ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2016年11月

14件の記事があります。

2016年11月08日[参加者募集中] ツルも見えるかも!?バードウォッチング

足摺宇和海国立公園 谷吉萌

たびたびこんにちは!土佐清水の谷吉です。


最近、おなかがオレンジ色の、スズメくらいの大きさの鳥をよく見かけるようになりました。

 (日本野鳥の会発行「おさんぽ鳥図鑑」より)

ジョウビタキ、という鳥のオスです。雌はもっと地味な色。

このジョウビタキ、夏は北の涼しいところで過ごし、

冬は寒さを避けるように移動する 渡り鳥 です。


ジョウビタキのように、冬になるとやってくるカモやガン、ツグミ、ツルは渡り鳥。

中でもツルは、昔話や千円札、花札の絵柄でもみられる「タンチョウ」が有名で、

日本の鳥の中では大型で、トキに並ぶ知名度かとおもいます。


今回はこのツルの仲間にかんするお話です。


主に北海道でみられるタンチョウは、赤い頭に白黒のコントラストが美しいツルですが、

西日本で見られるツルの代表格は少し小型で、柔らかな灰色と白をしています。

名前は  「ナベヅル」    と     「マナヅル」。

  (日本野鳥の会HPより)

シベリアを飛び立ち、韓国や中国を経て、西日本にやってきて越冬するこのツル。


これらのツルの多くが越冬することで有名なのが、鹿児島県出水市。しかし・・・

 ①ツルがねぐらやエサ場にする田んぼ(農耕地)への踏圧被害

 ②一極集中での感染症(鳥インフルエンザなど)による絶滅の危険性

という課題に直面しています。

これらを解決するべく、ツルの越冬地を他にも作れないかと、

環境省含む行政、民間の団体が、各地で様々な取り組みを行っています。


四国内でもツルが飛来する地域はありますが、

 愛媛県西条市・西予市、高知県四万十市、徳島県阿南市・阿波市・海陽町

が比較的、越冬するツルの多い地域です。

注目は、土佐清水自然保護官事務所のある土佐清水市のお隣、四万十市があること!


四万十市では、「四万十ツルの里づくりの会」が中心となり、

ツルがエサを食べるための田んぼを整備し、人工池を作ったり、

ねぐらになる中州に人が侵入しづらいように整備したり、

環境学習として、地元の子どもたちと一緒にデコイを設置したり、と

さまざまな取組がなされています。


そこで、そういった保全活動も含め、ツルについての理解を深めてもらいながら、

且つ、渡り鳥や留鳥といった、身近な野生動物の代表格・野鳥について知ってもらうべく、

四万十市にて!自然観察会を行います!

その名も「ツルも見えるかも!?バードウォッチング」!!


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日時:2016年11月19日(土) 9:00-12:30

場所:四万十市防災センター(観察は野外で行います)

対象:子どもから大人まで ※小3以下は保護者同伴

参加費:100円(保険代)

申込・お問合:環境省 土佐清水自然保護官事務所

0880-82-2350

       RO_TOSASHIMIZU@env.go.jp

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鳥ってカワイイよね、すきなんだよね、というあなたも

サギとツルと白鳥の違いがわからない、というあなたも

新聞でツルやコウノトリの記事見て気になってたんだ、というあなたも

寒くて運動不足になりがちなあなたも

バードウォッチングで一緒に外に出かけましょう!


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2016年11月04日空は晴れたり

大山隠岐国立公園 湯澤孝介

天気予報がほとんど当てにならない日が多くなりました。

秋のイベントシーズンということもあり、実施の判断にピリつく日も多くなったように感じます。

さてさて

先日2日に久永ARとともに高田山へ県職員の方をお連れして

自然解説や国立公園についてご紹介してきました。

※高田山は島後(隠岐の島町)の南西部都万地区にあるお山です。

 以前日記でも少し紹介しています。「海と山と

この辺り↓

支所前

どよ~んとした曇り空の中はじまりました。

支所前で、挨拶と国立公園の解説をする久永AR

久永

あれ、表情も曇ってる??

(ではなくまじめに説明しているのです!笑)

いざ出発!

コースタイムは約40分とほどよいですが、

途中急な斜面もありますので、ゆっくりゆっくり。

 

解説&休憩を挟みながら展望所(岩の露頭)へ到着~。

思わず写真を撮りたくなる風景なんです...!

宮原さん

どんよりしていた天気にやや陽が差してきました!

ご飯を食べて集合写真。

最後には島前がひかり輝いて...。

きれい!

県職のさまざまな部署の方が、その垣根を越えて一緒に登山をし、

楽しく自然に親しむことができたとお言葉をいただきました。

今月25日には、メンバーも増えて

大満寺山と鷲ヶ峰登山があります。

また晴れますように...!

- - - - - - - -※高田山登山される方へ※- - - - - - - -

登山道の一部が崩れているところがありますので、

登られる際は十分注意してください!

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2016年11月02日✿足摺ヤブツバキ保全シリーズ③ みどりの手

足摺宇和海国立公園 谷吉萌

連続投稿もいとわない土佐清水からこんにちは!

秋の桜、コスモスが美しく咲き乱れていますね。

各地で紅葉も始まり、ようやく、目で楽しむ秋が始まりました!


さて、ヤブツバキシリーズ第1弾 はじめの一歩でツバキを採取した様子をお届けしましたが、

採取した種はすべて牧野植物園で育てるため、引き取っていただきました。



今回は、地元で育てていく分のヤブツバキの種を採取した様子をお知らせします。


当然のことながら、足摺岬にはツバキとメダケしかないわけではありません。

ツバキとおなじく足摺岬の景観を豊かにしてきた在来種を、

ツバキと共に育苗し足摺岬に植樹し、本来の景観を取り戻すまでが、この保全活動の目的です。

対象は、以下の4種。

     シャリンバイ               ハマヒサカキ

  

      トベラ                   マサキ

 


結実し熟した頃合いを見て、今回採取することになったのが、

ヤブツバキ、ハマヒサカキ、シャリンバイの3種。

左上:ヤブツバキ 右上:ハマヒサカキ

左下:トベラ   右下:シャリンバイ


トベラ、マサキは時期尚早の様子。

果肉に発芽抑制物質(木になっている状態で芽が出ないようにするため)があるので、

それぞれの果実が熟すには時間差があるようです。



採取した実を、それぞれ皮・実からはがしクリーニングします。

ハマヒサカキは「インク」の別名を持つだけあって、青い汁が手に着くとあらっても落ちず、

しかも小さい実の中に、更に小さい種がぎっしり詰まっています!

しかもしかも、シャリンバイもハマヒサカキも、汁が粘性をもっているので、

なかなかうまく種だけを取り出せません。気が遠くなるような作業です。


    ハマヒサカキ          シャリンバイ

 

(おわかりいただけるでしょうか、このハマヒサカキの種の小ささを。)

取り出した実を、今度はきれいに洗い、最終クリーニング。



そしてプランターに植えていきます。

牧野植物園直伝の鹿沼土中粒と細粒の二刀流で!

 

植える! 植える! 植える!!


最終的に、土佐清水自然保護官事務所では

ヤブツバキ365、シャリンバイ235、ハマヒサカキ564を植えました。

足摺岬でも地元の方々や団体が、それぞれ畑やプランターに植え付けを終えています。

これから芽をだし、移植できるようになるまで育てていく、

植物を育てることのできる、「みどりの手」が必要な作業です。



今後、芽吹きまで育てられるか・・

これからのヤブツバキ保全活動の動向とあわせてお知らせしていきますので、

乞うご期待!

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2016年11月02日【イベント報告】秋のきのこ見っけ!in 自然回帰の森

大山隠岐国立公園 湯澤孝介

最近の隠岐は一段と寒くなりました(ブルブル)

体調管理には十分気をつけたいところです。

 

さてさて

先月29日(土)に開催した自然観察会

「秋のきのこ見っけin 自然回帰の森」の様子をご紹介します。

当日まで雨が続いてヒヤヒヤしていましたが、晴れ間も見え無事決行!

コースはこちら↓↓

コース

赤い破線がコースです

 

それでははじまりはじまり~

挨拶

ぞろぞろ~っと動き始めて10m。

さっそく登場!さてど~こだ

どーこだ

ででん。枯れ木に出てくるカワラタケでした。

ででん

続いてスギの植林内を歩きます。

スギ林内でよく目についたのは、やはり...

スギヒラタケとスギエダタケでした。

前回紹介した彼らです!(きのこ見っけた!

(カワラタケも載ってますよ~)

トカゲ岩のビューポイントではトカゲ見っけ!  ちっちゃいちっちゃいきのこをみつけたり

トカゲ岩を観るちっちゃいきのこ

植林地帯を抜けると今度は不伐の森として旧布施村(現隠岐の島町)が守ってきた天然林に入ります。

天然林

サイズが段違い!

スギサイズ

この天然林を、島根県が「自然回帰の森」として

遊歩道や休憩所などの整備をし、さらに親しみやすい場所となりました。

ここには、樹齢約200~400年といわれるスギが811本、

ネズコ(クロベ)228本、モミ127本

その他ヒメコマツ・サワグルミ・カツラなどの大木が1200本記録されています(ふるさと隠岐より)。

空気も変わって一段と気持ちが良いですよ~!

そしてそして、肝心のきのこはというと...

広葉樹の倒木にワラワラと

コフキサルノコシカケツキヨタケ

ウチワタケアラゲ

左上:コフキサルノコシカケ

左下:ウチワタケ

右上:ツキヨタケ

右下:アラゲキクラゲ

などなど、特に広葉樹のまわりには多く出てきていましたね。

神原高原に着き、休憩しながら

きのこって結局なんなんだ!?に迫ったり

きのこ紹介

きのこの本体ってどこだ!?と探してみたり...

きのこの正体みやぶったり

ヤブツバキ林になるとまた雰囲気がガラっと変わりました。

ヤブツバキ

ん~、こちらはオオイチョウタケのおわりの方でしょうか。

オオ

                    

左の白く見えているのがきのこをつくりだしている菌糸体です。

こいつが本体なんです!

スッポンタケ(これもおわりの方でしょうか)

スッポン

                

傘(頭の部分)は暗緑色で異臭を放ちます。とてもくさいです。

傘の粘液をハエが食べ、胞子を運んでくれるそうですよ~。

およそ3時間弱、きのこと動植物を観察しました。

スギ林やヤブツバキ林、針広混交林など、林の環境が変わることで

観られるきのこが違ったり、出てきやすいところはどこなのか

普段なかなか目にとまらない"きのこ"たちの存在を感じ取っていただけたかとおもいます。

最後に、ジオパークツアーデスクのスタッフや有志の方々が用意してくださった

吸い物(あごだし)とおにぎりをいただきました!あったかくて体に染みました~おいしかったです!

 

みなさんお疲れ様でした!

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