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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

国立公園大山頂上保全活動

2016年10月24日
大山隠岐国立公園

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国立公園大山(標高1729m)で平成28930日、「大山の頂上を保護する会」のメンバーらが中心になり頂上保全活動が実施されました。

当日の参加者は、ボランティア、行政関係者なども加わり約30名で3班に分かれて頂上保全活動を行うことになりました。そして最初に保護する会の後藤先生の指導のもと、ヤマヤナギの苗約50本を弥山頂上碑(標高1709m)の周辺と崩落が著しく進む三角点への尾根に沿って苗植えが行われました。作業に先立ち狭い尾根での植栽活動前には、背中を谷側に向けないことなどの安全作業への留意事項が説明されました。苗植えの後は、耐久性のあるヤシの繊維で作られた網や、コモを敷く作業など、植物の植生復元を助ける対策が行われました。また頂上の弥山避難小屋付近ではオオバコなどの外来種駆除作業が実施されました。

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大山三角点への頂上保全作業の様子。

頂上を保護する会は、1985年の発足以来、山頂での保全活動を毎年、積極的に取り組んできています。歴史を振り返ると、大山は昭和11年(1936年)に国立公園の指定を受けました。その後、西日本を代表する山として広く知られるようになりました。また冬期は、西日本のスキー場のメッカとして多くのスキーヤーにも愛されるようになりました。そして昭和50年代には、年間10万人の登山者があったと言われています。

現在では年間約6万人から7万人の登山者で賑わっています。

また近年は、海外からの登山客も増えてきています。

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縦走路でヤシの繊維で作られた網固定する作業の様子。

今年も若手の参加者が活躍しています。

やまやなぎの苗木を植えている様子。

過去には、多くの登山者によって、次第に弥山山頂一帯が裸地化していきましたが,「大山の頂上を保護する会」が「一木一石運動」を行動目標として、昭和60年(1985年)に誕生しました。そして昭和61年(1986年)には環境庁によって「大山頂上保全計画」が策定されました。昭和62年(1987年)には環境庁の補助によって、鳥取県が主体的に「大山頂上植生復元事業」を開始しました。その後、専門家による「大山頂上保全研究会」が組織され多大な役割をはたしています。

尾根部分作業終了後の様子(茶色部分)

頂上を保護する会が誕生して30年を越えました。今後も大山を愛する人達の力によって再生した大山山頂の植生保全を継続実施していくことが大切です。そのことにより大山の自然景観も改善されていくと思います。

そのためには、この山頂保全活動のバトンを受ける若い力が必要です。若い人たちが主体的に関わっていける環境つくりが、これからも必要と感じています。今後も出来ることから小さなことから、大山の魅力を伝えて行きたいと思います。

最後までご覧くださり大変ありがとうございました。