中国四国地方のアイコン

中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【屋島】 屋島ウォークが行われました!

2017年03月28日
瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

316日は何の日?

瀬戸内海国立公園ツウならご存知のはず!(知らなかったという方は覚えてくださると嬉しいです♪)

316日は、瀬戸内海国立公園が雲仙、霧島と共に1934年(昭和9年)に日本で最初に国立公園に指定された日です。

毎年この日に開催される「屋島ウォーク」は、主催者である香川県・高松市以外に香川県里山ボランティアガイド組合や元気YASHIMAを創ろう会のみなさんにご協力いただきながら実施されており、環境省高松事務所は後援という形で参加させていただいています。今回も多くの方に応募・ご参加いただきました。

歩く前に準備体操。まだ朝晩は冷えます。体がかたいとケガをしやすいので、しっかりと行いましょう。

そして、香川県みどり保全課有志「劇団・シシ」による「イノシシに出会ってしまったら!」をレクチャー。野生生物に出会った人の対応で1番怖いのは、野生生物を恐れず軽く見てしまう人。人が思っている以上に野生生物は臆病で繊細。攻撃するのも自分を守るため、また餌付けに馴れてしまい、エサをくれなかったから攻撃してしまったなど野生生物と人との関わりによってその状況が変わることを知ってもらうことが大切。

<ハンターさんから教わるイノシシ対応術は分かりやすい!>

もし、イノシシが突進してきたら体を丸くするか、登れそうな木があれば登り、イノシシが去るまで待ちましょう。

さぁ、準備を終えたら早速出発!

今年も屋島西側のふもとから古道をとおり南嶺へ、そして北嶺~長崎ノ鼻までの屋島を縦断する約16㎞のコースを歩きます。

<樹林の中、ガレた所を超え、足場を確認しながら登り・・・>

昔の人はこの道を使って生活物資を運んでいたそう。現在の私たちの生活と比べると、昔の人の生活する力には頭が下がります。

しかし、毎年、浦生(うろ)から南嶺に登る古道を歩きますが、昨年に比べて道が荒れているような気が・・・。と思っていたら、「安心して暮らしていそうな場所ですねぇ」とハンターさんが。やはり・・・。

浦生古道入口から約1時間で南嶺・桃太郎茶屋前広場に到着。

古代山城・屋嶋城(やしまのき)城門を復元した屋嶋城跡では、高松市文化財課・渡邊さんよりタブレットを用いて解説していただきました。

タブレットでは、現在と昔の屋島をAR(拡張現実・Augmented Reality)で体験できます。土・日・祝日ならタブレットの貸し出しあり、またご自分のスマートフォンにアプリをタウンロードしても体験可能です。

http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/26025.html

<左:古代山城が甦った映像> <右:現在の屋島>

南嶺三角点では、香川県里山ボランティアガイド組合・顧問の林さんからお話。自然の大切さ、豆知識を笑い話交えながら熱弁していただきました。

そのままウバメガシ純林の中を歩いて北嶺へ、そしてお昼休憩を取った後は香川県みどり保全課職員より屋島の自然についてお話。ちょうどミサゴのついて話していると・・・。

まさに神がかったタイミング!もう仕込みかと思うくらい、話していた本人もビックリ(笑)

そして、北嶺屈指の展望台・遊鶴亭へ。

<ここから眺める多島海景観はオススメ!>

ひとしきり景色を眺めた後は、長崎ノ鼻へ向かって下山スタート!少し急で路面が濡れていると滑りやすいので注意しながら歩きましょう。

下山途中には、豊島石の石切場だった洞窟やその昔、瀬戸内でも捕鯨をしていたことを忍ばせる鯨大明神のほこら、前方後円墳などがあり、意外と知られていない歴史・文化に触れながら歩くことができるコースになっています。

長崎ノ鼻では海岸清掃を行いました。2週間ほど前に高松市主催によるクリーン作戦が行われたばかりでしたが、強風や波によってまた新たなゴミが打ち上がっていました。

参加者の皆さんは、「こんなものも!」「あら、こんなに古いものが?」などゴミ1つにも関心を寄せながら、改めて漂着ゴミについて考えるきっかけになったようです。

朝から屋島を縦走し、海岸清掃をした後は、地元のボランティア団体・元気YASHIMAを創ろう会のみなさんによるお接待。毎年ショウガの効いたこの飴湯が大好き。

このイベントをきっかけに、普段山を歩き慣れておらず疲れちゃったなという参加者も、ベテラン山歩きの参加者もこれからいろんな季節の屋島を歩いてもらいたいですね。サクラに新緑、紅葉、時には雪化粧する屋島、また屋島から眺める瀬戸内海だけでなく、船から眺める屋島もぜひオススメです。

※イノシシの出没が多くなっています。特に浦生古道など人の少ない道を歩く時は、鈴など音の出る物を付ける、また遭遇してしまったら落ち着いて行動するよう心がけましょう。

※市街地から近いですが、屋島登山する時は、長袖長ズボン、履き慣れたスニーカーやトレッキングシューズ、十分な水分などしっかりと準備しましょう。