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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【三崎小学校環境学習(特別編)】こどもガイド~本番~

2017年03月02日
足摺宇和海国立公園 谷吉萌

土佐清水はうららかな春の陽気が強くなっています。

早咲きの河津桜は、今が盛りとばかりに咲き誇っています。

いよいよ桜の季節がやってきましたね。

さて、三崎小学校の6年生にとって、

4年生から続けてきた環境学習の総まとめ「こどもガイド」。

今回は、いよいよ本番の様子です。

(この記事は、前回の続きになっています。)

むかえた2/23の本番。

実は、前日深夜は、台風のような豪雨でした。

危ぶまれた天気ももちなおし、うっすら晴れ間の見えるガイド日和です。

5限目の始まる13:35ちょうどにスタートします。

今回は、地域の人を対象にしたガイド体験にしたいと考えていたので、

学校通信と防災放送を使って呼びかけました。

その結果、親御さんをはじめ約20名ほどの方々にお越しいただきました!

挨拶をしたあと、

「これから500m歩きますよ。」「トイレは大丈夫ですか?」

という諸注意から始まり、さっそく出発!

 

シュノーケリング授業でみた大長老のコブハマサンゴの大きさを紐で表現したり、

グラスボートでみた海域公園のようすを写真で見てもらいます。

 

環境学習で学んだ海、山、川のことはもちろんのこと、

土佐清水市が力を入れているジオのお話も盛り込み、

実際に触って砂岩のもろさや、タフォニ(穴)の音響を楽しんでもらいました。

「弘法大師見残展望跡」では、

すばらしい奇岩を弘法大師が「見残し」たことから

「ミノコシ」という地名がついたという説もあるけれど、

江戸時代の絵師・河田小竜が名付けたという説が有力!

というマニアックなお話もありました。

いよいよ海底館が見えてきました。

  

海底館前では、重さ520tの海底館が神戸で作られ船で運ばれたというトリビアも披露。

残念ながら、前日深夜の豪雨と強風により、

当日の海底館の透視度はほぼ0。

 

海中展望用の窓ガラスが4.5cmのガラス2枚を重ねた頑丈なものであること、

それをふさぐ天板まであり、厳重に浸水対策されていることを伝えます。

  

外に出てから、川の授業で使ったペットボトルのしかけの作り方、

三崎側でとれる生きもののエビ類をどうやって見分けるか、など

実物やイラストでわかりやすく説明します。

帰り道は、それぞれお客さんとお話ししました。

親御さんやおじいちゃんおばあちゃんが来てくれているので、

ちょっとした参観日状態でした。

スタート地点に戻って、

環境学習を通じて再確認した地元の豊かな自然のこと、

でも、それを人に伝えるというのは難しかった、という素直な感想を発表。

最後に、来て下さったみなさんにお礼しました。

そのあと、反省会も行いました。

知っている人ばかりとはいえ、少しの緊張と照れがでてしまったり、

声が小さかったり、早口になってしまったり、

それぞれ自分の課題が分かっていたようです。

ただ、ケガなく無事に終わったことは立派!

4年生から3年間続けてきた環境学習。

総まとめの「子どもガイド」では、準備・練習時間も限られている中で、

みんなが努力し、成長していく姿を目の当たりにし、

子どもたちのポテンシャルの高さを実感しました。

これから進学し、大人になっていく中で、

この環境学習やガイドを通じて学んだことや経験を思い出して、

地元に誇りを持てたり、友達を呼んだりできれば御の字です。