学習も視野に入れて、切っても切れない自然の繋がりを考えてもらいました。

***************

12/17は「山の学習」。

少し冷え込んだ朝方、学校を出発して車で山に分け入ること20分。

到着した「辛川山」は、昨年の5年生も来た場所です。

土佐清水市森林組合の黒岩さんを先生に、ここで行ったのは「間伐体験」。

海や川の生きものの栄養源でもある一方で、

土砂崩れなど、災害を引き起こすこともある山。

そういった災害を防ぐため、しっかりと根をはり、

土や水を保つ良い森林を作るための対策の一つが「間伐」です。

黒岩さんから「伝説のノコ」を1本ずつ手渡され、

直径30cmほどのヒノキを4人で1本に取りかかりますが、

慣れないノコで1本に30分近くかかることも。

 

それでも、一本倒す毎に歓声が上がり、

なんとか一人1本ずつの間伐を完了しました。

悪戦苦闘した間伐後、森林組合の皆さんが施業している現場に赴くと、

自分たちが何十分もかかって切った木よりも大きなヒノキが、

林業機械で、ものの30秒で枝も落とされキレイに仕上げられる様子に、

みんな呆気にとられていました。

 

そんな林業機械にも試乗したことで、

森林組合の仕事の一部を体験した子たちからは、

「将来ここで働きたい!」という声も。

***************

今回は、自然の繋がりの中に生きる、人を含めた生きものについて、

山と川それぞれのフィールドで知る時間でした。

次は、人の暮らしや自然を支える大地について、

今と昔をタイムスリップするように考えていく「グラスボート&ジオ学習」。

いよいよ5年生の環境学習も最終段階です。

ページ先頭へ↑

2018年12月18日【体験教室】 草木染め

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

ここ数年、秋冬定番の体験教室になっている染め物プログラム。

今回はサザンカの花びらだけでなく、久々の登場!ヒサカキの実を使った染め物を行いました。

サザンカもヒサカキも五色台で集められる自然素材。

■昨年のようす「2017年12月5日【体験教室】サザンカの花びら染め」

染め物教室の講師は、おなじみ角田眞理子さん(あそ美工房)。

五色台以外でも国営まんのう公園やご自宅で染め物教室をしていて、その染料の種類もたくさん!

見本をいっぱい持ってきてくれました。染料が同じタマネギの皮でも布の素材や媒染液の違い、また染める回数によって色合いが変わるのはとても興味深い!これを見ると、化学繊維よりも木綿など自然由来の素材の方が圧倒的に染まることが分かります。

<左:タマネギの皮で染めた布>

染め物をするには染料が必要。まずは材料集めから。

インタープリター(以下IP)からヒサカキのお話。

神棚や玉串に使われるサカキに似ていますが、やや葉が小さいのがヒサカキ。1年中ツヤのある葉を付けることから縁起のいい木とされ、サカキの代用としても使われているそう。春先にごくごく小さな花を付けるのですが、その匂いは塩ラーメン!?

その花の匂いをかぐとお腹がすくそう(笑)

<ヒサカキのお話・みんなで採取してみよう!>

<きれいに採れました!>

そして、サザンカも少しだけ採取しました。

花真っ盛りの時に採取してしまうのはもったいないので、花びらが開ききって、もう落ちてしまいそうな終わり頃のものを採りましょう。

サザンカとよく似ているツバキ。

サザンカより少し後に開花し始めるのですが、ツバキとサザンカの違いは?

→答えは昨年のAR日記に。

染料を作るには、みんなが採取しただけでは到底足りません。IPをはじめ五色台ビジターセンタースタッフがコツコツと集めたヒサカキの実1.5㎏、サザンカの花びら4㎏を使います。集めたら野菜用ジップロックに入れて冷凍保存しておくといいですよ。

さっき採ったばかりのものは花びらだけにしてより分けます。花びら染めをする時は、雌しべなど軸部分と花びらはきちんと分けるのがコツのよう。

そして、布を染める前に模様づけ。

ビーズやビー玉、輪ゴムを使って水玉もように、また着物の絞り染めにあるようなクモの巣もようは割り箸とたこ糸を使って作ります。

ただ1本に縛るだけのシンプル絞りもようの方も。この時間、楽しいんですよねぇ。

ここで参加者によく聞かれるのは、「ここにこんな模様付けたい。どうしたらいい?」「こんな色にしたいんだけど」

普段着ている服などはほとんどが化学染料。ですが、今回染めるのは自然素材のもの。染まる色の鮮やかさや色の入り具合は採った年の実や花のコンディションによっても変わるし、媒染液や使う水によっても変わるので一期一会な染め物。想像していたもの通りに仕上がることはほぼありません。ただ、タマネギ染めの見本のように染める回数によって色が入ったり、少し風合いが変化するので、皮製品のように移り変わりを楽しむモノと思ってもらえれば。

もようづけができたら、染料が染み込みやすくなるよう水にしっかり浸します。

その間に染料づくり。

サザンカ染料は、ネットに入れたサザンカの花びらをぬるま湯と酢を1:1にした中に浸して、ひたすら揉み込みます。

<左:揉み込み始めたばかり。まだ泡が少ない・・・>

<右:3人が寄ればこんなに泡泡に!>

この泡がなければ色は染まりません。泡がしっかり出ている内は、染める力があるんだそう。

そして、ヒサカキはというと。

こちらは煮出して色を出していきます。これは予め講師が作ってくれていました。大体1.5~2時間くらい煮たかな。

ザルにこして実を取り出したら、染料は鍋に戻します。

染料が完成したら、いっせーので布を入れます。が、ポイントは木綿やガーゼ素材よりも一足先にシルク素材を入れること。

ガーゼはシルクよりも水を吸いやすいので、先に入れてしまうと色を取られてしまいます。

布を入れたら、さいばしを使ってゆっくりかき混ぜ、20分くらいしたら取り出して、サザンカはそのまま軽く水洗いしてビーズなどを外します。

ヒサカキは染料から取り出したら媒染液に15分くらい浸けます。今回はミョウバンとクヌギ灰の2種を用意してくれました。

媒染は色止めの役割で花びら染めは必要ないのですが、カルカヤやクサギの実、今回のヒサカキの実などを使う草木染めでは色止めをしないと色が抜けやすくなるそう。

そして、こちらも完成!

<左:シルク素材のヒサカキとサザンカ>

<右:ガーゼ素材のヒサカキとサザンカ。素材が違うと色合いも変わります>

今回は10~20人分の染料だったので、かなりの花びらと実が必要でしたが、ご自宅で行うのであれば、もう少し少なめでも大丈夫。

材料を集めながら、これはどんな色に染まるだろうと想像するのも楽しい。

何度でも楽しめる草木染め。自分で材料も集めればできちゃうので、いろいろ試してみてはどうでしょう。

※採取する時は草木に毒性がないか、採ってもいい場所か(所有者など)確認してくださいね。

ページ先頭へ↑

2018年12月12日【鳴門】 森林自然観察会~ドングリ拾い~

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

毎年11月になると、子ども達がドングリ拾いをする声が聞こえてきます。

今回で23回目を迎えた鳴門森林自然観察会ドングリ拾い編。今年も元気な桑島小学校3年生29名が鳴門山にやってきました!

昨年度のようす↓↓

2017年11月24日「鳴門自然観察会~ドングリ拾い編~」

講師は毎度おなじみ、植物担当の木下さん(徳島県植物研究会顧問)、生き物全般担当の市原さん(自然公園指導員・佐那河内いきものふれあいの里)です。

開会を終えると、早速子ども達に何かが手渡されます。

<ルーペの使い方レクチャー。こっちから見てね。>

さて、これを持って何をするのやら。子ども達はルーペで友達を見たりと既にテンション上がり気味。

準備を終えて歩道を登り出すと、すぐにあちこちにドングリが!

去年はたくさん拾えた表年だったので、今年はドングリが少ない裏年かなぁと心配しましたが、ざっくざくとあるわあるわ。

※たいてい、たくさん実をつける表年と少ない裏年が交互にくることが多いです。

<今年は手で拾うというより、がっさり掴み取り>

ドングリを拾う中、「何か生きもの見つけたら、教えてねー」との市原さんの声を合図に子ども達の目線は動くモノへと。あれやこれやとどんどん見つけては市原さんに持って行きます。生きもの探しに夢中になると、ドングリ拾いを忘れがち(笑)

みんな、ドングリをたくさん拾って、苗木にするのが今回の大きなミッションですよ~。

そして、大鳴門橋が一望できるポイントへ到着。

さて、ここからは一旦落ち着いてお勉強。

植物のことなら何でもござれな木下さんからいろいろお話を聞きます。

実が詰まっているドングリかどうかを調べる方法や植え方のコツ、昆虫に興味を持つ子どもにはもってこいなコナラやクヌギのドングリから出てきたゾウムシについてなどなど。

<左:鳴門で見られるドングリの種類って?>

<右:ビナンカズラってフシギ・・・>

そして、毎年恒例、ドングリを食べてみよう!毎回、比較的アクの少ないスダジイを食べる子どもは多いのですが、今年の子はドングリが食べられると分かってからは何を見ても「食べていいー?」って聞いてきちゃう(笑)

中には、「この虫も食べられるのー?」Σ(゜д゜

そんな子どもの返しに「セミは美味しいよ~」と市原さん。「けど、ちゃんと毒性が分かってから食べてね。何でも食べちゃダメ」と。いや、本当に何でも食べる勢いの子どもたちだったので。。。

いろんな植物を触って匂いをかいで、食べた後は"動く"お勉強の時間。

市原さんからの「はーい、生きもの探してー」で一斉にスタート。まさにクモの子を散らしたようなとはこのこと。

<枝の先には・・・!>

肌寒くなってきた時期だけに昆虫たちもやや少なめでしたが、ジョロウグモをはじめ、地面近くにいるゴキブリ、頭を食べられて死んでいたスズメバチや使い終わっていたハチの巣のカケラなどいろいろ集めては、ボックスに入れて観察。ルーペで見ると、細かい足や顔まではっきり。

そして、こちらも毎回定番の足の数クイズ。

毎度大喜利のような答えが返ってくるこのクイズ。わたしの密かな楽しみです。

<←苗木を植樹する旧休憩所跡地>

今日拾ったドングリは、卒業前まで学校で苗木に育てあげ、鳴門山に植樹します。

以前はマツで青々としていた鳴門山ですが、マツクイムシや台風などの被害によって枯れ、一時はハゲ山のように。そこで立ち上がったのが地元・桑島小学校の児童たち。鳴門山で拾ったドングリを3年間で苗木に育て、そして卒業前に植えに来る。そうやって鳴門山の自然環境は守られています。

一緒に参加した父兄の中には、「第1回目にドングリを拾って植えに来たんですよ。3月は上の子が植えに来ますよ」というお母さんも。

こうして大人から子どもへと受け継がれていく鳴門の自然は続いていくんだなと、改めて継続していく大切さを実感した観察会でした。

<駐車場に到着しても生きもの観察は終わら~ず→>

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ