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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【三崎小環境学習①】はじめに

2018年06月07日
足摺宇和海国立公園 谷吉萌

天気が荒れると足摺岬に潮の花が舞う 土佐清水からこんにちは!

 

雪のような白い潮の花は、近くで見ると泡だらけでした!

話変わって5月末に、三崎小学校5年生の最初の環境学習を行いました。

今年の5年生は4人!

少数精鋭で、のびのびとした発言が多く、これからの成長が楽しみな4人です。

「はじめに」と題した第1回の授業は、環境学習がはじまった経緯や、

この学習から学んでほしいことを話しました。

まずは、山下レンジャーの自己紹介から。

レンジャーいるところ国立公園あり、ということで、

レンジャーの仕事や日本の国立公園について知ってもらいました。

そしていよいよ本題、環境学習が始まるきっかけでもある竜串自然再生のお話。

海の中の環境変化やオニヒトデの大発生など、

竜串の海が経験してきた災害や、いま直面している問題を知ってもらいます。

毎年三崎小学校内のオニヒトデの認知度の高さには驚きますが、

今年も、サンゴの天敵として、名を馳せていました。

しかし、家や学校を飲み込むほどの大災害だった西南豪雨については、

おばあちゃん・おじいちゃんに聞いたことがある程度。

山や里から出た泥やゴミが川を流れ、海に押し寄せたことや、

その泥を取り除いて、サンゴを守ろうとした人々の活動の話から

今ある豊かな海が、いろいろな人の手によって守られてきたことが伝わったようです。

そんな海に、またしても迫っているオニヒトデ危機。

竜串の海を守るためには、まだまだ人の手が必要なことを知ってもらいました。

5年生は今10~11才。

これまで旅行や引っ越しで見てきた他の地域と比べて、

声を大きくして「自然が多い地元が好き!」という子もいれば、

「高知市も三崎も、どちらもいいところがある」という子も。

それぞれの価値観で、しっかりと地元の良さを捉えられていました。

これから1年の授業を通じて考えてもらいたいのは、

自然がそれぞれ繋がりをもっていて、その中に自分も暮らしていること。

そして、その自然も「守る人」たちがいてこそのものであること。

いつか大人になったとき、「自然」とどう付き合うかを考えるための一歩になれば幸いです。